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平成12年  3月 予算特別委員会-03月24日-08号

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  1. 世田谷区議会 2000-03-24
    平成12年  3月 予算特別委員会-03月24日-08号


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    平成12年  3月 予算特別委員会-03月24日-08号平成12年 3月 予算特別委員会 平成十二年予算特別委員会 予算特別委員会会議録第八号 日 時  平成十二年三月二十四日(金曜日) 場 所  大会議室  出席委員(五十三名) 委員長  荒木義一 副委員長 板井 斎 副委員長 笹尾 淑      石塚一信      五十畑孝司      宇田川国一      大場康宣      川上和彦      木村幸雄      小畑敏雄      宍戸教男      新川勝二      菅沼つとむ      鈴木昌二
         新田勝己      畠山晋一      原田正幸      平山八郎      山口裕久      飯塚和道      市川康憲      岩本澈昌      小口義晴      谷 逸子      中塚 護      長谷川義樹      増田信之      諸星養一      吉本保寿      阿部力也      稲垣まさよし      奥村まき      小野裕次郎      高橋 忍      西村 孝      山口 拓      嘉部広司      岸 武志      桜井 稔      田中美代子      村田義則      田中優子      西崎光子      森川礼子      山木きょう子      唐沢敏美      桜井征夫      羽田圭二      下条忠雄      大庭正明      木下泰之      小泉たま子      上島よしもり  出席事務局職員   議事担当係長        松下光宏  出席説明員   区長            大場啓二   助役            水間賢一   助役            八頭司達郎   収入役           山中千万城   世田谷総合支所  総合支所長                 小畑 昭   北沢総合支所   総合支所長                 濱詰 章   玉川総合支所   総合支所長                 小野正志   砧総合支所    総合支所長                 谷田部兼光   烏山総合支所   総合支所長                 梅田義智   政策経営室    参事   長原敏夫            財政課長 庄司 衞   総務部      部長   宮崎幸男            参事   永山和夫   税務経理部    部長   相田哲之助   選挙管理委員会事務局            局長   八木 敦   監査事務局    局長   石濱信一   生活文化部    局長   稲垣 修   環境部      部長   伊藤紀明   清掃事業移管準備室            室長   池田 洋   産業振興部    部長   平谷憲明   保健福祉部    部長   櫻田 豊   世田谷保健所   所長   工村房二   在宅サービス部  部長   安田正貴   施設整備担当部  部長   佐藤久武   都市整備部    部長   原 昭夫   建設・住宅部   部長   岡沢充雄   教育長           津吹金一郎   教育次長          武藤 峻   教育政策担当部  部長   中村 弘    ────────────────── 本日の会議に付した事件  議案第一号 平成十二年度世田谷区一般会計予算  議案第二号 平成十二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算  議案第三号 平成十二年度世田谷区老人保健医療会計予算  議案第四号 平成十二年度世田谷区介護保険事業会計予算  議案第五号 平成十二年度世田谷区中学校給食費会計予算  (補充質疑、採決)    ──────────────────    午前十時開議 ○荒木義一 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 本日は、これまで審査してまいりました平成十二年度予算五件の補充質疑を行います。  それでは、質疑に入ります。  反政党・改革派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 きょうは、「せたがやの家」の続編をやりましょう。
     岡沢さんだったな、バブルのとき、私が「せたがやの家」というのは間違ったんじゃないかと言ったら、バブルのときに間違ったのは住宅だけじゃない、みんな間違ったと、こういうような発言をした。これは、私はとっさに小渕さんの答弁、まあ、運が悪かったと、こう言ったのと同じかなと思って、失言だというふうに言ったんだけれども、よく考えてみると、これは暗に「せたがやの家」は間違っていたということを認めた発言だというふうに理解をしたわけです。これについては、公明党の議員さんが、私の質問を取り上げて、あなたに弁解をさせたわけですな。ただ、弁解をしても、小渕さんも最後は弁解をしていたけれども、これは消えないんだ。  それで、あなたが弁解をしたということは、あなたが弁解をさせてくれと頼んだのか、あるいは公明党の方で弁解をさせてやると、こういうことを言ったのか。何か公明党の方で民主党の質問にだれかに頼まれたのかなんていう発言があったから、ちょっと聞くんだけれども、どうですか。 ◎岡沢 建設・住宅部長 そういうご質問ですけれども、会議に先立って取材するということは通常行われていることだというふうに私は理解していますし、私も担当課長も、何人の委員ともこの会議を通して取材をさせていただきました。内容等については個人の問題でございますので、ここでだれと、いつ、どこでと、そういう答弁は控えさせていただきたいと思いますけれども、当日、住宅関連で質問いただいた複数の委員の方々は、それなりのお考えを持って質問をされたと、このように理解をしております。 ◆下条忠雄 委員 こういう質問をするからこう答えろという打ち合わせは通常行われているようだけれども、私は余りそういうことは原則としてしないんだけれども、それは、そういうことがあったんですか。 ◎岡沢 建設・住宅部長 項目はいろんな先生からいただいております。詳しく質問するよという先生方もいらっしゃいますし、項目だけで、あとはやるよというふうにお話をいただいているということでございます。 ◆下条忠雄 委員 ちゃんと答えなさいよ。本件についてどうかと聞いているんです。 ◎岡沢 建設・住宅部長 これは、どういうことがあったにしろ、私と公明党の議員、あるいは共産党の議員さんとの関係でございますので、ここで言うお話ではないと思います。(「失礼だよ」と呼ぶ者あり) ◆下条忠雄 委員 失礼な方は公明党の方であって、こういう信義則に反するようなやり方というのはおかしいんだ。(「週刊誌だよ」と呼ぶ者あり)何が週刊誌だ。だれだ、言っているのは。週刊誌とは何事だ。どこが週刊誌だ、言ってみろ。(「推測だからだよ」と呼ぶ者あり)推測じゃないじゃないか、事実を聞いているじゃないか。言ってみろ。  まあ、何というか、自自公政権じゃないけれども、ああいう何でもありのやじが飛んでくるんだね。何が週刊誌だ。真剣に聞いているじゃないか。  それで、まあ、何ていうか、そういうような人の質問のやりとりをとって役人に弁解をさせるなんていうのは、役人と癒着しているとしか考えられない、そんなのはね。そういうのはおかしいんだ。  そういうことで、時間もなくなったので、いずれにしても、これは信義則に反するやり方だと、私はそう思うんだ。  それで、「せたがやの家」からちょっと外れて──ちょっと時間がないからね。この間、区民に対して土木、建築の職員の態度が悪いと、こういう指摘があって、聞くところによると、こっちにいた職員が総合支所に行って、その連中が悪いんだと、こういうことを聞いたんだけれども、どうも土木、建築の、前に何か無礼発言みたいなのもあったし、この間も私に対する答弁もあったし、岡沢さんの答弁も、聞いていて非常に誠実さがないんだね。何か少し思い上がったような答弁をしている。そういうあなた方の立ち居振る舞い、一挙手一投足が職員に映って、そういうことになっているんじゃないか、私はそう思うんですよ。この辺は助役はどういうふうに考えますか。区長に聞いてもしようがないから。 ◎水間 助役 この前も他会派からもそういったご指摘がございました。職務の内容等々についての話もありましたが、これはいささか弁解がましいんじゃないかというようなことを私はご答弁申し上げましたが、いずれにいたしましても、今、大場区長が窓口の対応については非常に指導をしているわけでございまして、私どもは、そういった点につきましては、これまでのご指摘も受けまして真摯に反省をいたしておりますし、これからもそういった意味では積極的に、みずから私自身も現場を回りまして指導をしてまいりたい、このように思っておりますので、ご理解をお願いしたいというふうに思います。 ◆下条忠雄 委員 またこれは答えていないんだね。そこにいる幹部諸公が議員に対する、とりわけ私はともかく木下君に対する答弁なんていうのは非常に挑戦的だよね。やっぱり区民の代表としていろんな意見を体して質問しているんだから。あなた方は公僕だ。それから、やっぱり政治的中立というのは、それは、若干の与党、野党のあれはあるかもしれないけれども、これは守ってちゃんとやらなくちゃいけないんだ、役人たるものは。そこのところを聞いているんですよ。 ◎水間 助役 この前の岡沢部長の答弁につきましては、時間も残り少なかったというようなことで言葉足らずの点がございましたが、そういった意味で真意を理解していただけなかった、このように思っております。今後ともそういった答弁については指導してまいりたい、このように思っております。 ◆下条忠雄 委員 何か時間が少ないから全部しゃべらせるとかなんとか言うけれども、九分という時間は私に与えられているんだよ。どう使おうとこっちは勝手なんだ。答弁はちゃんときちっと誠実に簡潔にやれということを初めに言っているんだから、簡潔にやれなかったら、こっちはそれを遮って質問するということは当たり前のことだ。権利だ、これは。(「ルール違反だ」と呼ぶ者あり)そっちがルール違反だ。何か自民党の後ろの方だとか、そっちの方でいつも何かやじっているけれども、議運の委員長か何かやっているのを、それをやめてから言いなさい。  終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で反政党・改革派の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 補充ということで、時間もそれほどないので、一般質問からの続きですから、例の区長会、今月は区長、ご出席なされたそうで。 ◎大場 区長 行ってまいりました。 ◆大庭正明 委員 それで、どうでしたか。内容等、久しぶりにご出席なされて、どういう議題とか内容とかございましたか。 ◎大場 区長 たまたま私は一年間の間、出ることが少なかったわけでありますけれども、この間行きまして、相変わらずの皆さんのお顔を拝見いたしまして、ああ、これはなかなか大したものだなというふうに思ってきました。  やっぱり区長会というのは、各区の表情を見ているわけですから、やっぱり出ていった方がいいだろうというふうにも思います。しかし、たまたま所用で出られなかったということもありますけれども、いずれにしても、区長会というものは、やっぱり二十三区の世田谷区の区長という立場で働きかけていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、今後とも頑張ってやっていきたい、こういうふうに思っております。 ◆大庭正明 委員 当日の議題等、項目なんかは覚えていらっしゃいますか。 ◎大場 区長 当日の議題はたくさんございまして、九項目──九というのは都区制度改革の問題が三件ございまして、それが一番大きな問題でありましたけれども、これはすぐ終わりました。それから、あとは各団体の長からのいろいろな話がありまして、大変たくさんございました。 ◆大庭正明 委員 当日は、区長も覚えていらっしゃると思いますけれども、ホームレスの収容の問題とか、そういう問題もあったんです。それはそれでいいです。  次です。今回、予算なんですけれども、予算の中で僕が非常に残念だと思うのは、やはり財源が足りないという瀬戸際のところに来て、政策経営室長は秋のころ、もうこれ以上基金を取り崩すことは限界だというふうに宣言されたにもかかわらず、取り崩しをするという方向に来た。僕はこれは非常に、今回の予算の中でそういうやり方というのは問題先送りだと思うんです。同じようなことをやっていると、新年度と同じことを次の年度にやっちゃうと、基金が全部ゼロになっちゃうということですよね。ということは、要するに問題先送りの何物でもないと僕は思うんです。  やはり、これはどこかの段階でもうちょっと踏み込んだ大規模な根本から、今の段階でもうこれ以上切り詰めるものはないんですから。だとしたら、もっと大きなものに手をつけて、徹底的にやるしかないんじゃないかと僕は思うんですけれども、それをどうして今回先送りにしたのかなというのが非常に残念でしようがないんです。  また同じことを一年やって、来年の今ごろどうするのか。もう貯金も何もないよと、そういうようなときになってから考えても手おくれじゃないかと思うんです。何か神風でも吹くんじゃないかとか、そういう安易な気持ちがあるんじゃないかと。原因は、要するに大方大きな決断が要るわけですから、大きな決断のところが一番ネックになっているんじゃないかというふうには理解していますよ、いろいろな答弁の中で。今後それをどうするのか。まだ現在政策経営室長ですか、兼務ですから、これは本当にどうされるんですか。 ◎八頭司 助役 何回かお答えしてまいりましたけれども、世田谷区の場合は行財政改善推進計画もセットで今回お示ししたわけです。これは、世田谷の厳しい財政状況を緩和する一策でもあるわけです。申し上げれば、ほかの区と比べてみれば、世田谷の場合は今回の計画、行革計画三カ年というのは転ばぬ先のつえだと思っているんです。まだ基金が底をついてにっちもさっちもいかないというような状態ではありませんから、これを何とか長引かせようということで、今回九十数億円基金を崩しましたけれども、それに対して、やっぱり十一年度の基金の取り崩しを極力抑えるだとか、十二年度においても十一年度の最初でやったような積み立て可能なものは一生懸命積むとか、そういう操作をいたしますから、少なくとも実施計画期間中はもつ、こういう確たる自信のもとにやっていますし、何度も申し上げますが、転ばぬ先のつえとして今後も引き続き行革をやって財源の捻出はしていく、こういうつもりでおります。 ◆大庭正明 委員 よその区はどうとしても、例えば今回の予算を見ていても、区民税収入というのは前期と比べて百六十億円ダウンしているわけですよ。一千何十億円から九百何十億円と百六十億円ぐらいダウンしているんです。これはもちろん恒久減税があったということかもしれないけれども、政府のやり方を見ていると、また恒久減税だってやりかねないわけですよ。そうすると、百億円単位の減収というのも十分予想できる。それに対して削る率が、要するに貯金を九十億円崩したというぐらいのレベルであって、あとは数億円単位で削っていっても、焼け石に水みたいなところがあるわけですよ。もっと大きなところに踏み込んでやらなくちゃ、要するに他の二十二区がどうなろうが、ほかの三千三百の自治体がどうだろうが関係ないんですよ。世田谷自身の問題なんです。要するに、よそがやっていなくても世田谷が率先してやらなくちゃいけないというところがあると思うんです。  例えば、小さい問題ですけれども、今回カラスネットというのはもうやりましたよね。切っちゃうわけですよ。だけれども、FMラジオなんていうのは、相変わらず聞こえないといいながらも配っちゃっている。そういうちぐはぐなことをやっているんですよ。僕が再三再四言っているのは、細かい議論に終始するんじゃなくて、常識的に考えて、やっぱりこれよりもこれを削った方が合理的だろうと、こっちは区民のためだろうというようなものは大きく手をつけなくちゃいけないし、ただ削るだけでもいけないし、やはり増収ということを考えるという政策も長期的には必要だし、その辺もあわせてもっとドラスチックな改革をしなければ、じり貧ですよ。そのことを僕は言っているんですよ。どうですか。 ◎八頭司 助役 恒久的減税で相当落ち込みました。ただし、恒久的減税に限って言えば、四分の三は臨時特例交付金で返ってくる。区にとっては現金で返してもらえる。残り四分の一は減収補てん債になります。そういう意味で起債が若干ふえるのはありますけれども、景気の落ち込みによる税の減というのは三十数億円でして、こういうものに対しては私たちはきっちりと対応策を考えていかざるを得ない。ただ、政府の方針で恒久的減税、今後もやるかもしれません。これについては私どもだけに全部その責任を負わされるのは大変つらいと思います。国がきちんと地方に対して財源を付与すべきであると思います。  それから、例えば商業振興とかそういうことを一生懸命図って、将来の税収につながるようにする。再開発ももしかしたらそうかもしれません。そういう努力は長期的にはしていかなきゃいけない、こう思っています。 ◆大庭正明 委員 国がどうやっても世田谷区だけはという気概がやっぱり必要じゃないかと僕は思うし、それから、いろいろ長時間の議論を聞いていますけれども、概念的にはわかるんですよ。いろいろ概念をお述べになる。だけれども、明確なものが伝わってこないんですよ。これは前回言いましたけれども、要するに輪郭がはっきりしないんですよ。何を言っているのかよくわからない。もっとわかるような形で具体的に提示しないと、こちらとしては何をしようとしているのかよくわからない。  補充ですから、以上で私の質問は終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 水間助役にお聞きしたいんですけれども、第三セクターの解散について株主総会はどうなりましたか。 ◎水間 助役 株主総会は、たしか三月二十八日に予定されているわけでございまして、まだ実施はされておりません。 ◆木下泰之 委員 実施されてから聞きましょう。  区長にお聞きしたいんですけれども、この前は石原都知事の排ガス公害に対するいろいろな感想を聞きましたけれども、小田急線の地下化についての発言が議事録等も上がってきていますので、区長は石原さんの地下の方が安上がりだというような発言、あるいは地下の方式を考えたらどうか、そういった発言についてどういうふうにお考えになりますか。 ◎大場 区長 それは、石原さんはどういう話だかはわからないんですけれども、しかし、地下の方が一般的な道路をつくるよりも、より住民にも親しみやすいし、物の考え方としてはその方がいいんではないか、こういうような形だと思います。 ◆木下泰之 委員 もともと区長は、六十年代には小田急線の地下化の運動の会合等にも顔を出されて、激励もされていますよね。ですから、地下の方が望ましいというお考えはそのとおりですか。 ◎大場 区長 その当時の話では地下化の問題はありました。だけれども、それはそれで私どもは大変結構だと思っていたんですが、なかなかそういうわけにはいかなくなって、地上になったということと理解いたしております。 ◆木下泰之 委員 担当者に聞きますけれども、京都の市営地下鉄の御陵駅のあたりです、シールド工法等土木技術賞等もとっているんですけれども、これについて知識はございますか。 ◎原 都市整備部長 若干新聞で読んでいる程度で、詳しくシールドあるいは工法については把握をしておりません。 ◆木下泰之 委員 下北沢はこれから地下化せざるを得ないわけですよね。そういうふうになっているわけです。今回の石原さんの話で決定づけられたわけです。ところが、ちょうど昭和六十一年に川上委員会が発足して、事務局長は林泰義さんですけれども、その当時に出した結論は、地下と高架を比べると、地下の方が三倍かかると。そういうようなことで、つまり高架の方が安上がりだと、そういう結論を出したわけです。それに引っ張られる形で高架化が推進されていったわけですけれども、実は京都の市営地下鉄は、一九八九年、平成元年十一月八日に東西線の起工式をやっているんです。そして、一九九七年には完成しているわけです。小田急の素案の説明会は一九九一年で、九二年に案の説明会。そういった時系列をたどるわけです。  つまり、当時もう既に地下化の新しい技術というのは確立していたわけです。そういった中で、そういう新しい技術については全然触れずに、開削工法であるとか、シールド工法にする場合にはシールドと同じ距離をあけなければいけない。そういうようなことでミスリードしてきた、そういう事実があると思うんです。担当者の方は、そういうことについてはどういうふうに認識されていますか。 ◎原 都市整備部長 高架、地下の議論をするときに、ただ上、下という問題だけではなくて、周辺の踏切の問題、それから踏切を解消するための土地の取得の問題、もろもろを判断してやってきたことだと思っております。ですから、決してミスリードということではなくて、当時は技術サイドあるいは経済サイドで一生懸命考えた末、そういうことになったと理解しております。 ◆木下泰之 委員 川上秀光さんといいますと、日本の土木界の大御所ですよ。全国の連続立交の調査の委員長等をずっとやられているわけです。ですから、知らなかったわけないわけです。そういったものを隠してきた。そういった中で今があるわけですが、問題は、石原都知事が地下の方が安いというふうに認識されているということなんです。これは当然ですよね。最近、エイトライナーだって地下で計画を考えて働きかけておられる。それから、外郭環状だって地下化の方がいいということで、地下にした上のまちづくりというようなことを言っている。そうなりますと、当然、鉄道についても地下でやるべきだと。また、東京都に技術があるのだからというのは、そういった意味だと思うんです。  そういった中で、下北沢について、区長、地下でやるべきだというふうに、そういうご意見は持っていないんですか。 ◎大場 区長 地元ではいろいろな意見がございまして、地下も反対、あるいはまた地上も反対と、いろいろなことがございますので、私はどっちにしたらいいかということは考えてはおりますけれども、なかなかどうもこれは簡単に私の口からはこっちの方がいいよという話にはいかないというふうに思っております。 ◆木下泰之 委員 少なくとも世田谷区議会は地下化の決議を二回も上げているんですよ。それに乗った形で区長は地下化運動を激励してきたということがあるわけです。今この期に及んでも地下にすべきだと、そういうふうに言わないんですか。地下にして、上をやっぱり緑道にでもすべきだと、そういう考えもお持ちにならないんですか。 ◎大場 区長 これは施工者側がどういうふうに今後考えていくかわかりませんけれども、地下にしたって、上の方はそのままでいいのかということが非常に問題になると思いますので、その点については、私からはどちらという話にはいかないというふうに思っております。 ◆木下泰之 委員 結局は何も決められないということですね。もう地下であるということについては、これはむしろ昭和六十二年と六十三年、一九八七年と八八年の連続立交調査が終わった後に、下北沢を切り離したときから、もうあそこは地下にせざるを得ないということは一つの方向性として決まっているはずですよ。それをずっと隠してきた。そして、今世田谷の、やっぱり小田急線というと一つの背骨に当たりますよね。それが皮膚を破って、梅ケ丘から成城のところまで露骨に醜態をさらしているわけですよ。そういった形でこれからまちづくりがされようとしている。これは世田谷の環境破壊をしていくような、そういった構図になっているわけですよ。ですから、今からだって地下にすることは不可能じゃない。そういう認識はお持ちになりませんか。 ◎原 都市整備部長 地下についても、やはりさまざまな検討がなされるべきだろうと思います。例えば、中小河川がちょうど小田急と直交するような形で入っている世田谷区においては、地下というのもやはりよほど真剣に考えませんと、地下水脈を切ってしまうというようなことも起こるかもしれない。そういうことを慎重に考えて、ただ上、下という問題だけではなくて考慮していきたいと思います。  下北沢につきましては、現在東京都も含めまして、小田急線東北沢~梅ケ丘間整備方針検討会というのもやっておりますので、その中で十分な検討をしていきたい、区もそれにかかわっていきたいと考えております。 ◆木下泰之 委員 一方で外郭環状とかエイトライナーについては地下で進めようとしている。今言ったようなことは一切言っていませんよ。そういった中で、小田急の問題、単に値段が高いからということが中心課題だったわけですよ。それもひっくり返ってきている。それから、実際問題として、もう下北沢は地下でしかやらざるを得ない、それでしかできないのにもかかわらず、いまだに区長は何もはっきり言わない。これは区民に対する背信行為ですよ。そのことを申し上げて、終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、新風21、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 地域力を高めるというテーマに、さまざまな観点から意見を申し述べてまいりました。今回は、区の基本的な姿勢三点についてお伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。  今回、基本計画の調整計画の案が示されまして、これに基づき、この予算委員会においてさまざまな討議がなされてまいりましたが、今回、予算委員会が終わるに当たっても、いまだに疑問に思うことがあります。  一つは、行政としての役割が見えてこないことです。ともすれば、新しい公共という名のもとに、役所の役割が少なくなっていくようにも聞こえます。調整計画においても、「新たな区政運営のしくみ」の中で、「行政の責任で行う行政活動領域を明確にして」とされておりますが、どこに明確にされているのかわかりません。私は、率直に地域力を高めるために区役所はこのようなことをみずからやる、また、このような区民の活動を支援するというように具体的に明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎八頭司 助役 近年、社会経済情勢が急激に変化をしておりまして、行政の役割もまた大きく変化をせざるを得なくなってきております。例えば、高齢者でありますとか、子ども、防災、環境、リサイクル、こういった日々の日常生活の中で解決しなければならない課題がますます増大化してきております。これらを従来の形で行政の責任のみで解決するにはもう限界がある。こんな判断から、区民や事業者と役割を分担して、力を合わせることによって初めて問題解決ができるんではないか、こんなことから、新しい公共という考え方を全面的に打ち出したわけでございます。  しかし、そうは申しましても、行政の果たすべき役割というのは当然最も大きく、また区民からお預かりした税金を適切に配分する責任を担ってもおります。地域の力を高めるための行政の役割を明確にするという点では、おっしゃるような認識に私どもも立っておりますので、大差はないのではないかと考えております。  今回策定します三つの計画は、新しい公共の考え方をもとに、それぞれの施策の再構築を目指しておりまして、その具体策については個々の事業計画の中で記載しておりますが、今後とも区民や事業者に対してもわかりやすい形で説明していきたいと考えます。 ◆小泉たま子 委員 二つ目ですけれども、同じ調整計画の中に「行政改革の推進」として「本当に区民が満足しているかどうか、区民の視点に立って、サービスを展開していく」とされているわけです。私は、この区の調整計画の中に本当に区民が満足しているかという言葉があることを大変評価したいと思います。しかし問題は、区民の満足ということをどれだけ真剣にとらえて日常の業務に生かそうとしているのか見えないことであります。  予算特別委員会の企画総務においてお伺いしたんですけれども、はっきりしたお答えがいただけませんでした。この区民の満足度ということは、これからの行政を考えるに当たって、本当に大切なことだと私は思います。この区民の満足度というものをどのようにとらえて施策に反映していこうとするのか、その考え方、手法について伺います。 ◎八頭司 助役 行政サービスを我々は見詰め直すときに、人、物、金、従来からのその要素だけではなくて、お話にありましたような区民の満足度といった成果を評価の重点に置いて施策評価をしていく、これが大事なことだと考えたわけです。  しかしながら、できる限り数値を用いたわかりやすい客観的な評価を目指す、こういう視点からは満足度というのは大変難しい概念でございます。満足度というのは区民それぞれに非常に多種多様でございますし、理念としては皆さん理解していただけるんですが、他の自治体でもなかなか決め手がない。例えば、東京都がベンチマークスシステムのようなことを言ってきておりますけれども、まだまだ試行錯誤を重ねながら、実践を重ねながら満足度とはこういうものだという、それぞれの自治体の満足度指標のようなものをつくり上げる最中だと今考えております。  当区では、とりあえず区民意識調査だとか各種アンケートなどで行政サービスに満足しているか、あるいは区政がどのような施策を実施することが区民の満足につながるのか定期的にお伺いをしております。区民の方々のご意見やこれらの資料などを使いながら、区独自の施策評価としての手法を確立していきたい、このように考えております。 ◆小泉たま子 委員 私は、今回の議会におきまして出張所の問題を取り上げてきました。それは、地区においていかに出張所という存在が大きいか、また、その出張所において基礎となる窓口業務がいかに大切かということを明らかにしたいからであります。どの企業におきましても、その基礎となる業務をおろそかにすると、一時はよいとしても衰退することは目に見えています。転入された方をしっかり地区で受けとめて、適正なルールに基づいた地区での豊かな生活を送れるように、出張所が役割をしっかり果たしていただきたいと思います。そのために、出張所業務の見直しについては再検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◎水間 助役 お話しのとおり、出張所が担っております業務といいますのは、いわゆる窓口業務でございますとか、あるいはまた地区防災拠点まちづくりの業務を初め、区にとって基礎的な業務でありますし、また区民生活と密接に結びついた仕事を担っている最前線の組織であるというふうに認識をいたしております。  そういった意味で、区といたしましては窓口業務の利便性を一層高めるとともに、区民の皆さんが安心して暮らしを営めるよう、まちづくりの機能の強化についてもこれまで以上に力を入れていきたい、このように考えたわけでございます。  ただ、今回私どもが検討いたしました出張所のあり方につきましては、今議会を通しまして、小泉議員を初め、いろんな貴重なご意見もいただきました。今後、これまでに、また町場等から寄せられましたご意見等々も十分踏まえながら、さらにご提案などがあれば積極的に耳を傾けまして、早い時期に新しい出張所像をお示しできるよう早急に作業を進めてまいりたいという強い決意でおりますので、ご理解をお願いしたい、このように思います。 ◆小泉たま子 委員 今三点について申し上げてきましたけれども、区民に対してわかりやすく非常に具体的に示していただきたいと。言葉が飛び交うというような状態じゃなくて、本当に区民にわかりやすく、自分たちもみんなと一緒にやっていきたいという盛り上がりが出てくるような、そういうことを具体的に示していただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で新風21の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、自由党、どうぞ。 ◆上島よしもり 委員 それではまず、財調についてお伺いいたします。  昨年十二月の区長会のワーキンググループの中で、都が行っている大都市事務として六十七事業の提示がありました。つまり、この六十七事業を都が区のかわりにやっているから、調整三税の四八%は区でもちなさいよ、そういったことなんでしょうが、この中身を見て驚いたのですが、全く大都市事務とは言いがたいものが列挙されております。実際、六十七事業のうち、法的根拠のないものはそのほとんどの五十七事業であり、区長会でも認められないとしているものはそのまた大半の五十五事業、他の道府県では、みずからの財源で行っているいわゆる府県事務は、六十七事業のうち約半数の二十八事業であります。  具体的事業名で言えば、例えばシルバーパスの交付、これも大都市事務とされているのですが、私は現在まで東京都がやっていたと思っていましたから、これならシルバーパスの論議も区も一緒に入ってやるべきだと思いますし、また、多摩の部分ではこのシルバーパスが行われているわけですから、そういった意味でも整合性が大変難しいのではないかと思っております。  また、東京国際フォーラムの運営、国際展示場の整備、運営も二十三区の調整三税でやっております。これはやはりおかしいと私は思います。  このほか、高等学校の運営、大学の運営、また山谷対策、はたまた動物園まで東京都が示した六十七事業の中には入っております。これについての論議もうやむやのまま、タイムアップで五二%に落ちついてしまった、そんなところだと思いますが、私は、いよいよこれからが勝負だろうというふうに思っております。  そこで、先日ですが、東京都の予算委員会で、石原都知事から都独自に税制調査会を設ける、そういった話がありました。私もそれに対抗してというわけじゃないんですが、私どもも区独自で財調の調査会というんですか、そういったものをつくっていくべきだというふうに考えております。二十三区全部でやると、いろいろな立場の区がありますし、また小回りもききませんし、スピードが落ちることでしょうから、自治体の形成が似ている数区と共同してでも、できれば本当は区独自でやるべきだと思いますが、そういった中で都区財調の調査会、もしくは地方財政制度調査会というものをつくって、本気で都と財政についてやり合っていただきたいと考えますが、区はその点についてどういうふうにお考えか、お教えください。 ◎八頭司 助役 おっしゃるように、大都市事務については都と区の間で大きく見解が分かれて、時間切れ引き分けというか、先送りという形になりました。  六十七とおっしゃいましたが、たしか具体的事業で四十七、あとは検討項目十八、六十五かもしれません。それについて、おっしゃるような国際フォーラムのように、我々がどう見てもこれは府県の事務であるということがたくさん入っておりました。それから、特に議論の的になりましたのは共管事務という、高校なんかもそうですが、どちらがやってもいいと法律上は読めるやつ、それから東京都の言い分からすれば、五大都市がやる事務が大都市事務である。我々は通常の都道府県と市町村の間の市町村がやる事務を大都市事務である、そう理解をしましたので、その違いが大きく分かれました。
     それはそれとして、今後も引き続き議論をするつもりでおりますが、二十三区の税財政問題については三つぐらいポイントがあると思います。一つは、都区財調をどうするのか。特に財源配分の率をどうしていくのか。二つ目に、地方交付税を含めた抜本的な地方税制改正の働きかけをどうするのか。三点目に、区独自の新たな税目の創設。こんなことが課題だと思います。その辺を課題ととらえれば、今お尋ねのような独自の税制調査会のような発想が出てくるんだろうと思います。東京都は始めますから、これはこれで私どもも期待をしておりますが、やっぱり違う立場で二十三区が少なくとも共同して、例えば財政担当部長会や課長会でまずは事前の検討体制をつくってみる、このようなことは私どもとしても二十三区に提案をしていきたいと考えております。 ◆上島よしもり 委員 私は、やはり世田谷区独自でやっていった方が、今までの経緯も考えてみますと、二十三区でやりますとちょっと遅くなってしまうといいますか、なかなか前へ進まないという中で、私は、区がまずやって、それで二十三区に提示していく、そういう手法の方がいいんじゃないかというふうに思いますので、そういう方向を考えていただきたいと思います。また、これから地方分権が進む中で、政策能力を区の中でも上げていかなきゃいけないという中で、一ついい材料だと思いますので、お願いしたいと思います。地方分権がこれから進んでいくと思いますけれども、自治体の権利、また区民の権利としてかち取っていくという姿勢をそういう中でぜひ示していただきたいと思います。  これはその辺にしまして、成人式のお話を少し。  先日、他の委員からアドバイスがありました。対案を示した方がいいというふうに言われましたので、少し述べさせていただきたいと思います。  私は、成人式の第一部については本当によかったと思っておりますが、問題は第二部なんですが、芸能人などの客寄せを使って、内容はどうであれ多くの参列者を望むという形ではなくて、人数が少なくてもしっかりした内容の成人式を行うというふうな選択がいいというふうに申しているのであります。たとえ大きな会館の中に十人でも、成人式を意義深いものにしたいと思う新成人のための本当に意味のある成人式を行っていただきたい、そういうふうに思うんです。  区としての成人式の取り組みが示されると思うんですけれども、対案としての内容は、やはり一つは、人生の先達たちからの講演というんですか、メッセージというものが上がると思いますが、今まで大騒ぎしたとか、なかなか出席者がいないという問題が一つ上がっているのはよくわかっております。そうではなくて、そういうものに耐え得る講演者をまず選ぶことと、無理に押し込めるのではなくて、自由参加で、騒ぐ者がいたらやはり退席してもらうという、大変だと思いますが、成人式を行う側として、また大人として私は当然の対応だと考えますけれども、そういうふうな一つの案があります。  また、少人数に耐えられて、かつ騒ぎに耐えられる講演者が見つからなければ、一つは映画とかがいいのかなと思って、きょうは一つビデオを持ってきたんですが、これは「二十一世紀に生きる君たちへ」という司馬遼太郎さんが小学校六年生の国語の教科書に書きおろした文章を使ったイメージビデオです。それを持ってきました。この冒頭だけちょっと述べさせてもらいます。  私は歴史小説を書いてきた。もともと歴史が好きなのである。両親を愛するようにして歴史を愛している。歴史とは何でしょうと聞かれるとき、それは大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこに詰め込まれている世界なのですと答えることにしている。私には、幸いこのようにたくさんすばらしい友人がいる。そういうような冒頭から入っていく、すごいすばらしい内容だと私は思ったんですが、こういうものを流してもいいのかなというふうに思っております。  それで、私は百人に一人でも二百人に一人でも、成人式に来た人が未来に責任を持って、希望を持って初春の青空の下をたくましい足取りで帰れる、そんな成人式を行っていただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞きしたいと思います。 ◎大場 区長 この成人式の問題につきましては、初めからお話がございましたように……。 ○荒木義一 委員長 以上で自由党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、自由民主党、どうぞ。 ◆鈴木昌二 委員 さて、今議会において、長い間の懸案でありました特別区制度改革の実現、清掃事業の移管、そして恐らく今後の福祉、なかんずく高齢者福祉と医療制度に大きな変革をもたらすであろうと思われる介護保険制度の導入など、二十一世紀の区政運営の最大の課題についてそれぞれの立場から慎重な議論がされていることは、二〇〇〇年というミレニアムの時代にふさわしいものと認識し、評価しているものであります。  こうした中で、私は、特に介護保険制度について議論を拝聴しておりますと、率直に申し上げて、余りにも評価が異なっていることに驚きを感じているところであります。言うまでもなく、介護保険制度は、体を思うように動かせなくなったお年寄りなどのお世話を国民全体でお金を出し合って支えることを目的とする、まさに少子・高齢時代に対応しようという新しい仕組みであり、取り組みでありますことは、皆様ご承知のとおりであります。国民が強制的に加入する社会保険としては、医療、年金、労災、雇用に続く五番目の社会保険制度であり、新制度の導入は実に五十三年ぶりということであります。  こうした重要な制度であるにもかかわらず、国の方針も直前までくるくる変わり、また、区におきましても、従来の措置制度の域を脱せず、この制度に批判的あるいは背を向けるような意見が多かったことは、まことに残念であります。確かにこの介護保険制度は、平成六年に議論が本格化してからわずか六年、法案が通ってからわずか二年三カ月と極めて慌ただしかったということ、モデルにしたドイツは二十年の準備期間を経て出発したのと比較して、基盤整備のおくれなどからして、余りにも拙速だという意見はそれなりに傾聴に値すると思います。  しかしながら問題は、こうした批判だけでは済まされない、もはやどうにもならない状況に至っていることを、政治や思想のレベルから見るのではなく、現実の問題として冷静に直視する必要があるのではないかと考えるものであります。また、この制度をつくらざるを得なかった歴史的経緯のほか、本制度が今後の社会に与えると見られるプラスの影響、例えば社会保障改革の糸口になり得ること、また地方分権の先導役としての役割が期待されることなど、欠点ばかりに目を向けず、制度が目指す方向を見失わず大事に育てていくという発想こそ、今求められているものと認識するものであります。  具体的には、決断と実行が重要だということであります。もし、何々だったらとか、何々だったとすればといった、いわゆる「たら」「れば」が許されるならば、少なくとも七〇年代の我が国が高齢化社会に入ったころに、時代に合わせた仕組みを決断し、実行してきたならば、今日のような混乱は生じなかったと考えるものであります。  振り返ってみますと、我が国が高齢化率七%を超え、高齢化社会に入ったのは昭和四十五年であります。昭和四十七年には「恍惚の人」がベストセラーになり、高齢化が世界一のスピードで進むことは確実であったわけであります。そして、昭和四十八年は福祉元年と名づけられ、折からの経済成長の果実を老人医療の無料化や老人福祉手当を初め、現在都や区において見直しの対象とされている施策の大盤振る舞いが始まったわけであります。施策を見据え、社会の変化に備えて仕組みをつくるという発想と説得は、我々には乏しかったと深く反省する次第であります。  以上のような反省を踏まえ、以下、私は今後の区の福祉対策のあり方について私見を申し上げ、区のお考えをお尋ねいたします。  いずれにしても、今後の福祉、とりわけ高齢者福祉は、この介護保険制度を中心に組み立てられていくことは確実であります。そして次の議論として、介護保険制度の下では生活できない。上乗せ、横出しによるサービスの充実のほか、いわゆる従来型サービスの充実が必要であるとの声がほうはいとして巻き起こってくるに違いありません。  私が申し上げたいのは、ここでの判断を誤ると、これまでの措置制度の時代へと、またいつか来た道へ舞い戻ってしまう危険があるほか、介護保険財政に大きな影響を与え、制度そのものの根幹を揺るがすことになりかねないということであります。ある程度の対応は必要でしょうが、自立とサービス提供の一般化、普遍化を求める介護保険制度の目的、趣旨から逸脱してはならないということであります。  これまでの議論の中で、介護保険の発足によって浮いた財源は、従来型のサービス充実に充てるべきだとの意見がありましたが、私の意見は少し違います。今、区がすぐにでも手をつけなければならないのは、本格的に元気高齢者対策に取り組み、一人でも介護保険対象者を減らすべきであり、もしそうした財源があるならば、これに充てるべきであります。私の恩師の主治医をされている先生は、福祉についても研究され、海外の施設の視察を何回もされております。一昨年はイタリアを視察されたそうです。  そこで、イタリアの生んだ偉大な音楽家、歌劇の「椿姫」でも有名なヴェルディの遺産で開設されたヴェルディハウスをごらんになったそうであります。これは、ヴェルディがみずから築き上げた財産を政府に納めて自分の考えと違った目的に使われるより、若いときに恵まれず努力し、音楽で世のために尽くしたはらからたちのために役立てた方がよいとの強い意志でつくられた老人施設だそうです。  高齢者の方が若い音楽家と一緒になってミニコンサートを開いています。うつらうつらしていた七十五歳の老人が、自分の出番が来たら、美声で「オー・ソレ・ミオ」を朗々と歌い、伴奏のピアニストは八十二歳の女性だそうで、左手三本、右手二本の指が麻痺し、リウマチのために両手が変形しているそうですが、ピアノの前では生気がよみがえってきたなど、感動的なお話でありました。  この先生の報告書には、老後の生活は官僚や政治の指導だけでは決して豊かにならない。個人がみずからの生活設計を決定できる選択肢を国や自治体が認めてほしいと結んであります。私も同感でありますが、いずれにしても、我が国の元気高齢者対策は、働く機会もない、語り合う場もないなど極めて貧弱であります。この貧弱さが逆に要介護高齢者を生んでいる面もあろうかと思います。  今回の介護保険制度の発足を機に、区の姿勢をこれまでの要介護者対策から、そろそろ元気高齢者対策に本格的にソフトランディングする必要があろうかと考えますが、お考えと具体的な対策をお聞かせください。 ◎八頭司 助役 今回の介護保険の導入を契機に、高齢者の福祉施策というのは今後の二十一世紀の少子・高齢社会を展望いたしますと、やっぱりおっしゃるように、要介護高齢者対策中心から、どちらかといえば予防的事業、あるいは元気高齢者対策へと徐々に転換していく必要があるんではないか、そういう認識を私も持っております。  今回、地域保健福祉審議会でさまざまにご議論いただきました高齢者保健福祉計画、それから介護保険事業計画におきましても、その基本方針では、生きがいや自己実現を求める区民の参加意欲を、区民の自主性、主体性を生かした身近なまちの活動へと高めた保健福祉社会を構築する、こういうことを掲げております。これは、まさにお話のあったような元気高齢者が中心となって進める大変重要な取り組みではないかと考えております。  区民の自己実現、社会貢献等を求める自主的、自発的な活動が活発となっている、こういう現状がございますので、これを踏まえて今後は区民の身近なところに、例えば支え合い活動、寝たきりゼロのまちづくり活動、健康づくり活動など、多様な活動の場と機会を区も用意いたしまして、高齢者の社会参加と交流を促進するとともに、元気高齢者がみずからの生活をみずからの力で豊かにしていく、こういうことのできる地域保健福祉社会をつくっていきたい、このように考えます。 ◆鈴木昌二 委員 ただいま答弁いただきましたけれども、その具体的な対策を今回の実施計画の見直し等に反映されていますでしょうか、お伺いいたします。 ◎櫻田 保健福祉部長 ただいま助役からご答弁申し上げましたが、今回は、老人大学、シルバー工芸教室、土と農の交流園、そういういわゆる元気老人対策につきましては、高齢者保健福祉計画の中で取り上げております。区としましては、これからはこうした活動に関する相談、情報提供、あるいはプログラム等をつくりまして、積極的に支援をしてまいりたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 ぜひ元気が出る施策といいますか、何も音楽だけじゃなくて、画家や彫刻家、陶芸家の方のためにとか、また将棋や囲碁の棋士のためにとか、板前さんのためにとか、ある程度民間の財源というか、そういう面なら自分の財産をなげうってもいいという人も必ず出てくると思いますので、ぜひその辺も考慮しながらご指導いただきたいと思っております。  続きまして、青少年の施策についてお伺いしたいと思います。  私は、これまでさまざまな青少年健全育成にかかわる施策の提案等を行ってまいりました。確かに行政として青少年問題を取り扱うことは難しいということは理解できます。しかし、これまでの区の取り組み方は、ややもすれば対症療法的に過ぎるように感じられてなりません。今回、組織改正が行われまして、青少年という課のレベルでの名前がなくなってきています。今後、世田谷区として青少年行政がどのような方向に向かおうとしているのか、そういうことについては重大な関心を持っております。  そこで、お伺いするんですが、担当としては青少年健全育成を担う部門が残るとも聞いておりますし、その係としての青少年係ですか、そこで何をしようとしているのか、また、その課としては子ども・男女共同参画課と伺っております。この新しい組織が具体的にどのように機能していくのか、お伺いいたします。 ◎稲垣 生活文化部長 青少年をめぐりましては、非行の低年齢化、あるいはいじめ、あるいは学級崩壊という新しい課題等さまざまあります。また、地域環境についてもいろいろな問題が指摘されています。こうした中で、青少年問題協議会の果たす役割は、地域によっては青少年健全育成に青少年地区委員会もいろいろ活動していたり、あるいは地域の方々がみずから、あるいは青少年みずから地域交流とか地域奉仕に参加し、成果を上げてきております。こうした中で、私ども、新しくできる課は青少年健全育成を担う部門として従来の青少年育成関係事務事業を引き継ぐと同時に、こうしたいろいろな活動と連携して諸施策を実施していく、このように考えております。  これまでも、子ども、お子さん方、あるいは青少年施策に対する取り組みとしては、区民生活領域、福祉保健領域、あるいは教育領域それぞれで行われておりました。ただ、委員からも対症療法的に過ぎるというお話もありましたが、子どもが育つ環境に対し、社会全体で総合的に取り組むことが必要になっている、このように考えています。こういうことで、子どもを取り巻く環境整備プランを策定したわけでございますが、それを推進し、その進行管理を行うために子ども・男女共同参画課を設け、横断的に積極的に取り組んでいきたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 青少年の健全育成というテーマは本当に難しいものですが、今ご答弁されたように、縦割り行政を打ち破って、新しい時代を担う青少年のための施策を展開していただきたいと思います。そして、その施策の展開に当たっては、地区レベルでの区民と学校とか行政が連携した取り組みが欠かせないと思います。今までは中央で何かをすると言ったのですが、これからはいろいろな場面は地域総合型健全育成とか、地域総合型スポーツ活動とか、そういう時代に入ってきたと思います。  地区では今、青少年地区委員会とか、青少年委員の方、PTA、学校協議会とか、またさまざまなスポーツ団体、レクリエーション団体などがそれなりに充実しようと頑張っているわけです。それが別々に活動するなど、問題点があるのはご承知のとおりです。今後、地区での青少年行政をどのように調整をとられ、どのように展開していくのか、具体的にお伺いしたいと思います。 ◎稲垣 生活文化部長 お子様方が健全に育っていくには、今委員からもお話がありましたとおり、家庭、学校、地域社会がそれぞれの役割を果たすとともに、お互いが手を携え、連携して全体として有効的な展開をしていかなきゃならない、このように考えております。  地域においては、青少年健全育成を担っていく中心的には青少年地区委員会というのがありまして、我々としてはこれは重要であると考えております。地区委員会には、民生・児童委員の方、保護司の方、青少年委員の方、あるいは町会の関係の方、PTAを初め学校関係者、あるいは青少年団体、こういう方々で構成されている組織ですが、そこではいろんな方々の人材、情報あるいはノウハウというのが集まっておりまして、そういうものを生かしていく、こういうことが大事だろうと思っております。  青少年地区委員会については、地区委員会みずからもいろいろと改善していこうということで提言が出ていまして、その中で組織を活性化していく必要があるだろう、あるいは学校協議会と連携して新たな事業へ取り組む必要があるだろう、こういうような提言をしております。今後、地区での青少年行政を調整し、展開していく上で、各地域で活動を続けている青少年地区委員会、あるいはさまざまな青少年の活動と連携強化を図って、私どもは新しい課が中心となって調整し、横断的に展開してまいりたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 三本柱で連携を図るというんですが、ぜひお願いしたいのは、三カ所で連携を図るんだといって、その一カ所というか、一つの青少年係というか、その責任というか、例えば今、学校協議会と連携を図ると。そうじゃなくて、学校協議会のメンバーというか、そこの活性化のお手伝いをするとか、逆に地区委員会のことを教育委員会に協力してもらうとか、そういう連携じゃないと、しっかりした連携が図れないと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、生涯スポーツ振興、とりわけ少年スポーツ、レクリエーションについてお伺いいたします。  私は、平成十年の決算特別委員会において、子どもたちが学校での体育の授業や地域などでのさまざまな運動等が基礎的な体力や運動能力を身につけ、異年齢や同年齢の仲間との交流を深め、生きる力を高めることにつながることなどを申し上げました。また、スポーツとの楽しい出会いが、子どもたちの成長、発達を促す上でも大切であるとも言わせていただきました。その活動を支えるものとしては、要するに少年スポーツ団体の育成とか、また地域の適切なスポーツ環境の整備とか、それからスポーツ指導者の育成という意見も申し上げさせてもらいました。さらに、子どもたちが地域の中で伸び伸び生活できる環境が地域に支えられているという姿は、まさにまちづくりにもつながるとも申し上げました。その上で、昨年二月にスポーツ振興財団が設立される予定でしたから、その青少年のスポーツ環境の整備や施策をスポーツ振興財団ができたらよろしくというお話をさせていただきました。その後、設立されて一年が経過したわけですので、青少年のスポーツ、レクリエーション活動の財団での位置づけと支援がどのように行われているのか、お伺いいたします。 ◎武藤 教育次長 スポーツ振興財団のことについてのお尋ねでございますけれども、人間形成の大事な時期に当たります少年期にスポーツとかレクリエーションの活動を行うということは、子どもたちの基礎体力だとか運動能力を身につけたり、あるいは少子化ということでございますので、多くの仲間や多世代との交流によりまして社会性を育てる。また、スポーツ、レクリエーションを通じまして、規律、規範だとか、あるいはマナーなどを身につけることによりまして、子どもたちの健康増進だけじゃなくて、これから大人の社会人として成長する上で極めて重要だと、このような認識でスポーツ振興財団は運営している、このように理解をしております。  また、一年間の実績でございますけれども、子ども向けの事業、少年向けの事業ということでございまして、空手だとか、あるいは水泳の少年スポーツ教室とか、あるいは親子の触れ合いなんかを中心にハイキングだとか、また釣りなど、このような事業をしております。あるいは、従来からやってきたんですけれども、綱引きだとか、ドッジボールなんかも行っている。それらには子どもたちも多く参加しているということもございます。また、新しくできた地域体育館の中では、それなりの子どもたちの事業も展開してきているというような経過がございます。  どちらにいたしましても、今後、教育委員会といたしましても、財団が子どもたちのスポーツ、レクリエーションだとか、そういうものを充実できるような形で積極的な支援を行っていきたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 将来、目前に迫った二十一世紀を担う子どもたちが単一のスポーツ種目だけでなく、横につながるような学習やレクリエーションなど、子どもたちの意見を取り入れた活動を積極的に推進することが大事な時期になってきていると思います。  そこで、今のお話の中でいきますと、財団で綱引き、いろいろ企画するのもすばらしいことだと思いますが、各団体はそれなりに、困っていると言ったらおかしいんですが、場の提供とか、そういう一つの補助とか、その指導者の育成とか、そういう面が少し足らないんじゃないか、今後の課題じゃないかなと思うんです。  また再度お伺いしますが、この一年の反省に立って、今度は全体のことで結構ですので、今後の取り組みというか、その団体をいかに育成していくか、子どもだったら、将来を担う子どもたちをどうスポーツ、レクリエーションを通じて位置づけるか、こういうことが一番大事だと思いますので、改めて質問させていただきます。 ◎武藤 教育次長 先ほどもお話しいたしましたけれども、大変かけがえのない子どもたちの育成ということで、スポーツ、レクリエーションはそれなりの重要な位置づけにあるというふうに認識はしてございます。これは学校の教育の場だけではなくて、先ほどもお話がありましたけれども、地域の中で子どもたちがいろいろな交わりの中で、社会性だとか思いやりだとか、こういうことを身につけるということが重要じゃないかというふうに考えております。  それらを充実していくためには、やはり従来から言われておりますけれども、場の確保だとか指導者の確保、これはもちろんですけれども、子どもたちが選べる種目とか授業だとか、そういうものを充実していかないといけないだろうというふうに考えております。  また、現在、地域の中で取り組んでいただいておりますスポーツ少年団だとか、サッカーとか野球、これは子どもたちに技術を教えるだけじゃなくて、先ほど申しました社会性とか、あるいはボランティア的な精神とか、そういういろいろな部分を子どもたちに教育していただいているということは我々も十分認識しておりますので、それらの代表者の方々とか、やはり子どもの声を聞くということが大事だろうというふうに思いますので、そういうことも取り入れて充実を図りたい。  また、最近、小学生、中学生、特に子どもの体位は向上しているけれども、体力が低下しているというようなことも言われておりますし、そういうことからいっても、やはりこのスポーツ、レクリエーションという位置づけは重要だろうと。教育委員会としても財団とともに今後充実をしていきたいというふうに思いますし、また現在、スポーツ振興審議会の方に地域の生涯スポーツのあり方ということで諮問をしておりますので、その中でこれからご答申いただくと思いますけれども、総合型の地域スポーツクラブのモデルをどこかにつくっていきたいなと。そういうことによってさらに発展をしていきたいというふうに考えておりますので、これからも子どもたちのために頑張りたいというふうに思います。 ◆鈴木昌二 委員 今、子どもの体力が低下している、こうあります。私どもというか、その指導者の研修会に行きましたら、山梨大の教育をしている教授の先生が、大人がちゃんと指導しないから低下するのは当たり前だと言っているわけです。ですから、大人の責任なわけですよ。せっかくスポーツ振興財団ができた。その一つの場面は、何もオリンピック選手をつくるだけじゃない。子どもの育成とか、それから生涯スポーツとか、そのためにはそこだけに限られた予算がある。職員の数も少ないとは思うんです。ですから、いかに地域のスポーツ力とか教育力だとかを引き出すとか、それから行政との連携とか、指導者をどう育成していくか、こういうことが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。  最後の質問に入ります。国際理解教育や英語教育について確認しておきたいことがありますので、質問いたします。  とにかく我が国の歴史教育と関連して、特に次代を担う真の日本人を育成していくためには、我が国の歴史をしっかりと理解し、我が国に対する理解と愛情を育てること、そして誇りを持たせることが大切だと思うわけです。また、国際化が今後より一層進展していく中で、世界の中における日本の役割と責任も急速に高まってきており、世界の中で活躍できる日本人を育成していくためにも、異文化理解を含めた国際理解教育が必要であります。  今後、平成十二年度から始まる総合的な学習の時間などでは、小学校において国際理解教育を含めた外国語の指導が可能になると聞いています。しかし、ここで考えなければならないのは、文化の違いを理解せず、言葉だけを教えても身につくはずがないということであります。我が国の英語教育の問題点の一つはここにあったのではないかと思います。  そこで、お伺いいたします。これから始めようとする総合的な学習の時間の中で、小学校の英語教育や国際理解教育をどのように展開していくのでしょうか。 ◎中村 教育政策担当部長 国際理解教育の目的ですが、お話しのとおり、異文化と接することによって日本人としての認識、自覚を育てていくということにあります。国際理解教育は、そういう観点からこれまでも行われてきたわけなんですが、このたび新たに創設されました総合的な学習の時間という枠を使うことで、もっとやりやすくなっていくんではないかというふうに思っております。その総合的な学習の時間でどのようなテーマや内容を構成していくかは、これは各学校の考え方でやってよいわけなんですが、率直に申し上げまして、それだけに戸惑いもございます。  そういったことで、教育委員会では、昨年来から新教育課程移行措置検討委員会というのを学校と教育委員会で共同して設置をいたしまして、具体的な取り組みの準備を進めてまいりました。その中で、例えばことしの一月には、実践事例集ですとか、それから英語活動授業プログラム事例集、こういったものを作成いたしまして、具体的にこんな授業の進め方ができるんじゃないか、こういう提案を学校に示せるようにしております。  例えば、実践事例集では、ALT──これは外国人の方に来てやっていただくわけですけれども、ALTですとか、それから、インターネットを使って自分の学校と外国の学校を比較してお互いに文化の相違を考えていく、こういったようなことですとか、音楽あるいは料理、これは家庭科の教科ともつながるわけですけれども、地理、こういったものをALTの方にお手伝いいただきまして、英会話を通じて勉強していくというふうなことも考えられるんじゃないか。こういうふうなことで各学校に具体的な取り組みを手がかりとなるように、教育委員会としてやっております。  いずれにせよ、その中では、英語を学ぶことは目的ではございませんで、先ほど申し上げましたように、異文化と接することで日本の文化と日本人であることの理解を深める、自覚を深める、これがあくまでもその趣旨だということで教育委員会としても進めていきたい、このように考えております。 ◆鈴木昌二 委員 私の友人で英語が身についた人の話を聞きますと、訳さなくなってから初めて英語がしゃべれるようになったと。それから、やっぱり今言ったように、英語を覚えることが目的じゃないわけです。要するに、英語を覚えるならば、英語で考えてすれば、英語圏の子どもはべらべら英語をしゃべっているわけですから。英語は英語で考えてしゃべるのが一番いいわけですから、そういうことも踏まえながら、工夫しながら、将来を担う子どもたちの健全育成を図っていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わります。 ◆小畑敏雄 委員 二月二十八日の朝刊のスポーツ欄で、神戸製鋼が五年ぶりにラグビー日本選手権でその王座に返り咲いたという記事が躍っておりました。怒濤の攻撃と鉄壁の守備、トヨタを圧倒して強豪復活ということでございました。たまたま私の心の中には、大震災という神戸が味わった大悲劇の中で、その復興が一年一年目に見えるような形でなされてきたわけでありますけれども、また別の新聞によりますと、一月十四日には、仮設住宅に最後まで住んでおられた方が、仮設住宅から立ち退かれて普通の生活に移られたという記事もございます。そんな一つ一つの復興の中で、もう一つの復興がなされたなというふうに思いました。その神戸製鋼の赤いジャージを着たフィフティーンは、試合後に、ウイ・アー・バックというTシャツを着てグラウンドの声援にこたえたそうであります。彼らもまた、ある意味では我々の復興は成ったぞという意思があらわれていたのではないかと思います。  そのラグビースピリットの中にワン・フォア・オール、オール・フォア・ワンという言葉があります。この言葉は、既に皆様もテレビを見ていれば、その意味がどういう意味であるのか、またどこかで聞いたような言葉だなということを思い出すのではないでしょうか。  実は、私は、世田谷区内、特に庁舎の中でしたけれども、町でも見ました。世田谷区在住の俳優の仲代さんが、手をこういうふうな感じで、大きなポスターに「人は、人に支えられて、輝きを増す」意味は全く同じことではないかなというふうに感じた次第であります。  そこで、介護保険の問題について伺いたいと思います。  一週間後に、その仲代さんが介護保険はこれからこうなんだよ、万人は一人のために、一人は万人のためにというその精神が、社会保障、そして福祉の原点であるということを説いているわけです。近年、この介護保険制度の評価ほどいろいろに分かれた問題はないのではないでしょうか。また、一週間後に控えたそのスタートに向けて、まだまだ詰めていかなければならないことがたくさんあります。この介護保険の事業こそが今後の本格的な少子・高齢社会を乗り切っていくための根幹をなす制度でありまして、これを円滑に運営していかなければ、今後の福祉は立ち行かないというふうに心配しております。もちろんこの介護保険だけでは、地域で安心して生活をすることは難しいことだと思います。これに従来型のサービスや新しいサービスを適切に組み合わせることによって可能になるのではないかと考えております。  そこで、区がこれまで積極的に進めてきた地区、地域、全区の三層による区民、事業者、行政の協働を、これを新しい公共と言うのかどうかは別にしまして、一層進める必要があると考えております。特に、身近な地区における区民同士の「知りあい・ふれあい・支えあい」、これを基盤としたネットワークづくりを急ぎ、失われた地区の福祉機能の回復に努めることが今何よりも急がれているのではないでしょうか。このように認識をしております。そして、このような観点に立って質問をさせていただきます。  まず、人材育成であります。介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの養成はもちろん必要だと思います。区が進めている地区、あるいは地域福祉を推進する上では、むしろホームヘルパーの資格を取得させることがより効果があることではないでしょうか。例えば、国が進めている一級、二級、三級などといったかた苦しいものではなくて、区独自に四級とか五級というような発想に立って、気軽に取得をできる制度を設け、区民全員に介護、福祉に対する啓蒙を促してみたらいかがでしょうか。そういうような意気込みがあってもいいのではないかと思います。八十万緑化という言葉があります。私は、八十万ホームヘルパーという考え方を持っておりますが、そのようなことに対してどのようなお考えか、お答えを願います。 ◎櫻田 保健福祉部長 非常に参考になるご意見だと拝聴いたしました。  これからの介護保険制度を有効なものにしていくためには、単なる基盤整備のみでなくて、福祉マインドといいますか、福祉の心を全区的に広げていく必要もあるだろう。その一つの手段として八十万全員が、なれるかどうかは別問題で、そういう意気込みでこのホームヘルパーのような資格を持つことが重要だというふうに私どもも認識をいたしております。  そういう意味で、お話にございましたこれまでのような一級から三級というかた苦しい制度だけでなくて、四級、五級といったような制度なども区独自でひとつやらせていただいて、多くの区民の皆さんに資格をとっていただきながら、区全体でこれからの高齢社会あるいは少子社会を支えていく仕組みづくりが大事なのではないか、そのように考えております。 ◆小畑敏雄 委員 そのような考えを実行するには、学ぶ場の確保が重要だと思います。たしか、亡くなられた川瀬助役さんが福祉の担当になったときに、地域保健福祉推進計画のたたき台というのができまして、その中で仮称保健福祉大学校という構想があったと思いますけれども、それはその後どうなっておりますか。 ◎櫻田 保健福祉部長 保健福祉大学の構想につきましては、今お話にありましたように、平成七年に地域保健福祉推進計画のたたき台で提案をさせていただきました。当時は、ご案内のとおり、福祉の人材のほかに介護人材の不足についてどう養成していくのかという議論が多方面にわたってございまして、保健福祉大学構想が出てきた経緯がございます。これはあくまでもたたき台のレベルでのお話でございましたが、その後、区としましては、その趣旨が実現されますように、区民介護スクール等を初めとした時代背景に合わせた取り組みや介護職の育成に努めてまいったところでございます。  今後は、介護保険の今回の導入に伴いまして、サービスの提供主体が民間事業者に大きく移行してまいるということが考えられます。区としましては、今後保健福祉人材の育成のために、民間事業者、社会福祉協議会、あるいは社会福祉事業団等、関係団体と連携を図りながら、従来型の介護研修の充実から、あるいは介護講座、講習の充実などに努めて、さまざまな研修体制を整備して実効の確保は図っていきたい、このように考えております。 ◆小畑敏雄 委員 そのような状況の中で、仮称保健福祉大学校、大学校という名前がいいかどうかは別にして、やはり先ほども言いましたように、介護保険だけにおんぶにだっこということでは、恐らく先は見えてくるのではないか。それに関連して、区の独自の施策を絡ませることによって、谷間になる部分を補っていかなければならないだろう。そのための人材養成は、さらに進めていただきたいと思いますし、そういう意味では、川瀬助役さんの遺言じゃないかなというふうに考えております。  そこで、地区、地域の福祉保健の機能を回復、確立するために、福祉マインドといいますか、福祉の心を醸成することが大切だと思います。先ほどもちょっと勝手な私案ですけれども、ホームヘルパー四級、五級のような話をしましたけれども、こういう考え方は、やっぱり小さいころから養っていった方がいいんじゃないかなというふうに思います。  例えば、今後、二〇〇二年ですか、学校が完全週五日制が導入された場合に、地域の中の行事で土曜日や日曜日などに介護体験を行うような取り組みを進めていくことができるようになってくると思うんです。通常の学校教育活動においても、福祉教育などにかかわる体験活動を取り入れた指導などが可能ではないかと思います。  先ほどもちょっと触れました、三つ子の魂百までとよく言われますけれども、小さいころに体で実際に体験したこと、多くの人々とかかわる経験、そういったことはその人の生涯にわたる人格の形成にもつながるものであるというふうに考えています。  このようなことから、特に小学校の高学年以降の教育の中で月に一回か二回程度の介護体験などを行うことによって、これからの社会に欠くことのできない介護ヘルパーとしての資質が培われるばかりでなくて、人の思いを大切にする、要するに思いやりを大切にする心の育成など、眼下の教育課題である児童生徒の健全育成ということにもつながるのではないか、教育の実現ができるのではないかというふうに考えます。その辺のお考えについて、教育長どうですか。 ◎津吹 教育長 福祉マインドあるいは小学校高学年以降の福祉教育の重要性みたいなお話がありました。今後、少子・高齢化がより進行いたしまして、高齢者だとか、あるいは障害のある方々の介護を社会全体で支える必要がある、そういう要請がますます高まってくるというふうに考えております。  そのような社会的な背景に基づいて生まれた制度が、いわゆる介護保険制度だというふうに思っておりますが、この制度を適切に実施するためには、お話にもありましたけれども、人々の心の中に共生や思いやりの心など、これからの社会をすべての人々とともに生きていくための意識とか態度を形成するということが必要であると考えております。また、このことはだれしもが避けて通れない課題であるというふうにも思っております。  そのようなことを深く理解するために、子どものころからの教育は極めて大切だというふうに考えております。都市化とか少子化とか核家族化の中で、生活体験が非常に薄くなっている児童生徒が、体験を通して勤労のとうとさとか、あるいは社会に奉仕する精神を養うということはこれまで以上に重要であり、その経験はその人の生涯にわたる人格の形成につながっていくものというふうに思います。  これもお話にありましたけれども、二〇〇二年から新学習指導要領におきまして、社会奉仕の精神を養って公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成することを重視して、例えば総合的な学習の時間を活用したり、特別活動の中でボランティア体験をするなど、そういうことが明示されております。そういうことで、福祉教育の一層の充実を図ることが可能になってくるかなというふうに思っております。当区でも、これまでにも多くの小中学校でさまざまなボランティア体験活動を取り入れておりますけれども、この介護保険制度の実施を機にいたしまして、一層推進してまいりたいと思っております。  なお、平成十年度以降の小中課程を取得する学生を対象にして、実態的には平成十四年度から教員になると思うんですが、そういう対象者に介護体験をさせることが義務づけられました。そういうことで、一層そういう福祉教育というのでしょうか、介護マインドみたいなものが育っていくのではないか、このように考えております。 ◆小畑敏雄 委員 大変いいことだと思います。子どもたちにそういう教育をするということであれば、教える側の先生もそういう体験をし、そういう心を持ってやっていかなければ、これは成り立たないことだと思います。いろいろ権利ばかり主張するような先生が多い中、何とかそういう義務も果たすような、いい先生の教育ということも欠かさずやっていただきたいと思います。  そこで、さらに今後の福祉行政を進めていく施設基盤の充実を図ることが大切だろうというふうに思います。国立小児病院跡地の確保に向けて、いろいろな方からご意見が出ております。地域の方でこうしてほしい、また、私は先ほど川瀬助役さんの遺言ですよというような言い方をさせていただいたわけですけれども、我が党も田代委員、また五十畑委員が何度となくこの問題について、福祉の教育分野での施設を国立小児病院跡地につくってほしいということを申し上げております。看護婦さん、准看護婦さん、OT、PT、ST、理学療法士に作業療法士、こうした方々の育成が非常に大事だということでございます。  そんな中で、平成十一年六月の質問で、川瀬助役さんは、庁内に総合的なプロジェクトを編成していきたいと。そして、その対応について検討し、議会とも相談をしながら進めていきたいというふうにおっしゃっています。加えて、そのときの答弁の中で、国立成育医療センターが開設となる平成十三年度中には、東京都とその譲渡先についての結論を得たいんだということまで申されている。そして、十一年九月には、亀田課長さんが、総合的なプロジェクトチームを既に立ち上げましたと。そして、医療、保健、福祉を中心とした跡地利用策、あるいは周辺地域の新たな都市基盤整備の方針など大変大きな問題があるけれども、何とかこの問題を関係者と意見を交わし、監督官庁、有識者、いろいろな方々の意見を聞いて進めていきたいというふうにまた言っております。  そんな中で、伺うところによりますと、国立小児病院の六百人おられた看護婦さんの半分を引き受けてくれるならば無償で提供しましょうというような話が以前あった。これはいい話だけれども、人が来るとという危惧もありました。介護保険が始まることだから何とかなるんじゃないのというような話だったのが、つい最近、どうも看護婦さんは全部国の方でオーケーになったから、人的なあれはなくなったということも聞いております。そうなってくると、あれ、今度は有償の話に変わっていくんだろうかなというようなことも心配しております。その辺の見通しについてご答弁を聞かせてください。 ◎八頭司 助役 今、いろいろとご紹介いただきましたような手順を踏んで検討しております。そのチームは、国立小児病院跡地活用あり方検討委員会と申しまして、昨年の七月に立ち上げまして、助役を長に関係部課、それから随時専門家などを含めて議論をしております。  おっしゃいましたように、あの跡地自体は密集市街地のかなめの位置にある。区がいろいろとまちづくりをやっている場所でもございます。また、今後の本格的な少子・高齢社会を乗り切っていくための地域保健、福祉、医療の大変な基地になる可能性がある。もちろん地域の防災とか居住性能を高める必要もある地域でございます。いずれにしても、公共の目的に沿った活用を図っていくべきである、こういうのが私どもの今現在の結論でございます。  現在、詳細な検討をしておりますけれども、ご承知のとおりの財政状況でもございます。おっしゃるように、医師、看護婦等の引き受けがない。それから、建物自体、今現在の調査ではほとんど使えそうもないという状況でございますから、おっしゃるように、かなりの部分、有償で手当てをせざるを得ないかなと思います。その算段として、例えば国が定めたPFI法の事業でありますとか、あるいは民間事業者の一部活用、それから都市基盤整備公団の活用、こうした手法を組み合わせればどういうことができるのか、この辺の検討を今進めております。特に、都市基盤整備公団は、跡地利用でありますとか、周辺まちづくりへの事業参画について独自に検討を開始しております。  今後、区といたしましては、区と民間事業者、東京都の住宅供給公社、それから今お話しした都市基盤整備公団、こうしたところとのパートナーシップでどういう形がやれるか、跡地取得のためにどういう事業手法がとれるか、これを具体に至急詰めていきたいと考えております。十三年度までに結論を出していきますが、当然、その間の経過を随時ご報告し、議会や区民の皆さんのご意見も伺いながら、この先進めたいと思P.393
    っております。 ◆小畑敏雄 委員 大変難しい問題がこれから出てくると思いますが、取得に向かって全力を傾けていただきたいと思います。  ことしはミレニアムというのでしょうか、余り私はミレニアムと言うのは好かんのですけれども、二〇〇〇年。私たちは新しい時代の一歩を歩き出したわけです。厳しい財政状況の中で区政のかじ取りも大変だと思います。先日、ある新聞で同じような状況にあるイギリスのブレア首相は、そうだからこそやりがいがあると答えております。特に、今後の福祉のあり方について、リーダーである区長さん、どうそのリーダーシップを発揮されるのか、ご所見を伺いたいと思います。 ◎大場 区長 大変大事な問題でありまして、行政の中で福祉の問題をどう取り扱っていくのか、最終的には地方自治体、こういう自治体が一番大事な問題であるというふうに思っております。ですから、それは厚生省や何かが今までいろいろ手当てをつくったけれども、しかし、実際の住民との対話というのは、やっぱり地方自治体が一番大事なんじゃないか。そういうふうに思っておりますので、やっぱり社会保障制度の根幹をなす保健福祉の分野におきましても同じようなことであります。  ですから、私どもは最前線の中で、住民の方々がどういうふうに困っているのか、そういうことを突き詰めていきながら福祉という問題を考えていかなきゃいけないのではないだろうか、こういうふうに思っております。私は、この新しい制度ができたことをいいきっかけにいたしまして、福祉の問題というのは本当に地方自治体の大事な問題だというふうにとらえてやっていきたい、このように思っております。 ◆小畑敏雄 委員 大変力強い決意を聞かせていただきまして安心をします。今までの区長さんの経験を生かして、都区制度改革もいよいよ四月一日ということであれば、二十三区で二十三通りの行政がこれから進んでいくことができるわけです。ぜひとも世田谷だなと言われるようなリーダーシップと実現に向けて、一歩を踏み出していただきたいと思います。  さて、外郭環状線のことについて伺います。  昨年の十月、第三回東京・パリ都市交通シンポジウムというのが開催されました。国や都の行政側と外環に反対する会、それからフランスの関係者などを交えて、道路行政のあり方が論議されたと聞いております。このような取り組みは大変有意義で、私たちは東京という大都市に生活することにより、東京の持つ都市機能から多かれ少なかれ利便性を享受しているわけですから、東京人として今、都市機能の向上のために何をすべきなのか、何が問題になっているのか真剣に考えるきっかけになると思います。  東京圏を支える道路は環状方向の整備がおくれている。物流のためのトラックの半分以上が、わざわざ首都高を使って都心を通過する状況になっています。そのために、区内を走る首都高三号線、四号線、この渋滞ぶりは皆さんもご承知のとおりです。また、一般道では、放射方向の二四六、甲州街道、そして環状七号、八号への通過交通の流入があって、大変混雑をしております。そのために迂回をするということで、世田谷区内の一般的な生活道路にまで車が入り込んできている状況であります。そこへ加えてディーゼル車の排気ガスの問題、それからNOxの問題等が言われております。  そこで、お尋ねしますけれども、外環が整備された場合の効果としてどんなことが考えられるか、簡単にご答弁願います。 ◎岡沢 建設・住宅部長 外環が整備されますと、お話のように、世田谷区の場合では生活道路に入ってくる通過交通が減るということと、それから、それに伴いまして環境面でいろいろ排ガス等の物質が軽減される、そのようなことが考えられますので、大いに期待をしているわけでございます。 ◆小畑敏雄 委員 そこで、昨年あたりから動き始めました石原知事が、練馬以降の南については地下方式でやるというような動きで今動きかけてきているということであります。  そこで、外環の整備の手法でありますけれども、現在凍結となっている昭和四十一年の都市計画の決定では、高架方式が基準的な形になっているというのが変わりつつあるということです。そういうようなことで、地下方式でやるならば、私は大深度地下で実施することが一番のメリットではなかろうかというふうに考えております。バブルのころの急激な地価の高騰を契機として検討が進められたというふうに聞いております。地下方式でも、三十メートルよりも浅い部分での地下方式ですと、上部の土地をすべて買収しなければならないという話を聞いております。  世田谷区内における外郭環状線の工事形態でありますけれども、私は、練馬から順番につくっていたのでは大変長いスパンになり、その工費も大変たくさんかかるというふうに思われます。エイトライナー、メトロセブンが先送りになりそうになった経過も、メトロセブンとくっつけてしまったために事業費が莫大になるということで、どうもちょっと二番手に押しやられてしまったような感があります。  そういうことから考えると、エイトライナーも、エイトライナーだけでいけばよかったんじゃないかなというふうなことも考える、そういう発想の中で、中央高速道路と東名高速道路を結ぶ路線だけでも早期に着工をするということが、物流の流れを変えるという意味では非常に効果があるのではないかというふうに思います。その車が現在環八へ流れ込み、それが世田谷区の生活道路に入り込んできている状況を考えれば、当然そういうふうな方式を考えていかれたらいかがかと思いますが、どうでしょう。 ◎岡沢 建設・住宅部長 お話しのように、外環は縦方向の交通をショートカットで結ぶという役目を持っております。ですから、今のお話、早期にそちらを検討したらどうかということは検討に値すると思いますので、今後、東京都との連絡会、国との連絡会の中でもどうしたものかということは相談をしていきたい。 ◆小畑敏雄 委員 区長さんがおっしゃられている世田谷の自然と緑を守ろうよという発想からしても、これはもう区長さんに限らず、みんながそう考えている。特に国分寺崖線沿いのみつ池付近は自然豊かなところであります。あそこを中途半端な地下方式で上部を買収する、そしてそこに、伺いますと、何か一本道路をつくってバスを走らせるとかいうような話があるようでございますが、それではやはりあの自然は壊れてしまうという特殊な地域でありますので、ひとつ区長さんを初め区の理事者の方々全員で頑張って、それぞれのパートでもっていい成果を見るようなことを働きかけていただきたいというふうに要望しておきます。  そこで、都が交通需要マネジメント東京行動プランというのを策定しまして、その一環として、都心に乗り入れる車から料金を徴収するロードプライシング制度の導入を検討していると聞いております。また、自動車排ガス、特にNOxや浮遊粒子状の物質、SPMを削減するために、段階的にディーゼル車の排ガス規制を実施することを打ち出しております。道路整備を行い、円滑な自動車交通のネットワークを完成させていくためにも、このような区部への乗り入れ規制や排ガス規制を実施していくことが区内の大気汚染の改善をもたらし、ひいては区民の安全と健康の向上につながると考えます。区として、例年の要望のみにとどまらないで、促進のための積極的な取り組みを行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。 ◎伊藤 環境部長 東京都が打ち出した今お話しのロードプライシング、あるいはディーゼル車NO作戦、これは非常に私どもも評価しております。広域的な取り組みが効果的であろうと思いますので、二十三区の関係部課長会で、どうしたら有効な協力ができるのか詰めていきたい、このように考えております。 ◆小畑敏雄 委員 ぜひ頑張っていただいて、実のある結果を得ていただきたいと思います。  さて、次に、いろいろ論議されております、この議会でも一番数多く論議されたのではないでしょうか、放置自転車の迷惑駐輪の問題、それから、ごみの鳥獣による被害の問題、この問題について要望をさせていただきます。  まず、放置自転車の対策ですけれども、レンタサイクルをやってみた、自転車置き場を置いてみた、でも、区民というのはより便利に、より楽にという形でなければ利用しない。ちょっとでも遠いとそこへ置きに行くのは嫌だというような状況が自転車においては言えるんじゃないかと思います。  そこで、三軒茶屋の高速道路下のレンタサイクルが稼働していない、桜上水の方は大変稼働しているというようにバランスがとれていない。何とかあんな状況で三軒茶屋の高速下があるんならば、全部撤去しちゃって自転車置き場にしたらどうなんだというような意見も区民の中からは聞こえてきています。  そんな中で、最近、二十一世紀へ向かって画期的な発想が出てきているということです。実は私がこれを思いついたのは、コピーの機械が故障したんです。しかも四月一日あたりの一番忙しいときでございました。真っ青になりまして、某会社に電話をしましたところ、十五分で修理に伺いますと。えっ、あの会社はうちのそばに出張所か何かを設けたのかなと思って、びっくりしたんです。それで聞いてみましたところ、修理の人がPHSの電話を持っていて、それを本社がコンピューター管理していまして、それで、だれが何時ごろこのお宅には一番近く、体があくだろうかという情報を常にやりとりしている。なるほどなと思いましたね。  レンタサイクルにこれを応用できないのかなというようなことを考えてみました。あるところでは自転車がいつもいっぱいになっている。あるところではなくて借りられなかったというようなことがあるようです。二十一世紀、これからの進んだ社会の中では当たり前のようになってくることかもしれません。  そこで、レンタサイクルにそれを取りつける。当然、もうしばらくたてば値段もコストも安くなってくると思います。そういう意味からすれば、こういう問題を早期に検討し、取り入れることによって、レンタサイクル場だけではなくて、区が経営している、また設置している自転車置き場でも、レンタサイクルを返すときにはそこでも結構ですよというようなことも可能になれば、非常にその需要が大きく広がってくるのではないかというふうに思われます。知恵を出すということはそういうことなのではないかというふうに考えながら、特にレンタサイクル、放置自転車対策には力を入れていただきたいと思います。  もう一つはごみ袋です。ごみ袋がいけないというわけではありません。ごみ集積場の中で、やはり特にカラスにいたずらされるのは生ごみの部分ではないかと思います。もちろんトレーや何かにマヨネーズがついていたりすると、トレーの方もカラスはいたずらするかとは思いますけれども、生ごみをしっちゃかめっちゃかに道路にぶちまけられてしまったものを掃除するのは本当に大変です。  そこで、私は、生ごみだけを入れる袋を考えてみたらどうだろうかと。生ごみだけを別途に集める。別途に集めるというのは、一緒に出すときに別にする。そこのところにストックヤードの小さいのを設けて、カラスにいたずらをされないというようなことを考えていって、六年後の世田谷区独自のごみ収集方法、ごみの出し方の方法等につなげていっていただければというふうに思い、十年来同じ答弁を繰り返していることへの反省として、一言辛口の言葉を申させていただきます。  以上で私の質問を終わります。 ○荒木義一 委員長 議事の都合により、ここでしばらく休憩し、再開後、自由民主党の質疑を続行させていただきますので、よろしくお願いいたします。  それでは、休憩いたします。     午前十一時五十一分休憩    ──────────────────     午後零時四十五分開議 ○荒木義一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆原田正幸 委員 私からは、教育問題について質問、要望をさせていただきます。  ただいま表では冷たい雨が降っております。午前中はまことにうららかな日差しがありまして、実はきょうは各小学校の卒業式の日でございます。昨日から天気予報が、きょうは午前中は雨だとか風だとかいう予報がございまして、私も心配しておりましたのですけれども、ちょうど卒業式が終わりまして、卒業生が校舎から正門まで先生方や保護者や下級生の見送りを受けて出る花道があるわけですが、そこを通る時間帯にはちょうどいいお日和になったと思います。  実は、一昨日も当予算委員会教育部門でも、各委員から中学校の卒業式におきまして大変感動を受けた、いい式であったというお話がたくさんございました。私も近所の中学校の卒業式へお邪魔いたしまして、卒業生と在校生両方からの合唱といいますか、その中に卒業の喜びとか、あるいは先生方のお顔なんかがありまして、大変いい卒業式を味わわせていただいたのでございます。世田谷の各学校におきまして、このようなほほ笑ましい形での卒業式が多かったということは、区の教育行政、あるいは学校の教職員の皆様のご努力のおかげでありまして、世田谷として誇れることではないかと思うわけであります。  これらのほかにも、世田谷の教育といたしまして、従前から意欲的に取り組んできた問題とか、あるいはまだよそでなさっていらっしゃらないときから先進的に努力をなさってきた事柄とか、ご担当のお立場からはおっしゃりにくいかもわかりませんが、いわば世田谷の教育のこんなところがあるよ、すぐれているよというようなお仕事を二つ三つお聞かせ願います。 ◎津吹 教育長 卒業式の評価をいただいて大変うれしく思っておりますが、また、すぐれた先進的な事例みたいなお話がありましたけれども、区の小中学校の義務教育課程というのは、社会的なルールを発達段階に応じて身につける、いわゆる自己抑制力をつけるというようなことが主眼でありますし、また、学力、体力ともに基礎、基本を身につける、そういうことが第一でありまして、それらを着実に実行していくということが求められているわけであります。  特にここで特徴づけられるというような施策というのはなかなか挙げにくいわけでありますけれども、比較的新しい事例として、二、三挙げさせていただければ、どこでもやっていることでありますけれども、研究奨励校、課題校が非常に学校の希望というのでしょうか、自主性から求められてきたことが多くありまして、それは五年ぐらい前から地域に開放するというのでしょうか、開かれた奨励校、課題校の研究のスタイルにしたというようなことがまず挙げられるかなというふうに思います。今までは保護者とか子ども、あるいは教員だけの仲間うちみたいなものでやっていたのを、地域に開いて、どなたでも来て、学校はこんな授業をやっているんだよというようなことを見ていただくということを五年ぐらい前からそういうシステムにしたわけでありますが、こういうことで学校と地域が少しかかわりが深くなったかなというふうに思います。  それと、柔軟な学級編制を支援するというようなことで、区独自の非常勤講師の派遣、いわゆるチームティーチングを支援してきた。これは非常に財政負担がかかるわけでございますので、昨年から実施したわけでありますけれども、その前からも少しお願いはしていたわけですが、昨年からかなり大胆に取り組んできました。これは財政当局、つまり区長の決断があるわけでありますけれども、そういう意味で他に例を見ない学校への支援の方策かなというふうに思います。  また、十五期中央教育審議会でも、家庭、地域、学校の連携の必要性が叫ばれましたので、それに先駆けて学校協議会をつくった。これは、いじめとか不登校とか、あるいは校内暴力とか薬物乱用だとか、そういう問題が続発いたしまして、学校の能力の限界を超えているという判断のもとに、本当に地域の支援をいただかないと子どもたちが守れないのではないか、そういう思いで学校協議会をつくったわけであります。  そういうことと、子どもがどうも、先ほどもお話がありましたけれども、体位は向上しても体力がついていない。それから、人間本来の強靱な生命力を伸ばすというようなことの指導が、学校でも家庭でも、あるいは地域社会でも余り行われていない。そういう中で、授業が終わった後、子どもたちにそういうような取り組みをしてもらおうということでBOPみたいなものを実施した。そんなようなことが少し挙げられるかなというふうに思います。 ◆原田正幸 委員 ありがとうございます。  ただいまこの世田谷の教育の中で、みずからお取り上げいただきました三つの事柄を初めといたしまして、世田谷の教育というのは、私どももしっかりいろいろやってくださっているんだろうなと思っておりますし、今ご例示がありました学校協議会を今後すべての小中学校に広めると。地域の教育へのご参画をいただくというご趣旨は、まことに時宜を得たものでありまして、ただ、これも考えてみますと、昔にはあった事柄でありまして、例えば百二十周年を迎えた小学校も、スタートはお寺、神社に置かれました寺子屋を村の方々がつくったのが発端になった学校もありますし、あるいはまた、終戦直後、区立の新制中学をつくるに際しましては、町の方々が地主さんにお願いをして土地を分けていただいて、そこへ区のお力をいただいて木造二階建てのたった一棟の校舎ができ上がったという時代を私なんかも思い出すのであります。あの当時には、町とか地域とか、町の学校とか、あるいはもっと百二十年前にいきますと村の学校とか、そういう地域と学校とが本当に一体になって子どもたちを見守って育ててきたなと。そういうよいところがまた今回復活なさるということで、ぜひお進めを願いたいと思うのであります。  また、研究校につきましては、私もPTAをやっておりましたのはもう何十年も前でございますけれども、今度うちの学校が課題校、研究校になるんだというお話を先生から伺いますと、職員室の先生方を初め、PTAも一つ火の玉になりましてお手伝いをした。それで一年、二年たってみますと、本当に学校がよみがえるといいますか、今までなかったお力がついたというような体験もございます。  また、三つ目にお挙げになられましたTT、チームティーチングにつきましても、今、区長さんのお考えをいただいてという表現がございましたけれども、この点は結構なことだと存じておりますし、児童生徒のそれぞれの特性に合った指導が細かくできるとか、あるいは社会科などで多彩なテーマに分けて授業が展開できるとか、学年の中でクラスを超えた指導ができるという長所はお互いに承知しているのであります。ただ、いわゆるご担任の先生とTTの先生との事前の連携という、時間を丁寧にかけていただくというところが先生へもご負担になることは承知しているのでありますけれども、ただ、こういう教育の大変ふくそうしている現況、これからに向かっては充実していただきたい分野だと願います。  今、教職員のお話が出ましたけれども、教育は人なり、あるいは教育は百年の大計という言葉がございます。私ども教育行政にかかわる者の立場からは、国の法律とか、あるいは学習指導要領とか、そういった国家水準に合わせた上に、世田谷なりの持ち味というものを出していただきたいわけであります。  そこで、お尋ねでございますけれども、四月から地教行法五十九条が廃止されて、人事内申権が身近になってきたということは、職員室と世の中が従前よりもお近づきになれるということを一般の人は思っているわけであります。  また、大変申し上げにくいことを申し上げますと、新学期で各クラスの担任の先生のお名前を朝礼、朝会で発表なさいますと、お名前によっては拍手が起こり、あるいはそうでない場合がある。したがって、学校によってはそういうときには子どもたちに手をたたいたり、声を上げたりしないようにしましょうというようなご指導もあるやに聞いておりますけれども、申し上げますことは、先生方がすべていい先生でおいでになっていただきたい。それには、二、三お尋ねをさせていただきたいのですけれども、まず、世田谷区の先生方の男女構成とか、あるいは年齢構成とかいうようなものが、ほかの都内の二十七市などと、大ざっぱにごらんになった場合に何か特徴がございますか、お尋ねをいたします。 ◎中村 教育政策担当部長 本区の教職員の状況でございますけれども、まず最初に、年齢構成の点を申し上げますと、平成十年五月一日現在の統計でございますが、小学校、中学校合わせまして、本区の教員が千八百二十九名おります。  その平均年齢でございますが、これは男女別に統計をとっている関係で、男女別に平均年齢を申し上げますが、小学校の男子教員の平均年齢が四十・八歳、女子の教員が四十四・四歳、それから中学校は、男子教員の平均年齢が四十二・四歳、女子教員が四十二・九歳でございます。これは、全国平均と比較いたしますと、全国平均の小学校、これは男女合わせました平均年齢ですが、四十一・八歳、それから中学校が四十・四歳でございますので、世田谷区の教員の平均年齢は全国平均よりもちょっと高目かなという傾向はあろうかと思います。  次に、男女比でございますけれども、小学校での女性教員の割合について申し上げますと、七〇・七%、それから中学校については、女性教員の割合が五〇・〇%、ちょうど二分の一でございます、というふうな割合になっております。これは、東京都の平均と比較をいたしますと、東京都の小学校の女性教員の割合が平均で六五・三%、中学校が四一・九%でございますので、これは東京都の平均から見ますと、やはりちょっと世田谷区の教員は女性教員の割合が高目かなというふうなことが申し上げられると思います。 ◆原田正幸 委員 ただいまの年齢構成、男女構成を伺いますと、押しなべて全国平均あるいは都平均よりも、経験、年輪をお重ねになった熟練なさった先生方が多くいらっしゃるというふうに受けとめをさせていただく面もあると思います。  そこで、もう一つお尋ねは、先生方に対しましていろいろな研修がおありになるということが、この教育のあらまし「せたがや」に出てございます。ページ数で申し上げますと十一ページから十二ページにわたって出ております。この研修につきましては、いろいろな対象に合わせまして多彩な教員研修をなさっていらっしゃいますが、その中身につきまして概略をお知らせいただければと思います。 ◎中村 教育政策担当部長 教員の研修の状況でございますが、教員研修は、基本的には教員の経験年数に合わせまして、幾つかの段階に合わせて行っております。端的に申し上げれば、最初教員になったときに受ける初任者研修ですね。それから、教員経験を何年間か積みますと、その年限に応じて現職の教員研修というものがございます。そのほかに校長、教頭に関しては管理監督者研修というふうなものがございまして、大まかにはそれが大きな柱となっているわけです。  近年、皆様からもご指摘のように、教員の意識改革あるいは教員がもう少し社会性を持った感覚で教育活動ができるようにしていくべきじゃないかという観点から、最近はそういった研修に加えまして、長期の社会体験研修、これは大体一カ月から一年間ぐらいの期間で、例えば民間企業など学校外の職場を経験いたしまして、先生方の視野を広げていこうと、こういうふうな研修も出てまいりました。  また、これはまだ実施されていなくて、これから実施されていくことになるんじゃないかと思うんですが、長期の社会体験研修はどうしても期間が長いものですから、参加できる先生は限られてしまいますので、もう少し期間を短くした社会体験研修、これは期間的には大体一週間から一カ月ぐらい、こういう研修も新たにやっていったらどうかというふうな提案もされておりますので、将来的にはそういう方向もされていくんではないかなというふうに思っております。  そのようなことで教員研修を進めているわけなんですが、いずれにせよ、学校教育の充実は、一に教員の意欲なり、そこにありますので、区の教育委員会としても、教員の自主的な勉強するという気持ちを強めていくために、教員の自主研修を今後はもっと強化していきたい、このように考えております。 ◆原田正幸 委員 ありがとうございます。  初任者研修につきまして、教育委員会あるいは教育センターで押しなべて新任の先生方に対する総括的な研修に合わせて、各学校の中で実際にクラスを持って指導する先生がついていただいての中身がありますが、これが大変役に立つというお話がございますね。何としても実際に生きた大勢の生徒を前にしましての学習指導でありますし、また、さらに学級経営が今大変重要でございますので、若い先生方にはそういう面でのひとつお力を加えていただきたいし、また伺うところによりますと、どちらかといいますと、お年が高い先生方の間に研修をお受けになる率が必ずしもというお話もございます。今お話がありましたように、長年の貴重なご体験をもとにさらに研さんを積まれるように、ご高齢の先生方にもご参画をいただけるようにご指導いただけたらと思うのであります。  さらにつながる課題でございますが、指導主事の先生が今般、区費負担によりましてお二人分ふえるという、まことにありがたいお話でございます。指導主事のお仕事につきましては、教育委員会教育指導課と各学校を結んでくださる大変貴重なお役であります。教科、道徳、特活──特別活動というもの、教育課程全般にわたってのご指導役でありますから、現在までの六人の主事、先生方はそれぞれご担当があったことと存じますけれども、今般、お二人ふえて八人になる。そういった新しいメンバーによります分担、役割と申しますか、従前と変わる事柄についてお示しをいただきたいと願います。 ◎中村 教育政策担当部長 今お話がございましたように、この四月から区が給与を負担する指導主事を置くことができるようになったわけなんですが、これについては、まず一つには、教科書採択、教育課程の受理、幼稚園教員の人事など、そうした教育事務が都の教育委員会から新しく移管されること。それから二番目に、新しい学習指導要領の実施ですとか、情報教育、教育相談など、時代の流れに沿った教育内容の充実が求められている。さらに三番目として、教員の一層の質的向上、研修の充実が望まれている。こういったような観点から、指導主事の陣容を強化することが不可欠である、このように考えまして、本年四月を期して二名を増員して八名の体制をとることといたしました。この八名の指導主事の体制では、従前の職務に加えまして、今申し上げましたような新しい事務を強化していくことに充てていきたいというふうに考えております。  さらに、八名の指導主事のうち二名は教育センターに配置いたしまして、教育センターの機能の強化もあわせて図っていきたい、このように考えております。 ◆原田正幸 委員 教育問題につきまして、いろいろ質問、要望をいたしました次第でございますけれども、最後に少し申し上げさせていただきますことは、教育費としての総枠が年々小さくなってきている。これは、児童生徒の総体数が減っておりますからやむを得ない問題でありますけれども、いろいろな意味で区の財政全体の中で占める教育予算が少なくなって当然であるという考え方には私は抵抗がございます。  この委員会でも、介護保険を初め高齢者への幅広い財政の出動ということはだれもが承知している分野でありますけれども、例えば、学校教育の中での学校行事、特別活動、連合活動、これらがどうしても時間的にあるいは予算の面から押されがちになってきている。どういいますか、子どもたちへの投資は今後とも従前に増して大事なものでありますので、必要なもの、望まれるものについては、児童生徒への投資をどうぞ今後ともふやしてくださるようにお願いをして、終わります。 ◆大場康宣 委員 予算特別委員会も最終日となりまして、自民党最後の出番ということでありますので、まず冒頭に当たり、この三月で退職されます伊藤環境部長、武藤教育次長、工村世田谷保健所長を初めとする退職される皆様に、自民党区議団を代表いたしまして、心からご苦労さまでしたと申し上げたいと思います。  退職に当たりまして、何かご感想がございますれば、一言ずつお願いしたいと思います。最初に、伊藤環境部長、どうぞ。 ◎伊藤 環境部長 温かいお言葉ありがとうございました。  私は、管理職になりまして七カ所ぐらいの仕事を、いずれも大事な仕事をさせていただきましたけれども、最初に児童の福祉の仕事、それから部長になって高齢対策の仕事、それから今現在、毎日おろそかにしてはいけないという災害対策であるとか、二十一世紀をにらんで環境の時代という重要な仕事をさせていただいた、これは非常に幸せであったなと思っております。十分に力を発揮できずに、ご迷惑ばかりをかけたというような点も反省しなければいけないんですが、いずれにしても、やりがいのある仕事をさせていただいたということに感謝の念でいっぱいでございます。ありがとうございました。 ◆大場康宣 委員 続きまして、武藤教育次長。 ◎武藤 教育次長 突然でちょっといろいろ考えていないんですけれども、私は四年間、人格高潔な教育長のもとにいろいろ楽しい仕事をさせていただいたということは、自分の最後の生活の中で大変よかったかなというように思います。  先ほど伊藤部長の方からも話がありましたけれども、これだけ長いことこういう仕事をやっていますと、いろいろな部署でそれなりの仕事をやってきたと。そういう中ではいろいろな方々とお会いできて、そういうことは、仕事を通じて、あるいは組織の中でよかったなというように考えております。  また、最後、この四年間の教育なんですけれども、私のようなこういう性格の人間が本当に適材適所であったのかなというのは日々反省しておりますけれども、ただ、どちらかというと飛んだり跳ねたりする方だったものですから、そっちの方ではよかったけれども、あとは中村部長の方にお願いして、何とかチームワークでやってきたんじゃないかなというふうに思います。  教育の問題につきましては、議員の皆様からいろいろな機会を通じて質問だとか、要望だとか、あるいは指摘されておりますので、それは多分四月以降、教育の職員が教育長以下一丸となって実現をしていくだろうというふうに思いますし、私もできるだけ応援をしていきたいというふうに思います。本当にありがとうございました。 ◆大場康宣 委員 続きまして、工村世田谷保健所長、どうぞ。 ◎工村 世田谷保健所長 私も世田谷区にお世話になりまして十五年ですけれども、世田谷からどこも出ない保健所というのはちょっと珍しい存在だったのではないかと思います。本当に長い間ですけれども、役に立ったかどうかわかりませんけれども、保健所法が改正されて、地域保健法になって初代の所長にさせていただきまして、本当にありがとうございました。本当にお世話になりました。 ◆大場康宣 委員 お体を大切にされまして、今後とも元気にご活躍いただきますよう期待をいたしております。  それでは、質問に入りたいと思います。  介護保険制度につきましては、保険料の減免や利用料のあり方、サービスの質と量の確保など、多くの議論が過日の本会議やこの委員会の中でありました。何分にも初めての制度でありますので、今後予想もしなかったことも起こり得ると思いますが、国を挙げての制度でありますから、まずは無事にスタートさせることが大切で、これから実施していく中で不都合なことがあれば柔軟に対応していく姿勢が重要であろうと私どもは考えております。  介護保険制度はあくまでも保険制度ですから、保険料を基本に運営されるべきものですが、この保険料につきましては、経過措置として半年間が全額免除、その後一年間は二分の一とした後、原則に戻ることになっております。しかし、制度全体の動きとして、まだまだ国などの動きを注視していく必要があると思います。  一方、利用料の減免問題、特に低所得者対策につきましては、利用者の動向や国、都の対策をよく見きわめた上で、新たな方策が必要となるかどうか判断していく必要があると思います。もちろん新たな方策ともなれば、区民の方々の重要な税金で賄うわけですから、その場合でも、私どもが常々申し上げている税の公平還元、施策の平等化という基本的な視点を前提にしなければならないと考えております。  そこで、つい最近、国の特別対策が出されたとのことですが、仄聞しますと、内容的にただいま申し上げました私どもの考えからしますと疑問を感じる部分があるようであります。  そこでまず、この特別対策の趣旨や内容についてお伺いをいたします。 ◎櫻田 保健福祉部長 お尋ねの介護保険の利用者負担に係る特別対策についてでございますが、これは三点ございます。その中で、特に低所得者対策としては二点ございます。一点は、ホームヘルプサービスの利用に対しまして、介護保険制度の開始前一年間に同サービスを利用された方を対象に、本来の一割、すなわち一〇%負担の利用料を三%まで引き下げるというものでございます。これが第一点でございます。  もう一点は、社会福祉法人等が提供するサービスを利用される方を対象とするものでございまして、本来の利用料の一割負担を五%程度に軽減するものでございます。しかし、この社会福祉法人等の軽減策につきましては、あくまでも法人の意思に基づくものということになっておりますので、軽減の幅につきましても法人側で決定をする、こういう制度でございます。 ◆大場康宣 委員 この利用者の負担軽減問題につきましては、区民の生活に直接影響を及ぼす問題であると私は思っております。  ただいまのお話からすると、国の特別対策では介護保険の円滑な導入という点に重点を置いているために、これは一面においては当然のことと思いますが、結果としては、例えば低所得者が新たにホームヘルプサービスを利用しようとした場合、この負担軽減の適用から外れてしまうことになります。これは、保険制度という相互扶助の精神から不平等ではないかと思うわけであります。国の定める基準がすべての自治体を一様に扱わなければならないということもあって、やむを得ない面もあろうかと思いますし、そうであるとするならば、区民に最も身近な自治体として区は何らかの手だてを講じる必要があると思います。  また、私の知っている方で、みずからの意思で生活保護を受けずに、苦しくとも頑張っている方がおられます。区内にはそういう方々はかなりの数でいらっしゃると思います。国は、やむを得ない場合には生活保護への移行をと指導しているようですが、我が党としては、こういう方々にこそ、この気持ちを尊重しながら何か温かい手を差し伸べるべきではないかと考えております。  まして、生活保護を受け、扶助費により介護サービスが受けられる方と、生活保護制度に頼らないで頑張っている区民の方との間に公的助成に大きな格差を生むことは、税の公平還元、施策の平等化という考え方からも外れるものだと思うわけであります。  ようやく実を結ぶ介護保険の制度が安定軌道に乗るまでの間、つなぎにしろ、区はこの人たちに必要最小限の方策を講じることが必要であろうと私は考えますが、その点について区長のご見解をお伺いいたします。 ◎大場 区長 お話はよくわかりました。私としては、以前より寝たきりゼロを初め、安心して住み続けられる世田谷区を目指してきたわけであります。したがいまして、この低所得者対策について、ただいまご指摘いただきました点を十分に踏まえまして、早速関係所管に検討させまして、早急に世田谷区ならではの結論を出してまいりたい、このように思っております。 ◆大場康宣 委員 最後に、サービスの質と量の確保の問題でありますが、本会議や委員会の理事者の答弁をお聞きしておりまして、我が世田谷区は他の市区町村に比べて質、量ともそろっているものと思っております。しかし、冒頭申し上げたように、初めての制度でありますので、何が起こるかわかりません。これまでも担当の方々は大変な苦労をなされていると思いますが、区民の方々が真に介護保険が開始されてよかったと言われるように、現状に安心することなく、今後も区一丸となって万全な体制で臨まれることを要望いたします。  次に、高齢者施設における一般団体の利用のあり方について少しお尋ねいたします。  敬老会館や高齢者集会所といった元気な高齢者のための施設は、現在区内に七カ所あると聞いていますが、こうした施設の利用形態は、ご案内のとおり、昼間は主に高齢者が利用し、夜間は高齢者以外の一般団体にも開放するという形になっております。広く地域に親しんでもらい、活動の場を提供し、限られた公共施設の有効活用という観点から、こうした高齢者以外の団体も利用できること自体は大変結構なことだと思います。  しかしながら、最近こうした事例を耳にいたしました。それは、他の施設と複合にして設置されている高齢者施設で、ある一般団体が立入禁止区域に出入りしたり、物品を無断で持ち出すなど、基本的なモラルの欠如したルールを守らない利用をし、高齢者、他の施設の利用者が大変迷惑をしており、また施設管理の面でも支障を来しているということであります。ぜひそのようなことがないよう、本来の利用者が気持ちよく施設を使える環境、円滑な施設運営が行えるような状況を整えていただきたいと思います。また、利用できる一般団体の範囲についても、施設の目的、特殊事情などを考慮し、ご検討願います。区として、このような状況を把握しているのか、事実だとすれば、どのように対処していくおつもりなのか、お答えを願います。
    ◎櫻田 保健福祉部長 まず、ご質問の事実につきましては、団体を特定いたしまして、また、行った事実等を確認いたしまして、その団体に対し厳重な注意を行っております。  次に、利用可能な団体の範囲につきましては、けやきネット等からの予約というシステム的制約がございますので、けやきネット担当所管とも協議し、本来の設置目的、施設の特殊事情等も考慮して利用できるような適正化を図ってまいりたい、このように考えております。  いずれにいたしましても、今後このようなことが起こらないように、特定の利用目的の制限も含め、使い勝手を工夫するなどいたしまして、利用者並びに近隣の方々にご迷惑の及ぶことがないように努めてまいる所存でございます。 ◆大場康宣 委員 部長の方から明快なご答弁をいただきましたので、ぜひそのような方針でよろしく対処をお願いしておきます。  次に、出張所の見直しについてお伺いいたします。  この問題につきましては、午前中、小泉委員からも質問がありました。今委員会でも各会派からさまざまな意見、要望が出されておりました。出張所問題を考えるとき最も重要なのは、何のための見直しなのか、だれのための改善なのかということではないでしょうか。当然、そこには役所の都合ではなく、区民サービス向上のためにどうあるべきかということが第一でなければなりません。どうも世田谷区は理屈が先行して、中身が後からついてくるようなことが間々あるようにも思います。やはり、区民第一、区民サービスを低下させない窓口改善というものをまず忘れないでいただきたいと思います。  確かに引っ越しシーズンともなりますと、三軒茶屋の太子堂出張所などは、それは大変混み合っているようであります。その様子を見ておりますと、手続をされる区民の方は決して単純に転入や転出の届けを出しに来ているわけではありません。同時にいろいろな証明書を取られたり、年金や国保などの手続、さらにはせっかく役所の窓口に来たからと、ご近所のごみの出し方の苦情を言っている方もいらっしゃいます。一方では、来客も少なく、閑散とした出張所も確かに見受けられるのもまた事実であります。区が言う事務量の格差是正や窓口事務を柔軟に見直す必要もあるかもしれません。いずれにしても、出張所の体制を見直し、最小限の体制で最大限のサービスを効率よく提供するのが役所の務めだと思うわけであります。  出張所の見直しについては、昨年来、各地区の地区懇談会などで順次取り上げられているようですが、時間が限られていることもあり、区民にはまだまだ十分な説明がありません。出張所は区民の日常生活に密着した区政の最前線であり、また、区民から見れば、一番身近な区の顔であります。区は、このことを十分認識し、しっかりとした議論を積み重ねながら検討を進めなければなりません。とにかく一番大切なことは、何のための見直しなのかをはっきりとさせ、人員の適正配置は当然のこと、その上で現在の窓口サービスを低下させることなく、むしろレベルアップされるような窓口、こうしたことが実現できるよう見直しをぜひ進めていただきたいと思います。  こうした点を踏まえ、何かお考えがあれば、助役のご見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎水間 助役 今いろいろご指摘をいただきました。このたびの検討に当たりましては、私どもまちづくりの強化、それから窓口サービスの改善、もう一点は、やはり行財政改善の推進という三点を基本理念といたしまして進めてまいったわけでございます。  ただ、今ご指摘もございましたように、今回の検討委員会の中身というのは、役所の中で検討した部分でございます。その中にはうたっておりますが、当然議会のご意見でございますとか、あるいは区民の方々の意見をお伺いしながら、そういった形で検討していくということでございます。  特に、今回問題といいましょうか、いろいろご意見をいただく中で、出張所の転入、転出の扱いをどうするかというようなことも大変多くご意見をいただいた、このように私どもは思っております。今議会では、いろいろそういった意味で、出張所の持つさまざまな機能につきまして多角的な視点からご議論をいただいたわけでございますけれども、これらの貴重なご意見を私どもは十分参考にしながら、今後六月を目途にいたしまして結論を出してまいりたい、このように思っておりますので、ぜひそういった形で今後とも区民の皆様方のご意見もお伺いしながら、新しい時代にそぐうような出張所をつくってまいりたい、このように考えておりますので、よろしくご理解のほどをお願い申し上げます。 ◆大場康宣 委員 ぜひとも窓口のサービスを低下させることなくということでよろしくお願いを申し上げます。  次の質問に移ります。  最近の新聞にはITという言葉があふれています。ITとは、インフォメーションテクノロジー、つまり情報技術のことを意味するそうですが、この情報革命の波は、経済活動を初め、多くの社会活動の分野に行き渡り始めています。民間企業の多くは二十一世紀への生き残りをかけた課題として、情報技術の活用と投資にしのぎを削っているのが現状です。一方では、政府は電子政府の実現を掲げ、国を挙げて行政の情報化の方針を打ち出しています。  我が自由民主党世田谷区議団は、自民党としては二十三区のトップを切って、昨年の十月、ホームページを立ち上げております。振り返って、世田谷区は、今回の調整計画の重点計画にも情報化施策の推進をその柱の一つに掲げており、まさにタイムリーな対応であるということは評価できます。また、施策の評価システムなど、情報技術を活用したシステムなどの導入も行われ、その動きに注目したいところです。  しかし、庁内を私も見渡してみますと、相変わらず職員の机の上は書類であふれ、情報化、ペーパーレスとはほど遠い現状があります。情報化の進展の速さを目の当たりにしますと、何か役所だけが旧態依然、仕事ぶりも昔のままで、このままでは社会活動から取り残されるのではないかという危惧をするものであります。  以前より何度もお尋ねしていますが、庁内にLANを張りめぐらし、一人一台のパソコンを設置することで書類を減らし、区民への対応をより効果的、効率的にできるのは一体いつのことになるのでしょうか、お答えを願います。 ◎八頭司 助役 庁内LAN等についてお答え申し上げます。  現在、区のパソコン等の台数は千百台を超えております。そのうち約百三十台ほどが庁内ネットワークに接続されまして、施策評価支援システムのデータでありますとか、担当者間での電子メールの交換など、事務用のパソコンとして利用されております。  庁内のネットワーク化されたパソコンの導入状況でございますが、現在、各部の庶務担の係までとなっておりますが、前にもお答えしたことがあろうかと思いますが、横須賀市では一・六人に一台でありますとか、足立区では既に二・五人に一台とか、そんな状況もございまして、なるべく当区もその辺を目指したいと考えております。今月末、年度末までに約百台ほど増設することを考えておりまして、十二年度はさらに百台ほど予算にも計上しております。事務処理の効率化でありますとか、情報共有の道具として有効に活用していきたいと考えております。なるべく早く一人一台化を目指したいと思います。  また、ちょっとお触れになりましたペーパーレスの件でございますが、文書の保管、管理につきましては、現在、ファイリングにより必要な書類の管理を行っております。文書量が年々増大するなど庁舎の狭隘化の原因ともなっておりますので、効果的な文書管理のための文書管理システム化を今検討に入ったところでございます。ペーパーレス化を進める上でも、ネットワークパソコンのなお一層の増設が必要と考えますので、あわせてなるべく早い解決を目指したいと考えます。 ◆大場康宣 委員 本当にぜひとも早くに一人一台のパソコンを設置できるよう私もお願いをしておきます。  現在の庁舎では、借り上げの庁舎など分庁舎が多く、ネットワーク化するのも物理的には大変ではないかとも思います。こうした情報化への取り組みをという点をとってみても、インテリジェント化した新庁舎の建設は、時代に対応するためにも必要と考えます。庁内の情報化は、当然区民との情報のやりとり、つまり、区民から情報の受け入れ、また区民への情報の発信ということが伴います。しかし、安直な情報化には大きな落とし穴があることも事実です。  先日、政府や自治体、民間企業などの多くのホームページがハッカーの被害に遭ったことが話題になりました。自治体は多くの個人情報を抱えています。区民が安全に快適に情報化の恩恵により役所とやりとりができるようになるためには、それだけのセキュリティー管理が肝心になりますが、区の対策は大丈夫なのでしょうか、お聞かせください。 ◎八頭司 助役 セキュリティーのお話でございますが、区では平成九年度から十一年度にかけまして、さまざまなシステム開発とともに高度情報化社会に対応した情報基盤の整備を進めてまいりました。これらの整備によりまして、区の情報ネットワークは、住民情報漢字オンラインシステムなど基幹情報システム、これを運用する従来の庁内ネットワークに加えまして、保健福祉総合情報システムでありますとか、街づくり情報システム、これを運用する庁内ネットワーク、それから防災映像情報システム、地域映像情報提供支援システム、こうしたさまざまな外部と接続されたネットワークなど、今後の高度情報化に対応した新しいネットワークポリシーを確立したと考えております。  特に第二ネットワークと称しております庁内のイントラネットでございますが、保健福祉総合情報システムや街づくり情報システムなどを運用するとともに、電子メールの交換でありますとか、共有ファイルの閲覧、こうしたものを運用する庁内情報基盤となっております。  また、防災の映像情報システムですね。三茶の高所カメラの映像でありますとか、地域映像情報の提供支援システムなど、区民に情報を提供するため、外部と接続するネットワークを第三ネットワークと称しておりまして、このネットワークによってインターネットの電子メールの交換でありますとか、ホームページの閲覧、ホームページによる情報提供などをやっております。  こうした場合に、特に外部との出入りの関係で問題が出てまいりますので、一番端的に申し上げますと、三軒茶屋の文化生活情報センターに、ここをゲートウエーとして扱いまして、ファイアウォールと称しますけれども、セキュリティー装置を設けておりまして、外部からの不正なアクセスを防止する仕組みをつくっております。また、外部からのメールでありますとか、データに対するウイルス対策といたしまして、常に最新のウイルス防止ワクチンによりましてこれを防止しております。そういう点では、一通りのセキュリティーは果たしているのではないかと考えております。 ◆大場康宣 委員 一安心をいたしました。私もホームページを持ち、議員活動を行っている一人です。これからは各職場ごとにホームページが開かれ、区民とさまざまな形で情報のやりとりが行われることと思います。ぜひ情報化に合わせ、安全で迅速な対応のできる体制を整えてほしい旨、要望しておきます。  最後に、庁舎改築の問題についてお尋ねいたします。  この問題を持ち出しますと、必ず財政状況の話が出てくるわけであります。確かにこの金のない時代に何を言うのかというご意見もあるでしょう。しかしながら、大田区、足立区、練馬区、文京区、墨田区と平成に入ってからも各区の庁舎は次々と改築、新築されております。それに比べて、我が世田谷区の第一庁舎は昭和三十五年に建てられ、築四十年、第二庁舎は四十四年建築の築三十一年。この情報化の時代、インテリジェントビルだ、IT、情報技術投資だという時代に、区長を初め区民も職員もよくよく辛抱、我慢してきたものだなと感心する次第であります。  耐震や防災の問題は言わずもがな、周囲の借り上げビルの賃貸料を考えれば、現状のままが本当に経済的なのか、安上がりなのか、だれに聞いても甚だ疑問とするところであります。  ところで、こうした問題が議会でどのような議論をされてきたことかがもう一つの問題であります。今回、この質問をするために、私は昭和五十九年からの会議録や資料を取り寄せ、庁舎改築に関する質問や答弁について質問者の一覧表を作成しましたので、ごらんください。  一番古い記録としては昭和五十九年のものですが、昭和五十九年以前の資料は手に入りませんでした。これを私はまとめてみましたら、庁舎問題に関する過去の主な質問ということで、年月、会議名、質問議員名、会派名、備考といたしまして何期目に質問したのかということで表をつくってみました。昭和五十九年、下条議員、六十年、荒木議員、六十二年、本多議員、六十三年、土橋議員、内山議員、内藤議員、平成元年、内山議員、広島議員、増田議員、丸山議員、平山議員、平成三年、中塚議員、石井議員、平成六年、西村議員、平成七年、山内議員、山口裕久議員、大場、西村議員、九年、山口裕久議員、近岡議員、十年、宍戸議員、山口裕久議員、十一年、大場、新川議員、荒木議員、宇田川議員と。実に二十人で二十六回のこれだけの庁舎問題に関する質問をされております。  この昭和五十九年十一月の第四回定例会代表質問で、下条議員はこのように言っておられます。  地方都市へ視察へ行ってみて常々うらやましく思うのは、庁舎の問題であります。第一庁舎、第二庁舎が大変離れていて不便であります。借り上げビルやプレハブで執務をしている。職員が不便ばかりでなく、来庁する区民にも多大な迷惑をかけているのではないか。消防署の指摘などもありまして、私どもは何回か質問、提言をしているところであります。検討委員会ぐらいおつくりになったらいかがかと思います。また、政令都市クラスには議事堂といいますか、議会棟を持っております。まことにうらやましく思うわけであります。  以下、六十年に荒木議員は、世田谷区が市になり、指定都市になるにしても、やっぱり象徴であってほしいと私は思うわけです。昔は庁舎建設特別委員会があったぐらいで、議会側としても考えなきゃならないと思います、と発言しておられます。  また、昭和六十三年、内山議員は、本庁は分散され、まるでタコ足のようになっている。賃貸料を年間二億六千万円、十年で約二十六億円払っていると聞いておりますが、賃貸料は幾ら支出しても区の財産にはならないと述べています。  平成元年に丸山議員は、耐用年数の問題、職員一人当たりの執務スペースの問題を取り上げています。私も平成七年の初めての一般質問で、防災の視点から庁舎改築を取り上げましたし、昨年六月の代表質問でもこの問題を質問しております。  これに対して、区長を初めとする理事者答弁はどうかといえば、昭和五十九年十一月、区長答弁では、本庁舎施設総合建設計画委員会というものを昭和五十六年四月に一応設け、一年半検討したが云々と答え、六十三年六月にも区長は、庁舎建設基金の計画的積み立てを行いながら、とりあえず庁内には検討委員会を組織いたしまして検討に着手し、その後は専門家を加え、本格的な検討に入りたいと答弁されております。その後、丸山議員にも、調査検討を始めたところでございますと答え、最近のやりとりを拾ってみても、平成十一年六月、区長は、我が党の私の代表質問に対し、庁内に検討組織を設け、庁舎建設の問題を整理させていただきたいということを答弁されております。  時間もなくなりまして、私が言いたいのは、これだけ十六年にわたって、もうそろそろ検討委員会を立ち上げてほしいということで、区長いかがでしょうか、ご答弁をお願いします。 ◎大場 区長 この問題は大変大事な問題でありまして、私どももなかなかその問題に取り組みたいと思っていましたが、いろいろ都合がございまして、現在までになっているわけであります。何といっても、庁舎そのものは住民の大変大事なものであるという意識がなかなか薄くて、ことしから来年にかけまして検討いたしまして、私どもは委員会をつくりまして、今までも委員会の中でいろんな話がありましたけれども、そこに……。 ○荒木義一 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、公明党、どうぞ。 ◆中塚護 委員 今後の区政について、まず区長にお尋ねをいたしたいと思います。  平成十二年度は、地方分権や制度改革、介護保険導入など、区政にとりましても大きな節目であります。また、経済状況は依然として厳しい状況が続いております。このような中で、平成七年度にスタートした基本計画がこのたび調整計画として修正されることになりました。この内容を見てみますと、基本的には現行の計画を踏襲しているとのことでありますが、一方で新しい公共というものが盛り込まれたり、行政評価制度が具体化されたりしております。また、介護保険の導入はもちろんのこと、子どもの対策を総合的に進める、あるいは循環型社会の構築や生活・福祉的都市基盤の整備、そして情報化といった新しい課題にも取り組んでいく姿勢が示されています。  こうしたことを見ますと、現行の基本計画がスタートしてわずか五年ほどの間に、世の中の情勢が大きく変わったと思います。また、細かいようですが、個々の計画の説明を見ましても、目指す、していく、する、図るなど、今までよりも表現に力強さは感じられております。  基本計画は、言うまでもなく区政運営の基本的な姿勢を示したものだと思います。言いかえれば、区長の政治姿勢でもあります。しかし一方で、これまで長い間努力しても実現できなかったことが、厳しい行財政をやりくりしながら実施しようとしている今日、区長の残された任期中にこれらが本当に実現できるのか、不安を持つのは私だけではないと思います。  調整計画は、具体的に大変立派なことが述べられており、その成果が大きく期待されるところであります。ぜひとも一たん決めたことはどんなことがあろうと必ずやり抜くために、全力で取り組んで実現していただきたいと思います。  そこで、まず区長のご決意をお伺いいたします。 ◎大場 区長 基本計画を調整する計画につきましては、現在いろいろとご意見をいただきながら最終的な調整を進めておりますが、今回の調整計画は、実施計画、行財政改善推進計画と整合させて策定いたしました。  四月以降、この実施計画や行財政改善推進計画に掲げました具体的な計画事業や行財政改善項目を強力に推し進める所存でございます。この計画期間である今後の三年間は、まさに二十世紀と二十一世紀をつなぐ時期であります。私は、この期間を区民の夢と希望に満ちた時代のかけ橋となるよう、今後の区政運営に全力を尽くし、調整計画の実現を図ってまいりたい、このように存じております。 ◆中塚護 委員 ただいまの区長のご決意は、区民お一人お一人へ向けての宣言であると、私はこう伺っておきます。また、六千人の区の職員、ここにいらっしゃる部長クラスの皆様、それぞれが一致団結をして、この実現に全力で取り組んでいただきたいことを強く要望いたしておきたいと思います。  次に、調整計画の中の三八ページのところに、「環境・共生」というのがございます。この中に、「環境問題への取組みをはじめ、ダイオキシン等の有害化学物質、各種公害への対応が急務である」と述べておられます。また、さらに、八九ページのところでは、このように言っております。「ダイオキシン類、環境ホルモン等の有害化学物質等の現況調査・監視を実施し、区民等への的確な情報提供を図るとともに、区民の安全と健康を守るための公害防止指導・相談体制を整備する」、このようにここに載っております。  我が党では、これまでに何度となく条例を制定せよとこのように申し上げてきております。世田谷区の区民意識調査での環境問題については、今後環境行政が取り組むべき課題の中で、ダイオキシン類などの有害化学物質対策を進めるというのがここに出ておりますが、四六%で第三位ということで環境問題について区民のお答えがあるわけです。また、その次のページに、次世代へのあるべき環境としては、ダイオキシン類などの排出や大気汚染などが抑制されている次の社会ということを挙げる区民の割合が四六・五%で最も高くなっております。  こうした結果から見ても、この問題については徹底的に調査分析を行って、区民に安全宣言を発表できるまで真剣な取り組みを強く要望しておきますが、条例制定へ向けての現状はどうなっているのか、また、今後のスケジュールについてお示しをいただきたいと思います。 ◎水間 助役 お話のダイオキシン条例につきましては、これまでダイオキシン法の規制手法、それから他自治体の条例の比較、分析など実務的な調査検討を行ってまいりました。  また一方、本年の一月には環境基準の策定を含みますダイオキシン法が施行され、都でもダイオキシン類の規制強化を内容とする公害防止条例の改正というものを本年度中にやりたいというふうに聞いております。  ただ、いずれにいたしましても、今委員もお話がございましたように、ダイオキシン条例は広域的な課題でもありまして、その効果云々もあるわけでございますけれども、私どもとしては、やはり一刻も早くダイオキシン条例をつくりまして、区がダイオキシン対策に対して取り組む、そういった強い姿勢を区民の皆様方にお示しすると同時に、他の自治体にそういったことを発信することが極めて重要な問題であると私は考えております。  したがいまして、今、条例化のスケジュールのお尋ねでございますけれども、本年秋に予定されておりますところの都の公害防止条例の改正とあわせまして、この条例を早急に検討してまいりたい、このように考えております。 ◆中塚護 委員 助役の大変力強いご決意がうかがわれましたので、可といたします。ぜひ全力で頑張っていただきたいと思います。  次に、緑と水のまちづくりと都市景観の創造という中で、区長の公約でもございます八十万緑化計画の推進について九七ページに載っているわけですが、この事業目的に「区内の緑を守り、新たな緑を創出するために、八十万緑化計画を推進して、緑を守る区民・事業者等の自発的な活動を促進するとともに、区民・事業者等とのパートナーシップによる『緑と水のまちづくり』を推進する運動の展開を図る」と、このようにございます。十一年度末の現況では、八十万緑化計画の推進手法の検討となっておりますが、もうあとわずかで十一年度末になるんですが、どの程度までこの手法の検討が行われましたか。 ◎原 都市整備部長 八十万緑化計画ということでありますが、これは八十万本を植樹するということではなくて、もっと広く八十万区民が緑を大切にする、さらにはそれを通して環境に関心を持つという緑の運動にしていきたいという区長の考えに沿って行うものでありまして、今年度はその組織をつくろうということで、十二年度当初の早い時期に推進会議というのをつくる、その準備を現在しているところであります。  この推進組織というのは、新たに組織をつくるというのではなくて、既に地域にある組織の再編成というか、緑をつくっていくために、あるいは守っていくために再編成をしていこうというものであります。例えて言いますと、現在各総合支所の身近なまちづくり推進協議会緑化部会というものがございます。あるいは環境フォーラムというのがあります。そういうものを使わせていただきながら再編成をやる。さらに、区内で緑系、環境系の大学もありますので、その大学のもつ緑に関する専門的なノウハウを教育機関との連携を深めて拡大していきたい、そのように考えております。  具体的な活動内容としましては、既存の緑化施策に対する意見をいただいたり、新たな緑化手法やアイデアの提供など、区民の視点に立ちましたさまざまなご提案をいただいて、それをまとめる中で新しい知恵を見出して実践に努めてまいりたいと思っております。 ◆中塚護 委員 今、八十万緑化計画推進会議というのが、この平成十二年度にのっているところをご説明いただいたわけですが、具体的にこの推進会議がこれから発足をするわけですけれども、どこら辺まで推進ができるのか。例えば、ここで平成十二年度では事業費が五百万円となっているわけですが、五百万円といっても大変な金額でございます。推進会議の発足をさせ、なおかつ具体的運動の検討と既存の緑化施策への反映ということで、どの程度までこれでできていくのか。具体的に五百万円の使い道というか、そういったものについてご説明をいただきたいと思います。 ◎原 都市整備部長 具体的な知恵は、今申し上げた推進会議という中で出していただく、そういうのをベースにして検討していただきたいわけですが、五百万円の使い方としましては、そういう推進会議の運営ですとか、あるいはそこで出てくるいろいろな知恵を出版物としてまとめて啓発に使っていくだとか、あるいは今申し上げた教育関係の連携のためにさまざまなテキストをつくっていくとか、そういうことで使っていきたいと考えております。  ここで出てきた新しい緑化手法とかアイデアを活用しまして、新しい緑の作成のためのメニューをつくっていく。さらに、既に実践しております例えば生け垣緑化助成ですとか、雨水浸透ますの設置助成、そうしたものとの連携も図りながらやっていくという、そんな使い方をしていきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 この緑化については、金を幾らかけてもなかなか厳しいということでありますし、ただ単にまた頭で考えて、こういうふうにすれば緑がふえるといっても、区民の協力がなければできないわけでございますので、この推進会議の模様だとか、具体的な進展状況についても、ぜひ区民の皆様にもある程度進んだらばお知らせし、またそれを推進しながら次へ進めていく、こういうような手法をとっていただいて、お一人お一人の気持ちの中に世田谷区の緑を推進しようという、そういう気持ちになるような具体的な運動を進めていただければと、このようにお願いをいたしておきます。  それから、同じ九七ページのすぐ下に、「(仮称)エコ・ヴィレッジ構想の推進」とあります。事業目的に述べておりますけれども、このことについては、公明党では平成元年以来何回となく質問、提案を申し上げてまいりました。昭和六十三年十一月の定例会での代表質問で、私どもの和田議員が質問しておりますが、「リバーサイド構想とネーミングし、玉川、宇奈根、鎌田、喜多見、大蔵などの地域で、都市基盤、経済機能、中高層住宅、緑地、オープンスペース、文化、スポーツ施設等が多摩川の見事な景観と相まって、バランスよく整備されたまちづくりを、これから二十一世紀にかけて構築できないかということであります。もちろんこのような大規模な構想は一朝一夕にして実現可能だとはつゆほども考えておりません。むしろ将来にわたっての明るい構想であり、それだからこそ現時点で、リバーサイドとのネーミングを含めて区民の皆様に提示することに大きな意味があると考えております。つまり、夢の乏しい時代と言われる現代にあって、その具体化がたとえ二十一世紀に入ってからではあっても、多くの人々が夢と希望と期待をかけ得る構想を提示することは、夢のない時代であればこそ公共の責務であり、そうした公共の責務を達成した後に、初めて住民サイドにおいても公共への積極的な協力姿勢が生じ、事業がスムーズに展開するという構造が成立するのであります。快適な環境を成立させるというメーンテーマのもとでのリバーサイド構想について、区長はどのようにお考えなのか」ということの質問をいたしました。  その答弁に、区長は、「リバーサイド構想のお話が出ました。ご指摘のように、多摩川沿いにはまだ農地もございますし、国分寺崖線の緑や屋敷林などは世田谷の貴重な財産でもあるわけであります。区画整理事業等により都市基盤を整備するとともに、こうした水と緑を守り育てていくことが、将来の世田谷にとっても非常に大事なことであるというふうに考えております」と、このようにご答弁をいただき、特にこの中では、「土地利用、生活道路網、公園緑地の整備方針のほか、広く景観形成の観点から構想をまとめております。ご提案のありましたリバーサイド構想の趣旨も踏まえながら、よその市で構想されております新しいまちづくり、いわゆるウォーターフロント構想にまさる多摩川沿いの地域の総合的な整備、保全を実現してまいりたいと考えております」と、このようにお話をされておりますが、この提案は既にもう十一年が経過しており、あの当時とは財政状況も大きく変化をしております。また、区民のニーズも多種多様になっております。ニュアンスが多少変わっておりますが、ここに来てようやく区の構想に入ったということについては、一応は評価をいたします。  そこでまず、具体的にどのような内容をお考えになっているのか、お尋ねをいたします。そしてまた、構想の実現に向けてのスケジュールはどのように考えているのか、お伺いをいたします。ぜひともその内容についてお聞かせいただいた上で、私からまた質問をさせていただきたいと思います。 ◎原 都市整備部長 今、リバーサイド構想というお話に絡めてエコ・ヴィレッジのご質問がございましたが、エコ・ヴィレッジというのは、今お話がありましたように、多摩川、国分寺崖線、それから農地、そういうものに依拠した住宅都市づくりを目指す世田谷としては大変大事なテーマだと思って、これまで検討してきたところであります。  このエコ・ヴィレッジ構想というものの推進は、多摩川周辺地域を中心としました自然環境はもちろん、歴史、文化、生活環境の観点から地域資源を見直しまして、地域全体を博物館、ミュージアムというような、すなわち見て、感じて、考える場所としてとらえまして、区民の学習、体験、交流の場所として新たなコミュニケーションの機会と場所づくりを目指す、そういうものであります。  今年度は、多摩川、国分寺崖線などを活動の場としたさまざまな市民活動がございます。その活動状況の調査分析を行っております。そうした分析を行って、新たなネットワークづくりをしていこうということであります。その結果をもとにしまして、十二年度以降、基本構想、基本計画策定のための区民参加ワークショップというものを開催するなどしまして、区の自然資源、既存施設と市民活動の関係、そうしたものを含めた総合的なネットワークづくりに、区民、まちづくりセンター、せたがやトラスト協会、そうしたものとの連携も図りながら知恵を絞っていきたいと思っております。  また、検討を進めるに当たりましては、既に始まっております風景づくりの検討ですとか、八十万緑化計画、そういうものとも連携を図りながら、すぐれた自然環境と都市の風景の保全、創造、そうしたものに向けて、区民のお力をかりながら推進してまいりたいと思っております。 ◆中塚護 委員 今のお話で、かなり緑化ということが入ってまいりましたが、国分寺崖線の緑がどんどん減ってきている。特に、丸子川のすぐ上にございます瀬田一丁目あたりから、ずっと多摩川の野毛の方に向けて樹林がかなりなくなってきております。実際に多摩川の堤防の上を二子玉川から丸子川の方に走っていただきますと、大体左側に見える今まで全く緑だった樹林地が、何かもうかすんで、白い住宅がばんばんできております。マンション、あるいはいろんな特殊な団体の建物とか、そういったものがどんどんできてきておりまして、国分寺崖線が緑の宝だと言っているんですが、宝にしては随分安っぽく削り取られてしまっているなと、こんな感じをしておるんですが、その辺については、このエコ・ヴィレッジ構想の中にしっかりと入っているんでしょうか、その辺はどうなんでしょうか。 ◎原 都市整備部長 エコ・ヴィレッジというのは、単に館を建てるということではなくて、緑を中心とした土地利用全体を考えていきたいということでありますので、当然検討の対象としては考えていきたいということであります。  今ご指摘のように、国分寺崖線はかなり大事な資源であるにもかかわらず、建物が建ってきてしまっているという事情があるわけですけれども、このたび風致地区という地区指定の仕事、それから、そこでの建築の規制の仕事が区にやってまいりますので、特に玉川、砧地域で建築指導の体制をしっかり整えまして、建築物をつくる中で緑をしっかり保全していきたい。  それと、風致地区というのは区で十一平方キロメートル指定がございますけれども、これをやや分類をして、本当に守るべきところ、それからやや建物を建てていってもいいところというような、役割を地域の中でもう少し細かく分けまして、そこで今申し上げたような建築の誘導、規制を図っていきたいと考えております。 ◆中塚護 委員 ぜひ大成功するように頑張っていただきたいことを期待しておきます。  次に、一〇九ページに出ておりますが、「公共施設のバリアフリー化の推進」ということで、バリアフリーというのが出てきているんですが、事業目的には「高齢者、障害者などを含めたすべての人にとって住みやすいまちづくりを推進するため、福祉のいえ・まち推進条例及び福祉的環境整備推進計画に基づき、公共施設のバリアフリー化を推進する」とございます。ところが、施設の中だけじゃなくて、こうした方々が外出される際に、道路、特に歩道の部分にいろいろな障害があって大変危険で、通行に支障を来している箇所が多く見受けられます。私も最近、二子玉川から自転車でこちらに来るようにしておりますが、自転車で歩道を走るのにどれほど大変なのか若干申し上げます。  車両の駐車違反、違法駐車、それから自転車の放置、道路へのはみ出し看板、商店の店先の陳列物のはみ出し、歩道上での自動車、バイク、自転車などの修理、置き場としての利用、歩道上の花壇の植樹桝の間に物を置く、ごみのポリバケツの放置がありますし、幅の狭い歩道で車の出入口として傾斜している上、ガードレールの外されている場所、極端に短い区間での傾斜の連続で、でこぼこで本来の歩道の役割をなしていない危険な場所、こんなところがあちこちで見聞をされるのですが、こうしたことに世田谷区はどのように感じているのか、まず感想を伺いたい。感想だけで結構です。 ◎小野 玉川総合支所長 ただいまの件についてお答えいたします。  確かに、住みよい町には福祉的な配慮の行き届いた環境が整備されなければいけないことはそのとおりであろうと思います。区では今まで、梅丘ふれあい通りなどバリアフリーの道づくりを進める一方、歩道のある区道の改修等に合わせて、歩道の縦横断の勾配を緩やかにするなどの工夫をしてまいりました。そのほかにも、バリアフリーのまちづくりについて積極的に取り組んでいるところでございますが、ただいまご指摘のように、歩道がいわゆる波打っている箇所がございます。  この原因といたしましては、沿道各戸の駐車場等への車の出入りのための歩道の切り下げが連続的にあること、また、切り下げブロックの使用方法によるものと考えております。また、駅周辺の放置自転車や歩道へのはみ出し看板等がまだ多く見られ、早期に解決しなければならないと考えているところでございます。 ◆中塚護 委員 大変よくバリアフリー、バリアフリーと言われておりますが、こうした問題について現在どのような対処をしているのか。以前からこの問題に対して何回も苦情を申し上げてまいりましたが、いまだに同じような状態であります。国や東京都、警察との連携も必要かと思いますが、まず、すぐにできることから始めていただきたいと思います。今後の対応策について具体的にお考えを伺います。 ◎小野 玉川総合支所長 現在の対策の問題でございますけれども、区道につきましては、改修に合わせまして、段差の解消や歩道の縦横断の勾配を緩やかにしてきております。また、特に歩行の障害となるような箇所につきましては、個別に段差等の改良を進めるとともに、自費工事申請が出てきたときなどは、段差が小さくなるように指導しているところでございます。  公園につきましても、出入り口の段差の解消等を鋭意進めてきております。また、はみ出し商品の取り締まりや啓発活動につきましても、警察や関係する地元の方々と協力しながら行っているところでございます。  さらに、庁舎等出張所の区民フロアへの上り口とか、あるいは地区会館等の施設でございますが、そういうものを含めました公共施設のバリアフリー化を積極的に進める一方、鉄道等につきましては、事業者に対しましてもエレベーターの設置等を要請してきているところでございます。  次に、今後の対策についてでございますが、現在進めているこれらの対策の充実強化を図るとともに、バリアフリー世田谷プラン21に基づいた計画的な改善整備を行うとともに、国や都に対しましてもこれに関する改善要望をするなど、一層バリアフリーのまちづくりに取り組んでまいりたい、このように考えております。 ◆中塚護 委員 歩道の上に車を全部乗り上げて駐車をしているとか、あるいはひどいところでは、ジャッキアップをしてそこで仕事をして、同じ場所に二台も車屋さんの前で仕事をしていたりというのは、これはもう前にも申し上げております。場所はわかっていると思います。また、よく新聞屋さんが自分のところの新聞配達の自転車を二十台近く歩道の中にびっちり入れて、なおかつ外にもはみ出している。こういうことは、個々のお店だとか、その企業に対してきちっと指導するなり、要望をしていくということが大事じゃないかなと思います。  区の職員さんも大変お忙しい中かと思いますが、一人で、トラックに四人も乗って走っていなくても、自転車で走っているだけで十分仕事はできるわけですから、そういう意味からも、今後のこうしたパトロールという気持ちを少しは持ちながら、ぜひともこういったところのお店には注意をしていただきたいし、また「区のおしらせ」等でもぜひとも広報していただきたい。  また、最近は、道路に自分のところから二メートルぐらいを中心にあんどんを出しまして──飲み屋さんの三十センチ掛ける十五センチ、十五センチぐらいの電気がつくあんどんです。お店の名前が書いてありまして。それが自転車は完全に、歩行者も、その電気の線がつながっているわけですから、そこを十分に歩いて、まだなおかつ真ん中にそういうものがある。やっぱりたまには自転車で通ると、こういう質問の材料も探せるんだなと、こう思いました。ぜひ皆さんも、少し運動のためにもそういったことも考えながら、夜ただほろ酔い気分で、いい気持ちで歩くだけじゃなくて、ぜひそういったことも考えながらおやりいただきたいと思います。  次に、八〇ページに、中小企業の問題で出ておりますが、大変に今不景気で、不況が長く続いておりまして、中小企業の経営者は青息吐息で、おれのところはいつつぶれるかわからないよなんていう話があちこちで聞かれるわけでございます。  こうした中で、いろいろ世田谷区でも中小企業振興事業資金融資あっせん制度、あるいはほかのいろんな制度を使って、中小企業の経営基盤の安定と向上に資する施策の充実を図っていただいておりますが、なかなか企業の経営不振で実際にどうにもならないから必死の思いで融資をお願いしているのに、借りることができない、そういったところがあちこちに聞かれるわけでございます。区としても、このような方への今後の事業展開、これらについてはどのように考えて取り組んでいくおつもりなのか。そのお答えを聞いたら、区民の中小企業者が喜んで、すぐにでも役所に飛んできて融資の用紙を出すというぐらいの案をぜひお聞きしたいと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
    ◎平谷 産業振興部長 制度融資はご案内のとおり、お話にもありましたように、景気の動向、あるいは区内事業者の皆さん方の動向をにらみながら、区としてもできるだけ早目の対応ということで心がけてきております。  バブル経済崩壊以降も幾つか景気対策の緊急資金ですとか、いわゆる無担保、無保証のマル経への利子補給制度など工夫をさせていただいております。  ご案内の中小商工業振興対策委員会のご答申を踏まえた基本的な改正の中では、創業支援資金、あるいは準工地域の保全資金利子補給等、創設拡充を基本にしました改正を行わせていただいたわけでありますが、同時に、議会のご提案をいただきながら、ご案内の年末特別中小企業の融資などもやらせていただきました。そういう意味では、融資制度の枠組みの中で金融機関あるいは信用保証協会等、いろいろまだ改善をお願いしているところもございます。いずれにいたしましても、私どもとしましては、さきにご議決を賜りました産業振興基本条例の理念に沿いまして、できる限りの制度融資ができるよう引き続き充実改善に努めていきたい、こんなふうに思っているところでございます。 ◆中塚護 委員 中小企業として営々としてやってきた方々が、この世田谷区で幾ら景気が悪いとはいえ、細々とでも税金を納めていただけるような営業ができますように、しっかりと応援をしていただきたい。そういう方策をもっともっと多種多様にしてお考えいただいてお手伝いをしてください、このように申し上げておきます。  次に、もう最後になるんですが、勤労者の福祉事業の促進ということで、財団法人世田谷区勤労者サービス公社が中小企業の福利厚生面を補完するために、会員事業者及び勤労者に対し、不慮の災害、臨時の支出などに関する共済事業、施設の利用のあっせん、その他の福祉事業を総合的に行っており、多くの区内事業者に利用されております。しかし、平成十一年度末の会員数の見込みが、これでいきますと一万四千七百名、こういうことになっております。また、三年後では、平成十四年度末の会員数の目標が一万七千名ですが、最近の加入の状況はどうなっておるのでしょうか、また、現在の経済状況での目標達成の目途はどうなのか。あわせて会員数の一万七千は三年後でございますが、最終的にどのぐらいを見込んでいけば、このサービス公社が大体営業として賄っていけるのか。区の公のお金をそこへどんどんつぎ込まなくとも、会員の皆様のそうした会費である程度は安心して任せられるというような状況になるのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。 ◎平谷 産業振興部長 幾つか委員の方で数字を挙げられておりますが、勤労者サービス公社の方では、中期的にはいわゆる二万名の会員を目標にしている、こういうことでございます。  お話にもございましたように、十四年度末では一万七千名ということで取り組みを進めているわけでありますが、委員ご案内のとおり、昭和六十二年の発足当時では一千二百名と。そこから議会のご支援をいただきながら、公社関係者等の努力によりまして、一月末現在では一万四千百二十一名で、見込みとしましては、委員が先ほどおっしゃった数字があろうかと思います。  しかし、いずれにしましても、会員をふやすということが、いわゆる運営基盤の安定化のためには大切なことでございますものですから、私どもとしましても、「区のおしらせ」ですとか、エフエム世田谷、あるいは公社独自のホームページの開設といったふうな、いろんな新しい手法で努力をされておりますので、区としてもいろんな形での協力をしながら、少なくとも当面、十四年度一万七千名ということで頑張っていきたいというふうに思っております。 ◆中塚護 委員 やはり、目標達成に向けていろいろなことを考えていらっしゃるわけですけれども、実際にお入りになった方が、自分たちが利用して本当にこれはいいことだといっていれば、これは当然ほかの企業の方だとか、ほかの事業をやっている方にも声をかけていただける、そういうことになろうかと思いますので、その辺をもう少し事業展開を、お役所的な発想だけでなく、しっかりと地域に広げていただいて、私どもも勤労者サービス公社、セラに入って本当に得したよと、こう言っていただけるような制度だとか、いろんな方策をお考えになっていただきたいと思うわけです。  私もこの事業を創設する時点からかかわってまいりました者の一人として、より多くの区民の方々に加入をしていただき、ご利用いただくことがこの事業の成功になると、このように考えております。ぜひとも加入の啓蒙を図ってくださいますようにお願いをいたしたいと思います。私もできるだけこうした企業の方々には、こういう制度がありますよということもお話を申し上げて加入を勧めたりしておりますが、やはりそういった面も、区の職員の皆さんもいろいろ地元で接する多くの機会があるわけですから、企業の方々にもぜひこうした福利厚生の面で中小企業の方にお勧めをしていただいて、世田谷区が何でもかんでも、全部お金から何から持ってそれをやるんじゃなくて、区民の皆さんが自分たちのためにやるのがこの互助会制度、あるいはセラのサービスの制度でございますので、その辺をぜひ強力に推し進めていただきますよう強く要望いたしまして、私の質問は終わります。 ◆増田信之 委員 先日、久しぶりに都庁へ行ってまいりました。これまでも生活文化局とか建設局、あるいは衛生局とか、さまざまな部門にお伺いして、局長、部長、課長、あるいは職員の方と懇談したり、申し入れしたり、打ち合わせをしたりということがありましたが、今回だけはいつもと雰囲気が違うんですね。職員の方全員が何かきびきび仕事をやっていらっしゃる。私との対応の仕方も非常にスムーズにやる。何か見ていると、自信を持ってやっていらっしゃるように見えるわけですね。これは幹部職員だけではなくて一職員に至るまで、遠くのデスクに座っている職員まで背筋を伸ばして仕事をやっていらっしゃる。大変さわやかなものを感じました。帰りに、今まで何十回となく行っているところなんですが、どうしてかなということを考えながら帰ってきました。  自分で自分なりに考えたのは、恐らく石原都知事が外形標準課税というものを表明して、国とやりとりの中で、決して国の下に都道府県があるのではない、国と同等なんだ、幾ら国が口を出しても都しかできないものもある、そういうことを明言した。きのう財政委員会で全会派一致で可決したそうで、三十日には通るそうですが、その動きの中で職員の方々が、自分たちは国家公務員の下にいるんじゃないぞ、一つの大きな自治体なんだ、こういう自負を持ったんじゃないか、自信を持ったんじゃないか、こういうことを私自身は感じたわけです。  同じことが三重県でもあるそうです。北川知事のもとで、あの知事は二つのことをやりまして、今、三つ目に取りかかっているそうですが、最初は情報公開を全面的にやろう、こう話したときに、職員の方々は猛反対というか難色を示したそうですが、強引に情報公開に踏み切ったそうです。県民に県のあらゆる情報をお知らせした。結果はどうなったか。職員が非常にやりやすくなった、こういうことを言われておりましたね。  その後、原発の白紙撤回、これを表明された。これに対しても国は文句を言えない。こういうところから、自治体職員がみんな自信を持ってできるんではないか、こう思うわけです。今は何か埋め立て税を、新しい税金を考えている、法定外目的税として考えているという話も聞きました。  よく考えますと、国があって、その下に都道府県があって、その下に区市町村があるわけじゃないんですね。自治体としては同等レベルで対等におつき合いをしていくということが、これがこれからの分権を進める中で一番大事なことではないのかな、こう思います。  ぜひ世田谷区も幹部職員以下一職員に至るまで胸を張って、自分の世田谷区だということで仕事に取り組んでいただきたい、世田谷区にアイデンティティーを持ってもらいたい、こういうことを前提にして何点か質問させていただきたいと思います。  まず初めに、今回、平成十二年度予算を検討しているわけでございますが、今回、初めて地方特例交付金というのが八十六億一千九百余万円計上されております。これを予算書の三四ページで見ますと、これは平成十一年から実施された恒久的減税に対する国からの財源措置、こう書かれております。また、減税補てん債として三十億円も計上されております。このことは午前中にも大庭委員が触れておりました。  恒久的減税ですから、その前に実施した特別減税とは意味が違うと思うんですね。特別減税というのはその年だけということで、恒久的とつくから、私もよくわからない部分があるんですが、恐らく数年間続くんであろうと思うわけです。そうすると、この先ずうっとこの特例交付金が来るのかな。この仕組みについて、将来どんな形態になるのか、お考えがあれば聞きたいと思います。  もう一方、地方分権一括法が通りまして、この四月一日から実施されます。形だけとはいえ、機関委任事務がなくなる。地方分権が、いよいよ分権元年と言われる本年度が進むのかな、こういうふうに思うわけでございますが、もしこの地方特例交付金がこのまま継続していく、こうなれば、税制面では全く国主導になってしまうのではないかな、分権については逆行じゃないかな、このことについて、税制面の分権化についてご所見をお伺いしたいと思います。 ◎八頭司 助役 まず、地方特例交付金でございますが、おっしゃるとおり、国の恒久的減税、国が責任を持って行った税制改革に伴って地方税の減収分を補う、こういうことで、当分の間の措置という表現でございますが、設けられました。通常の自治体であれば交付税で補てんされるところを、交付税の不交付団体が、もうこれ以上もたないというところから声を上げた結果、やっと実現された、こういう制度でございます。  都区合算規定で東京二十三区もだめでございますから、我々も前々から主張していたことが、やっと一部だけ実現した、こういう感想を持っておりますが、当然、その創設されたいきさつからしますと、恒久的減税がいつまで続くか、まさに国の判断で、つくったいきさつからすれば、恒久的減税をやっている間じゅうはもらわないと絶対におかしな仕組みでございますから、当然のことながら続くと思いますし、続けてもらいたいと思っております。  ただし、おっしゃるように、じゃ、それは依存財源ではないか、税制を根本的に直していないじゃないかというのはおっしゃるとおりだと思います。本来、こういう国が別に借金をして、地方特例交付金のような形で配分するんではなくて、その税源をこういう不交付団体に、影響のある団体には税源を移譲すべきである、これがやっぱりあくまでも本筋でございます。ただ、ご承知のとおり、不交付団体というのは全国から比べれば、東京都とか二十三区とか、ほんのわずかでございますので、なかなか大きな声になっていないというのが残念なところでございます。  そういう意味で、税制面では、今回の地方分権もそうでございましたし、制度改革の地方制度調査会の答申の段階でもそうでしたけれども、特に地方分権が税制の地方への分権を伴わない改革になっている。これは地方六団体こぞって声を上げていますが、先送りになっている。これはやはり異常な事態だと思います。やっぱり区は区でありますけれども、地方六団体ともども、今後とも大きな声を上げていかなきゃいけないと思います。 ◆増田信之 委員 初日から八頭司新助役は同様のような姿勢で答弁していたので、私はあえて聞いたわけですけれども、つい先日の新聞報道では、地方分権推進委員会、国がやっているんですが、これは七月で任期が来るわけですけれども、さらに一年間延長すると。その理由としては、分権をめぐっての地方税財源の充実、地方へのさらなる権限移譲の実現、この二つが大きな柱だと言われているんですね。  確かに、先ほど言ったように、同等の立場だと言うけれども、税制面、財政面で自立していかなければ、いつまでたっても対等で闘えないという、こういうことになると思います。今、助役がおっしゃったように不交付団体ですから、石原知事も今回の外形標準課税が実施できたわけで、二十三区も同じ立場にあれば、それなりの考えが持てると思うんですね。  もう一つお聞きしたいのは都区財調の問題であります。これもこれまで何回か触れられておりましたし、午前中に上島委員も触れておりました。最終的に都区協議で、区長会と知事の間で苦渋の選択を迫られて五二%と確定したわけですが、二つお聞きしたいと思います。  一つは、これまで基準財政需要額、各区からこれだけ使いたいよと出す。それを東京都が全部預かって、一つの決められたパイの中で二十三区に割り振り、交付額が決定する、こういうふうにしていたと思うんですね。今度、都区制度改革で基礎的自治体になったわけですから、本来、それぞれ二十三区は自立しなきゃいけないわけですが、話を聞きますと、この交付額決定は、相変わらずこの五二%の配分については東京都が基準財政需要額に応じて決めるというふうに、最初の都区制度改革のときには、二十三区で決めようじゃないか、分捕り合戦だ、こんなような話まで出ていたのが、いつの間にか、やはり東京都がこの配分を決める。これもおかしな点だなと思いますが、これに対してのご感想が一つ。  もう一つは、東京都の四八%、これが午前中に話が出ました。大都市一体化ということで、調整三税は市が集めているものを東京都が集めている。この四八%は当然、大都市一体化に使われるべきだと。これまで話を聞きますと、何回となく東京都に対してこの都の取り分についての使い道を明示してもらいたいというふうに申し入れしていたそうですね。全く東京都はそれを出そうとしなかったそうです。今回、やっと出したそうですね。  それを見ますと、午前中の話のように、普通は道府県がやっているような事業、これまで全部入っている。これは考え方なんでしょうけれども、政令指定都市の場合には、それは若干違うものがあるでしょうけれども、これもやはり石原知事が、国と対等に闘うんだ、分権を進めるんだと言っているのであれば、都区間でも同じことが言えるわけです。ですから、これは各県がやっている事業、これはもうすぐに数字が出せるわけですから、そのデータを出すだけでも、これはつきつけることができると思うんですね。  この二点について、今後どんなお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。 ◎八頭司 助役 まず、基準財政需要額五二%のお話ですが、区が積み上げて都がそれを各区にばらまくみたいなおっしゃり方で、そういう簡略化したおっしゃり方をされましたけれども、ルールとしては、法律がとにかく変わりませんでしたから、地方自治法で、引き続き都条例で、東京都の特別区財政調整条例で行うというルールが基本的に変わりませんので、これは都がやらざるを得ない。普通の地方公共団体は、自治省が地方交付税の算定をして、その数字を自動的に出していくというのと同じことを、結果的に二十三区に対して東京都がやっていく。これは法制度がそのものでいじられませんでしたので、ある面ではやむを得ません。ただし、やり方としては、架空の三十五万ぐらいの標準区を設定して、単位費用をなるべく簡素化して、余り恣意的な要素が加わらないようにしてやろうじゃないかというところまでは、若干改善されたと思っております。  ただ、相変わらず特別区の需要によって財源を配分する。五二対四八まではいいんですが、五二%という区の取り分の横のいわゆる水平調整も、我々は区が責任を持ってやる、やらせろと言っておりましたが、制度上、やはりこれは都がせざるを得ない。ただ、そうはいっても、区が優先的に協議することを認めろという申し入れはいまだにやっております。  それからもう一つ、都の四八%の整理でございますが、これは基本的に、午前中もお話ししました大都市事務の扱いをどうするかという議論を引き続きやるという約束ではございます。  一つの例としておっしゃいましたのは、交付税のような計算をちゃんと都の分も出させて、お互いにやったらどうだというお話ですが、今回、過去十年分の数字をそれぞれやりましたが、そもそもの数字はある程度出ましたが、基本的に事務の考え方のところで大きな違いがどうしても埋まりませんでした。午前中に申し上げましたように、五大市ならこのくらいの仕事をやっていいはずだという都の言い分と、基礎的自治体の市町村としてここまでだという区側の要望で八%から九%の開きが埋まりませんでした。  これは、今後ともやりましょうということでやっておりますので、区長会を通して、あるいは個々のケースで、我々は今後とも粘り強く主張していくつもりでございます。そうでなければ、今回の都区制度改革の、言ってみれば信義誠実の原則に反するではないか、こういうことをずっと申し上げてきましたし、これからも申し上げていくつもりでございます。 ◆増田信之 委員 極端な言い方をすれば、東京都はこれを一般財源に入れちゃうと、何に使われてもわからないわけですよね。本来、そういう趣旨で振り分けたんであれば、その調整三税で取った分については特定財源でやるべきではないのかな、こういうふうに私個人は思うわけです。今後ともその面では、ぜひ二十三区の先頭を切って頑張っていただきたいと思います。  もう一点は、先ほど国、都と同等の立場、こういう話をいたしましたが、やはり世田谷は世田谷で、できることはあらゆることを考えていただきたい、こう思うわけです。  石原知事も外形標準課税を決めるに当たっては、自分でこれをやりなさいと言ったわけじゃないようですね。今まで仄聞するところによりますと、何かいい税収はないのか、こう聞いたときに、側近の幹部職員の人が、こういう制度がありますよと、これが外形標準課税だった。この制度というのは、もうシャウプ税制以来ずっとあったことだけれども、交付を受けている県や市はそういうことを言い出せない。不交付団体だから言い出せた。問題はないのかと言ったら、ありませんと。そういうことで、本当に少人数でばたばたと決めた、こういうことでありますけれども、世田谷としても、そういうことが何か考えられないのかと。これだけの優秀な職員がそろっている世田谷区ですから、そういうことをやっぱりこれからも考えていくべきではないのかなと思うわけです。  ちょっと乱暴な言い方ですけれども、今、各市がこれに倣って法定外目的税というのをいろいろ考えていらっしゃるようなんですね。非常におもしろいのがたくさんありました。例えば神奈川県藤沢市、原動機つき自転車、バイクの購入時の登録を税金化するとか、そういう独自のことを考えて、各市町村がいろいろ考えていらっしゃるようなんです。世田谷でも何かそういうのを考えられないかと思うんですね。  非常に乱暴な言い方ですけれども、例えば先進的な国に比べて、日本はこの電柱、電線、クモの巣のように張りめぐらしているのは、全く発展途上国そのままなわけです。これを何とかしようと思って取り組んでいるんですけれども、遅々として進まないわけです。  これを進めるという目的で、例えば電柱の占用料、使用料、これを今、東京電力とかNTTさんからいただいています。今回の予算書を見ても、東京電力さんからは四億三千万円ですか、NTTさんからは三億二千七百万円、全部トータルで十二億円ですか、こういう占用料があるんですが、一本二千七百円ぐらいですかね。  これはどういうふうに決めているのかをお聞きしましたら、東京都が決めている、その値段に倣って、二十三区横並びで同じ値段でやっているというんですね。なぜそうなるのか私はわかりません。どこかそういう法律があるのかと言ったら、そんなのはない。  今までの慣例でやっていらっしゃるようですが、例えばこういうものを、一本二千七百円じゃなくて年間二万七千円にする、十倍にする。そうすると、十二億円が百二十億円の収入になるわけです。ただし、電線を地中化した場合には占用料は要りませんよと。こうなれば東電さんもNTTさんもたまりませんから、懸命になって地中化を考えるんじゃないか、そういうようなアイデアが出てこないのかなと。  これは、私はバックのいきさつはよくわかりませんから、乱暴な言い方というふうに最初に言いましたけれども、そういうような考え方はこれからも出せませんか。 ◎八頭司 助役 外形標準課税、東京都の導入方針に触発されまして、各自治体がおっしゃるような動きをしております。二十三区の例で申し上げますと、先を越されてちょっと悔しいんですが、港区が、東京都が言い出す前に、既に区外の営業者が設置しようとしているたばこの自動販売機税のようなことの検討に入っておりまして、実態調査に入っております。これは区内全体から見れば五分の一か四分の一かという程度の台数のようでございますが、こんなケースがあります。それから三重県が、おっしゃるような埋め立て税のようなお話があるとか、話は伺っております。  当区も以前、東京都が美濃部都政のときにさまざまな税源を検討した際に、二十三区でも何かできないのかというようなお話があったときに話題として出たことだけ申しますと、例えば有料道路、高速道路の料金所が区内にあるんだから、あそこで税金を取れないかというお話がありましたけれども、どうも道路公団、首都高速道路公団が、とてもその時点では理解をしてくれない、協力をしてくれないということで、ただの議論で終わってしまったいきさつを覚えております。  現実には、おっしゃるように、法定外普通税も法定外目的税も非常につくりやすくなりましたので可能性はございますが、やはり東京都の外形標準課税の際にも議論になりましたように、どこまで区民の理解が得られるのか。例に挙げられたようなNTTだとか東電の道路占用料を一つ単純にやってしまいますと、例えばそれが即消費者にはね返るおそれがある。  電線地中化につきましては、私どもは、それが難しいので、逆に国のモデル事業を引っ張り込んで補助金をもらいながら、なるべく安い費用で埋めていこうというようなことをやってきたいきさつがございます。ただ、電線地中化の場合なんかだと特にそうですが、一時的に大変多額な費用が要りますから、これは一つ税の対象にはなる、理屈としては使える可能性がございます。少しお時間をいただいて検討させていただきたいと存じます。 ◆増田信之 委員 電線地中化については、街路灯を新たに建てなきゃいけないから、その手当ても大変だとかいろんな意見がありますけれども、前向きにいろいろ研究していただきたいと思います。これだけのメンバーがそろっていらっしゃるところでできないはずはないと思うんですね。  税財政の問題については以上で、次に、今予算委員会で一番の話題になっています介護保険関連の問題について取り上げたいと思います。  先日の代表質問で、この介護保険に対する問題点というのを私は列挙いたしました。これに対しては、介護保険導入後に経緯を見ながら取り組んでいきたいという答弁が結論だったと思います。しかし、先ほどの質問にもございましたように、この利用料、いわゆる一割負担、これについては、もう四月一日から始まりますと、即区民の負担になるわけです。  実は昨晩、十時半ごろでしょうか、男性の方からお電話をいただきました。私がよく知っている方で、クリーニング屋さんを経営していらっしゃるんですが、お母さんが九十五歳、もう寝たきり状態で、その男性の方はもう六十五歳を超えていらっしゃいますが、一切介護をやっていらっしゃる。先日、判定を受けた。話を聞くと、個人負担が出てくる、年間で約四十万円自分で払わなきゃいけない、こういうことがわかってびっくりしたと電話がかかってきたんです。介護保険のことを何も知らなかった、こういうことで、きのう、電話だったんですが説明いたしました。  友人たちが集まると、現金でもらえれば、それで何とかできるのに、こういう話もありましたので、日本は現金給付はとらなかった。将来はわかりませんが、とらなかった。理由としては、介護をなさる方が、ほとんど奥さんとか、お嫁さんとか、お嬢さんとか、女性にしわ寄せがいってしまう。現金給付にすると、その形態が直らない。そういうことが厚生省の考えだったようですよ。こういう説明で、これについてはご納得していただいて、将来はぜひ考えてください、こういうふうに言っておりましたが、一割負担については大変厳しいものになる。お母さんの面倒を見ながらお店を経営していらっしゃるわけですけれども、最近はとても収入も少ない、そういうような話が出ていました。  ある自治体では、所得に関係なくという自治体もあるようですね、この一割負担に対する軽減策として。そうとは言いませんが、やはり所得の低い方、大変な方、あるいは先ほど話が出たように、生保も受けないで頑張っていらっしゃる方、こういう方については、やはりきちんとやるべきであろうと思います。これは四月一日スタートですから、早急にやるべきだと思います。  保険会計については、国がやるものについてはできるんでしょうが、保険会計でできないのであれば一般財源でやらざるを得ないわけですが、そうした制度もきちんとつくるべきだ、こう思いますが、いかがでしょうか。  あわせて対象サービス、これも国は在宅訪問介護だけに絞っていらっしゃるようですけれども、通所介護、通所リハビリ、あるいは居宅サービス全般にそれが適用できるようにできないか、この二点についてお伺いをしたいと思います。 ◎八頭司 助役 先ほど他党からのご質問に対して区長がご返事をいたしました。至急所管に検討を命ずる、世田谷ならではの案をなるべく早く出すと申し上げましたので、隣におりまして、これは大変だということになったわけでございます。  その前にお尋ねがあったときにお答えしておりますように、国が特別対策をやります。ただし、それがホームヘルプに限っているとか、既得権のある方だけだとかということがありました。ただ、問題は、世田谷区は区長が公約として寝たきりゼロということを申し上げておりまして、いかにして元気なお年寄りをふやすかということがねらいでもございました。その意味からすれば、やっぱりおっしゃるような在宅系といいますか、入所系じゃなくて在宅のサービスをどのくらいカバーすれば対象になるのかということでございます。  ホームヘルプとデイサービス、この二つが、恐らく世田谷では一番多く比率を占めると思います。私の記憶では、たしか七五%か八〇%ぐらいが、その二つのサービスでもう占めると思います。まずその辺を対象に考えないといけないのではないかというのが一つでございます。  それから、国が今度つくりました介護保険料にしましても一応五段階ということで、さまざまに所得については配慮がされております。ただ、そうはいっても、先ほどのご質問にありましたように、実際は、現実問題は生活保護対象なのに受けずに頑張っておられる、そういう方々と差がつくというのはまずいということで区長からも指示がありました。その辺を踏まえた上で大至急考えなきゃいけない。  ただ、制度上も介護保険の体系の中ではできませんので、これは一般会計で別途、補助制度か何かをつくらなきゃいけない。この辺の関係をさまざまに所管と相談しまして、なるべく早くやらないといけないと考えております。もうしばらくお時間をいただきたいと思います。 ◆増田信之 委員 今、助役のおっしゃった二つ以外にも、できればショートステイなんかも、これは対象にされればすばらしいなと思うので、十分ご検討いただきたいと思います。  介護保険関連でもう一点、これも代表質問で私ども取り上げましたが、介護人材の育成、マンパワーを育てるという意味で、先ほども区独自の四級、五級という答弁もあって喜んでいるわけですが、私たちも先日、大分県に行って、介護人材育成センターみたいなものを見てまいりました。大変すばらしい事業でした。世田谷区にはそういうものがございませんので、学校の余裕教室を利用して介護講座等を開いていらっしゃる。これ自体は、私たちは大変評価したいと思います。  しかし、その一方で注意しなきゃいけないことがあると思うんです。といいますのは、アメリカがそうであるように、アメリカは介護ビジネスが雨後のタケノコのようにできて、ついに飽和状態になって、今は倒産がどんどんふえている、こういう話も聞きますが、日本でも介護保険を当て込んで、さまざまな団体、あるいはさまざまな政党絡みの団体、あるいは企業、こういう人たちがいろんな思惑で介護ビジネスに取り組もうとしていらっしゃる。これはもうニュースでも、報道でも随分されております。そういうことを、これはもう行政を利用しようとするのは当然出てくるわけですから、その辺は慎重に対処しなければならないと思います。  先日、文教所管で飯塚委員が取り上げました駒留中の介護講座、空き教室を使っていらっしゃる。土日を使っているんですが、その部屋にはもうベッドや何かを置いてありますから、そこはほかには使えないわけです。ずうっと借りっ放しになるわけです。  ここで今回、私たちがびっくりしたのは、一人の授業料が七万八千円、これも私たちは調べました。一番高いところが、日医というところがやっているのが九万円以上で一番高いようですが、このヘルパー二級の講座で通常は七万円から八万円の間だと。そうなりますと、無料で提供して貸している学校で七万八千円というのはいささか高いなという気がいたします。そういうような各団体や企業は、どこか違う貸しビルでやるよりも区の施設でやるという方が信用がつきますので、そういうメリットもあるので、何とか使わせてもらいたいという動きがあるわけです。  こういう意味で、今回取り上げたこれは、文教所管で教育委員会の方は答弁がありましたけれども、これを担当している所管ではこの問題に対していかがですか。 ◎安田 在宅サービス部長 今お話のように、介護保険に対する介護基盤の整備ということが非常に緊急の課題になっているということで、特に今お話のあったようなホームヘルプだとかデイだとか、そういった面で当区としては力を入れてきているところでございます。  それで、駒留中の研修室という位置づけで行っておりますけれども、この研修については、基本的に介護基盤の中のホームヘルパーの人材養成ということを基本に組み立てております。  お話にありました、現在、研修は終了しましたけれども、研修費、受講料が七万八千円という、これは高いんじゃないかというお話でございます。これにつきましては、いろいろ実施の形態はございますけれども、ご指摘のような、まだまだ検討の余地があるというようなことを私どもも十分考えておりますので、今後こういった受講を開催する団体等につきまして、文教所管でもご答弁がありましたように、学校施設を利用するということを前提にしていろんなガイドラインを設けて、適切な使用方法をやっていけるように詰めていきたい、このように思っています。 ◆増田信之 委員 ぜひマニュアルなりガイドラインなりをつくって、きちんと対応していただきたいと思います。  今回、駒留中を使っている団体は東京高齢者協同組合というところだそうです。大変プライバシーにかかわることなんですが、私どもで調べさせていただきました。若干某政治思想の絡んだバックがあるということがわかりました。そういう意味で、やっぱり世田谷区が無料で使わせるという、こういう施設を貸す場合にはもう少し慎重にされた方がいいな、少しわきが甘いのではないかなと。  一生懸命やるところであれば、これはもう東京都の認可も受けていますし、昨年認可を受け、世田谷の駒留中学校を使うことについても東京都に申請を出して、手続はちゃんととっているわけです。そういう意味では区側の対応も間違いなかったとは思うんですが、その辺、何社か申し込みがあってそこを選ばれたということなんですが、ぜひともこれからは慎重にやっていただきたいことを申し上げておきたいと思います。  次に、話は変わりますが商店街対策。大店法が改正になったときにも大騒ぎになりました。今回も大店法が廃止になって三法を適用ということになります。特にその中心の立地法。こういう大型店とか量販店が町へ出てくると、消費者、買う立場になれば非常に便利だし、安いし、いいのではないかという、こういう意見もありますけれども、やはり大型店が出店してくるとさまざまな問題が生ずる。この辺について、産業振興所管ではどういうご認識ですか。 ◎平谷 産業振興部長 一つは、これは委員ご案内のとおり、いわゆる大店立地法に行く過程の中で既に問題になったわけですが、地域環境への影響ですね。交通渋滞ですとかいろいろ、これはもうそんなふうなことです。  それと同時に、一部の大型店の中には、利潤至上主義とでも言いますか、地域のイベント等にも参加しない、協力しない等のことも見えますし、同時に、出店だけでなくて仮に撤退した場合も、今度はそこの跡地の問題、これは地方で大きな問題になっているというふうな、概括的にはほかにもあろうかと思いますが、そんなふうな状況かと思います。 ◆増田信之 委員 私ども、区民生活にいたときに松任市というところを見ました。あそこも大型店が郊外にできたために駅前がシャッター銀座です。ダーッとシャッターが閉まっているんです。一番買い物で忙しい時期にです。翌日の朝に行っても、もう午前中も閉まっているわけですね。そういうようなことが大型店の弊害で出るのかなと。  世田谷でも深沢の坂下店ですね。引っ越すとなったら、前につぶれちゃった生鮮三品のお店がないということがわかって、大慌てしたわけですね。ですから、ああいう大型店は経済優先ですから、もうけ主義で来ますから、商売がうまくいかなくなれば撤退しちゃうということが目に見えているわけで、町の形態が保てなくなっちゃう、こういうことが言えるわけです。  そこで最近、また新たに大きな問題が出てまいりました。これは都市整備領域で畠山委員も触れておりましたが、商店街、一番にぎやかな商店街のど真ん中にマンションができる。一階は店舗を入れない。桜新町でもあります。あるいは下北沢では二件、そういう場所が出てきました。片一方は地元との話し合いで、何とか店舗を入れるように、こういうことで合意できたようですが、もう片一方の方は、これは北沢タウンホール、総合支所の真裏です。一番の繁華街です。ここにそのビルができ上がりますと、約三十メートルぐらい商店がなくなるわけです。駐車場入り口と受付とか、そうなるわけで、事務所もないわけです。  これは大変だということで大騒ぎしました。ここの建て主、売り主は菱和ライフクリエートという、そこだそうですが、話し合いに出てきたのは弦巻に会社があるJBプランニング、そこが請け負ったそうです。これは地元対策用で請け負ったのかどうか、この人しか出てこないわけです。話し合いをしましたら、商業地域で店を出さなくてはいけないという決まりはないんだ、どこにも書いてないんだ、私たちの自由だと開き直っているわけです。  ところが、よく考えていただきたいのは、近隣商業の地域に指定する、あるいは商業地域に指定する、用途地域変更のとき、私も都計審にいましたからわかりますけれども、現場を見に行って、商店街の形をなしているから近隣商業に、あるいは商業地域に、こういうふうにして決めるはずなんですね。それは商業地域に決まりますと、当然、建ぺい率、容積等の緩和もされるわけです。緩和された後に建てなくてもいいよ、これは余りにも矛盾し過ぎるんじゃないか。こんなような結果についてどう考えていらっしゃるのか、まず、これについて都市整備領域で。 ◎原 都市整備部長 今言われた用途地域の問題というのは、ご存じのとおり、住環境保全ということを第一にして、機能を基本的に分けるという、そういうことがこの仕組みの基本になっております。  それで、商業地域、それから工業地域といったものは住居は建てられるという、基本的にそういう住居を大事にしていくという序列になっておりますので、住居の専用系のものは住居しか建てられないという、そういうところがあるんですけれども、工業、商業という順番にいくに従って住居も建てられてしまうという、そういう基本的な仕組みを持っております。  そこで、今おっしゃられたように、商業地域では商店を建てなくてはいけないという、そういう記述にはなっておらないわけです。そこで、今言われたような、せっかく商業のにぎわいをつくるところにマンションが入り込んでにぎわいを変えてしまうというような、そういうことが間々起こるわけで、これは商店街形成、あるいはにぎわいづくりという面では、やや不適切な面も、都市計画法の用途地域だけではできない面もあるわけです。  そこで、良好な商業環境とか、それによるにぎわいをつくっていくためには、やはり必要に応じて地元の商業者、あるいは住民の方々の意向というのがしっかりあることが大事でありまして、それをもとにした、地域特性を反映した特別用途地区ですとか、地区計画とか、さらには建築協定という次の仕組みで今おっしゃられたようなことをやっていかないといけない。そういうことをぜひ考えながら、そういうにぎわいづくり、あるいはにぎわいの連続性というのを図っていく必要があると思っています。  それは、ひとえに地元の方々が、やはりこういうにぎわいをつくることは意味があるんだ、必要なんだということをお考えいただいて、合意を形成していただくということが大事ですので、区としても、そういうところに専門家の派遣とか、あるいは商業診断というようなことを行ってやっていきたい。産業施策と連携してやっていきたいと考えております。 ◆増田信之 委員 先日の都市整備領域では、住居地域におけるワンルームマンションの指導要綱、こういうことも考えたいという答弁があったんですが、実は、この世田谷区準工業地域における工業用地保全及び共同住宅の建築に関する指導基準というのが世田谷区にはあるんですね。これはやはり準工業地域にマンションを建てよう、あるいはそういう共同住宅を建てようとするときには、こうした工業団体関係者とよく話し合いをしなさいということが指導基準としてあるんです。これに沿ってトラブルがないように非常にうまくやっているんです。こういうことを商業地域でもできないのかどうか、つくれないのかどうか、これは産業振興領域としてはどうですか。 ◎平谷 産業振興部長 お話のような指導基準というものが準工地域の場合はございます。それで、具体的には建て主さんと、いわゆる工業団体等がお話をいただいて、ご案内の、例えばグレランの場合などもマンション計画があるという中で、一階部分等になるべく事務所を入れていこうというようなことで協議をして、この間、随分成果は上がってきております。  そういう意味では具体的なご提案ということで、今後、都市整備部門とも協議していきたい、検討していきたいと思っております。 ◆増田信之 委員 この件は、協議する相手の都市整備領域はどうですか。 ◎原 都市整備部長 第一問のときにお話ししたように、やはり商業部門としっかりやっていかなきゃいけない部分が多々ありますが、商業地域でワンルームマンションが建つときは、今おっしゃられたように指導要綱を改正しまして、事務所あるいは店舗などの業務系施設の附置に努めるようにするというようなことを定めております。  そういうことを商業地域のこれからの中でもやっていく必要があるだろうということで、現在、小規模宅地開発指導要綱とか、あるいはワンルームマンション建築指導要綱、集合住宅等建設指導要綱、そういうものがあるわけですけれども、それの中でその課題を検討していきたい、今、その要綱の三つを一つにまとめて条例化していこうということを考えておりますが、その検討していく中で、住宅、マンションの一階部分、特に商業系のところに建つものについては、附置義務が可能かどうかとか、あるいは建築計画の内容を事前に公表して住民の方々が知る機会をつくるという、そういう内容も含めて研究して、検討していきたいと思っております。 ◆増田信之 委員 よくわからないので、助役に一言。 ◎水間 助役 その件につきまして、特に最近の傾向としましては、委員もご指摘がございましたが、実は設計のプロパーといいましょうか、地主さん、建築主さんがなかなか出てこられませんで、これはオオゼキの例もそうでございましたけれども、先ほどのご指摘もそうでございまして、そういった意味では受け付けの段階で、やはり地主さんといいますか建て主さんとも、そういう積極的なまちづくりについての交渉が何とかできないかということで、オオゼキでも、私どもも相当接触いたしましたが、建て主さんにお会いできないと。建て主さんは、世田谷区では区の行政にも相当協力をしていただいている方でございますけれども、中にそういう専門の設計者がお入りになってなかなか協力してもらえなかった、そういったことも、ひとつこれからは工夫してまいりたい、このように思っております。 ◆増田信之 委員 よろしくお願いします。  時間もありませんので、最後になると思うんですが、平成十年に世田谷区地域保健福祉審議会で子どもを取り巻く環境整備、立派なのができまして、私も読ませていただいて、大変なるほどなというふうに思う部分がたくさんございました。これは本当は大事な部分を読み上げたかったんですが、最後に、大人たちが子どもに示し得る夢と理想を抱え、行動を起こすことが必要ですというふうに結んであって、ここに三つのリーディング・プロジェクトが結論として掲げられているんです。  子どもの権利保障のための権利宣言・条例の制定をする。児童館を活用して子ども・家庭支援ひろばを整備する。子どもを中心とした体験・交流の場と機会づくりを進める。これは平成十年からもう一年以上たっているんですが、どこまで進んでいるのか。先日の他会派からの代表質問のときに、櫻田部長が条例を六月にと言って、六月といったら次回定例会、間に合うのかどうか、この三つのサンプルについてどういう計画でいらっしゃるのか、ご答弁いただきたいと思います。 ◎櫻田 保健福祉部長 まず、子どもの権利宣言と条例についてでございますが、現在のところでは、子どもをどう参加させるかという微妙な、また大きな問題もございますが、子どもの権利宣言については、何とか六月議会に提出する方向で頑張ってまいりたい。条例については、できれば夏休みに子どもの参加をいただきながら決めていった方がいいんじゃないか、そういう状況です。  それから、子ども・家庭支援ひろばにつきましては、これは烏山地区を中心に、結構、今進んできておりますが、十二年度につきましては、保健福祉センターの方に総合相談窓口をつくりまして、そこでさらに支援の輪を広げるようなシステムをつくりたい。  最後の「せたがや子ども文化」の創造につきましては、今後、教育委員会等のご賛同も得ながら、いろいろな仕組みづくり、また企画、参加も含めたイベントを考えていきたい、そういう状況でございます。
    ◆増田信之 委員 時間もありませんので、以上で終わりたいと思います。 ○荒木義一 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時六分休憩    ──────────────────     午後三時四十分開議 ○荒木義一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  民主党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆高橋忍 委員 まず、前に三月で退職される管理職の皆さんがいらっしゃるということで、区政のために長年ご尽力賜りましたことにつきまして、民主党・無所属クラブとしましても心からご苦労さまと申し上げます。今後ともご健康に留意されてご活躍のほどをお願い申し上げたいと存じます。  それでは、質問の方に入っていきます。  きょうは、今日課題となっている介護保険等多岐にわたる質疑がここのところずうっと続いていたわけですが、福祉の問題についてはここで余り触れませんが、福祉問題は財政事情が厳しいときほど区長の姿勢が問われるのでありますから、そういう意味で、聖域なき見直しなどと言わずに、区長がこれまで堅持してきた福祉を基本とした区政運営には、ぜひ今後とも継続して取り組んでいただきたい、このことを強く申し上げておきます。  そしてまた、きょうもいろいろと、先ほどお話が他会派の方からもございましたけれども、低所得者対策については、区独自のものを早急に区長は考えていくという答弁がございましたが、これまでいささか腰が引けているんじゃないかというようなところを感じていたわけですが、その積極的な取り組みをやるということについて評価をいたしたいと思います。今後とも積極的な推進を強く要望いたしておきたいと思います。  ところで、区民税、国民健康保険料の滞納対策について質問をしてまいります。  減税や長引く不況の中で、今年度の区民税の現年度分徴収率は、二月末現在で、前年度比で一・五ポイント上回っているとのことで、税務に携わる職員の皆さんが非常に頑張っている結果だと思います。財政難で期待され注目される職場で、ご苦労も多いと思いますが、今後とも頑張っていただきたいということを申し上げておきます。  しかし、努力されているものの、一方で、残念ながら滞納額は増加し累積しております。区民税や国民健康保険料などの滞納額が二百億円にも膨らんでいるわけでございます。こうした滞納状況に対応し、税務部門では徴収強化を図るために、組織改正により四月から総合支所税務係を廃止して、本所の納税課で滞納整理をすると聞いております。  平成三年度からの地域行政の実施により、滞納整理も含めて税務事務も地域に分散して実施してきましたが、今回、本庁で集中して滞納整理を行う形になっております。しかし、担当の係を単に支所から納税課に移しただけでは意味がないと思いますが、今回の組織改正により滞納整理のどこがどう変わるのか、従来とは違う強化策を何か考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎相田 税務経理部長 平成三年度の総合支所発足と同時に、税務部門につきましても、税務係を新設いたしまして地域展開を図ってきました。それから九年がたっておりまして、その間、バブルの崩壊、長引く不況等によりまして、今お話がありましたように滞納額がすごくふえているということです。  支所の税務係につきましては少人数職場で、窓口を抱えながら滞納整理もやらなきゃいけない。それから、複雑な案件になりましたところ、支所の税務係は、組織としては区民課、総合支所長といくわけなんですが、その辺の専門的な部分につきましては、本所の納税課の方にいろいろと意見を聞きながらやっているというような実態もありますので、その辺を効率的にやろうということで、十二年四月からは本所の納税課に集中してやろうというふうな形で組織改正を行った次第でございます。  四月以降につきましては、やはり徴収目標というのをぴしっと決めて、その目標達成のために職員が一丸となって、滞納額の圧縮に努めるという覚悟でいます。 ◆高橋忍 委員 前も支所に移るときも、私は、やっぱり専門性が要求されるし、分散するよりも本庁の方でやった方が効果的じゃないかということを申し上げたこともあるわけでございますが、その当時は、いや、地域の方で身近なところでやった方が、より税収も含めて取り組みはしやすいというふうなお話であったわけで、今考えてみると、やっぱり本所の方で統一的にやった方がよかったんだなというようなことを、また今思っているわけでございます。  ただ、地域の中でやっていたのが余りうまくいかなかったから、じゃ、本所に持ってきて、それで一生懸命やりますよ、徴収目標を決めてやるよということだけでは能がないと思うんです。やはりそれなりに、今までやっていたことの繰り返しだけやっていたのでは、何のために本庁へ持ってきたかということにもなりかねないわけでございます。  都の方でも滞納整理のおもしろさということで、ある人の記事が出ておりますが、機動整理班を組織して、一億円の計画に対して五億円の収入実績を得たというようなことが出ております。そういう中でも、攻めの滞納整理をやったということが出ておりますけれども、今までワンパターンの繰り返しのようなやり方でなくて、やっぱり一工夫も二工夫も、そういう人は知恵を出しながら、ぜひやっていっていただきたい。そうしませんと、これはそうでなくたって、滞納のそういう仕事の内容だと思っておりますから、そういうことで、ご苦労も多いと思うけれども、頑張っていただきたいなということを強く申し上げておきます。  次に、皆さんの職場には、滞納整理に通暁し、多くの自治体からも講師に声がかかるくらいの職員もおられると聞いておりますし、また、それぞれの担当の職員の皆さんも専門性を高める努力をされているというのは聞いておるわけでございますが、滞納整理の仕事というのは、税法を初めいろいろな法律も関連し、また、権利関係の把握や調整もあり、担当職員には高度の専門性が要求されるのではないかと思うわけであります。  こうした専門性が求められる職場は、四年に一回の通常の定期異動というんですか、定期人事異動というんでしょうか、そういうパターンでなくて、長期にわたってじっくり仕事に取り組める専門職員の配置や処遇をやっぱり考えていってあげることが必要じゃないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎相田 税務経理部長 今、委員の方からお話がありましたとおり、滞納整理事務につきましては、税法だけじゃなくて、民法だとか、かなりの法律が関連してまいります。それから、破産だとか相続等に伴います権利関係の調査だとか、その辺を把握するという必要も出てまいります。  実際に滞納整理の事務をやってみますと、個々の事例によりまして、その内容、それから滞納者に対する対応、これはさまざまでございますので、かなり職員個々の資質、能力というものが問われるということでございます。専門的な知識や能力を持った職員を育成していくということは重要なことでございまして、中には何年も、長く滞納整理に従事しているという職員もございます。当面は、この複雑で困難な案件につきましては、弁護士さんだとか、公認会計士さんだとか、税理士さんなどの専門的な支援を受けながら推し進めていこうかなと思っております。 ◆高橋忍 委員 いつでしたっけ、ほかの会派の方からも、きょうじゃなかったけれども、もう同じところに十年近くもというんでしたっけ、異動しないで、かなり長く同じところに残っていらっしゃる方々がいるというようなお話もありましたけれども、余り必要でなさそうなところで長く居座られるよりも、私は、やっぱりこういう税務のような専門性を要するようなところに長くいていただくと。  そのかわり意欲的に取り組むということは非常に大切であるわけでございますから、そういう意味では、ぜひ今申し上げたようなことも、今、公認会計士さんとか、その他専門家の方々の知恵もかりながらやられるんでありましょうけれども、実態はかなり専門性が、上っ面だけのものじゃなくて、深く掘り下げた形で要求されるとも聞いておりますので、弁護士さんたちのそういった話ばっかりじゃなくて、職員さんが深く知るということが大切というようにも思いますので、そういう意味では、ぜひ検討して長くおれるように。そのかわり、そういう方についてはやっぱり処遇を考えていかなきゃいかぬのじゃないかというふうにも考えますので、ひとつ検討していただければと思います。  次に、滞納整理に携わる職員の育成には、実務能力を高める専門的な研修も必要であります。研修といっても、単に税法や滞納整理の知識の習得だけでなく、滞納者との交渉力をアップさせ、税収に結びつけることも大切であります。相手方の情に訴えるというか、納付してもらえるような方向に導くなど、交渉に柔軟に対応できる職員を養成することが重要と考えますが、そういう研修をやっておられるのか、また、今後どのように考えておられるのか、お尋ねをいたします。 ◎相田 税務経理部長 滞納整理の研修でございますけれども、東京都だとか特別区の研修所、さらには税務の専門機関が実施します研修に職員を積極的に参加させております。  その中でも、やはり実例に沿った、かなり掘り下げた研修を受けておりますので、その職員の能力アップと申しますか、レベルアップにはかなり役立っていると思っております。やはり何より重要なのは、そういう研修機関で受ける研修よりも、仕事を通して専門的な知識を身につけるということが大切だろうと思います。  そこで、今やっておりますのは、経験の浅い職員につきましてはベテランの職員をつけてペアで仕事をする。それから職場の中で具体的な困難案件を例に出しながら、そこでベテランの職員が教えていくというふうな形で今やっております。やっぱり何よりも実践的な生の研修が必要なんじゃないかなというふうに思います。  今後も、職場の中でどういうふうな形がレベルアップにつながるかというものにつきまして、工夫をしながら実務研修をさらに進めていきたいと思います。 ◆高橋忍 委員 今、部長の答弁がございましたけれども、同じようなことを、非常に的確なことをおっしゃっているというふうに私も受けとめているわけですが、先ほど申し上げました都政新報の、機動整理班を組織し、計画一億円が五億円の収入実績にという中で、滞納整理のおもしろさということで、港都税事務所の挑戦ということで投稿されていらっしゃる、見ていらっしゃるかもしれませんがね。  それは納税交渉力のアップというと、やっぱり時間がちょっとかかるかもしれませんが、機動班では、その納税交渉の場にベテラン職員が同席したり、模擬納税交渉で、話を切り出すタイミングや滞納者のタイプ別交渉などの研修を行ったが、一カ月を経過するころから、各人の交渉力は驚くほどアップしたというふうなことが出ております。  また、滞納整理の知識に関する研修は数多く行われているが、直接収入に結びつく交渉力アップの研修が行われていないのが現状である。各職場でベテラン職員を講師に研修を行い、担当者の交渉力を高いレベルで平均化すれば、収入アップの大きな原動力となるであろうと言っておりますが、今、部長がおっしゃっていた全くそのとおりな気持ちで、この人もやっぱり対応しているなと。そしてまた、部長もそういう今のようなお気持ちで取り組みをされるということでございますから、ぜひその気持ちで、部下の教育についても、研修についても励んでいただきたいと思います。  次に、国民健康保険料の滞納も深刻な状況であります。加えて介護保険料も国保に上乗せされて徴収になりますと、集めた国保料から優先で国に納めることになるため滞納率が上昇し、国保財政のみならず、一般財源への圧迫が懸念されます。  この際、税や国保料も含めた徴税対策の専従組織を債権管理対策委員会の下につくるか、国に税務署や都に税務事務所があるごとく、短期でもそれに近い組織をつくり、機動的に取り組むことを考えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、ご見解をお伺いいたします。 ◎相田 税務経理部長 今お話のありましたとおり、一元的な組織でやるということで、そういう方向で徴収の強化に取り組むという方法もあろうかと思います。今回の組織改正で、やり方として所管課が滞納整理まで一貫的にやるという部分と、それから滞納整理を切り離してやる、別の組織でやる、これはやっぱり一長一短あると思います。  それで、お話の国民健康保険事業の場合は、これは特別会計でございますので、保険料だとか、国、都の支出金、この収入でもって給付金等の支出を賄う。言うならば、収入と支出が表裏一体の事業という部分でございますので、やっぱり特別会計を所管するところがきちんと対応していくという方が効果的であろうということで、今回は、税は税、国保は国保というふうな形で、滞納整理部門の組織を強化して事に当たろうということでございます。  あと、全庁的な債権管理をどうするんだということでございますが、この部分につきましては、十二年度も引き続きまして債権管理対策委員会というのを設けてございますので、やはり滞納整理の状況だとか、定期的に情報を得て、そこで調整したり、進行管理をやっていこうというふうな形の方法で臨みたいと思いますので、ご理解のほどをお願いしたいと思います。 ◆高橋忍 委員 それぞれの手法があると思いますので固執はいたしませんが、ぜひ強化のために頑張っていただきたい。  とりわけ税も現年分の収納率が年々落ちておりますよね。税の方の現年分の収納率、落ちていないかな、何か余りいい顔をしていらっしゃらない、上がっているのかな。だけれども、収納率は八七・〇八が、十年度は八六・六六になっているように見受けられるんだけれども、これは違いますか。僕の資料の見違いかな。 ◎相田 税務経理部長 それは現年度の滞納分も入れた部分で滞納額の分母がふえておりますので、そういうような形で収入率は落ちておりますが、現年分だけですと、過去十年間では、厳しい状況でございますけれども四番目にいいというふうな状況、現年度だけいきますと、かなり高率な徴収率となっております。 ◆高橋忍 委員 では、失礼いたしました。僕の読み間違い、調べ間違いであったようですが、いずれにしても、現年分も、そこの取り方が少なかったりすると、やっぱりそれが滞納していくわけですから、その努力も必要だというふうに、そのことを言いたかったわけですけれども、ひとつ努力していただきたいと思います。  それから、税収等の厳しい中で、どこの自治体も滞納対策に頭を痛めているようですが、新聞報道によりますと、小田原市は悪質な滞納者対策として、名前を公表できるような条例の制定を考えるということでございます。ということで書かれていたわけでございますが、きょう、テレビで報道されていたのは、きょう、何か条例が可決されているという話がございました。  血も涙もない取り立てをやれとか、そこまでは言いませんけれども、やはり悪質な方というんでしょうか、そういう方については、これは国保の関係の分ですが、週刊誌に載っておりましたけれども、やっぱり一千万円以上の人たちの方が、かえって確信犯的に一切払わないんだとか、いろいろと罵詈雑言を浴びせられて大変な苦労をしながら、徴収の方々も努力をされていらっしゃるようでございます。  そういう中で、とりわけそういう悪質と思われるような方々については、僕はやっぱり厳しい態度で臨んでいかざるを得ないんじゃないかというふうなことを思うわけなんです。僕もかつては、できるだけそこのところは配慮しながら、いろんな事情もあるんだろうからというふうな気持ちで、僕の議員活動の中では、そういう思いを強く持ってきていたわけでございますけれども、こういう当然払わなければいけない、そしてまた、生活にゆとりがないわけではないような方々が、こういう形でお支払いをしないということ、納めていただかないということは、これは大変正義に反すると思いますので、ぜひこういうところについては厳しい取り立てをしていただきたいと思うわけでございますが、何か考えていらっしゃいますか。 ◎相田 税務経理部長 私も昼休みにちょうどニュースを見ていまして、小田原市では本会議でこの条例案が議決されたということで、その中で、やっぱり納める能力があっても納めないという一定の条件がある。また、名前を公表する場合については、審査会というのがあるそうで、そこで厳正な審査をするということで、やはり小田原市がここまでやろうということについては、この悪質な納税者は逃がさないんだよという市長の強い決意があるんじゃないかというふうに、先ほど聞いていまして思いました。  世田谷区では実際にどうやるんだという部分なんですが、そこまで、氏名まで出すと、やはり守秘義務だとかプライバシーの問題で一つの課題があろうかと思いますので、当面、世田谷区は財産の差し押さえなど法的な手続を厳正に行って対応していきたいと思っております。 ◆高橋忍 委員 債権の管理条例をつくって、債権管理対策委員会まで設置をして取り組むわけですから、それなりの意気込みと知恵を絞った取り組みをして、この三年間で滞納額五十億円の削減をやっていこうというふうな意気込みを持っていらっしゃるわけですから、ひとつぜひ頑張っていただきたいと思います。  先般、ある週刊誌では、これになるわけですけれども、実際の国民年金の未収問題についての記事が掲載されておりました。その中に、当区も未納者対策で大変努力をされている様子がうかがえる国民年金課長や保険料係主査の取り組みの話が載っておりました。税収や国保や介護保険で重要な役割を果たしている、こういった皆さんの労を多として、ぜひ頑張っていただくことを重ねて要望いたして、この部分については終わります。  次に、基礎的自治体と普通地方公共団体についてでございます。  私は、かつて特特委員長──ちょっと正式名称を忘れましたが、一応特特と言っておりましたので、この名前で言いますが、特特委員長として二十三区特別区制調査委員長会に出席させてもらいました。委員長会の研修会で特別区協議会の有田事務局長さんから、制度改革にかかわる国の動きとか、法的、財政的な課題など示唆に富む、大変貴重な講演を何回か拝聴したわけでございますが、当時の会議録や断片的な記憶をたどりながら、この基礎的自治体にかかわる問題等について質問をしてまいりたいと考えております。  昭和二十七年に基礎的地方公共団体の地位を奪われて以来、長い運動の成果が実り、やっと平成十年に地方自治法の改正が行われたわけであります。そしてこの四月から、特別区は清掃事業を初めさまざまな事務が区へ移管され、基礎的な地方公共団体としてスタートするわけでございます。  しかし、昭和六十一年の東京都と特別区で合意した都区制度改革の基本的方向では、特別区の内部団体的性格を改め、特別区を大都市区域における基礎的自治体として普通地方公共団体に位置づけるとなっていたものの、さまざまな論議の中で、結論としては特別地方公共団体という枠から出ることはできませんでしたが、本来のあるべき姿は普通地方公共団体であると考えております。  今回の特別区制度改革の実現によって、これまでの自治権拡充運動はここで終わりなのか、今後、さらに普通地方公共団体へ持っていく、そういった強い意思を持っておられるのか、また、その展望はどうなのか、この辺のことについてお尋ねをいたします。 ◎大場 区長 今回の特別区制度改革の中で、特別区が基礎的な地方公共団体に位置づけられたことは、区の自主性、自立性を高め、区民に責任ある行政運営を進めていくために大変意義深いものであると存じます。  私も区長会会長として、地方自治法改正の法案上程や清掃事業の区移管に際し、全力をもって当たってまいりましたが、この四月に改革が実現する運びとなりまして、感無量の思いがいたしております。  今回の改正は、大都市地域を前提とした、新たな都と区による大都市における二層制の自治制度であります。大都市における行政の一体性、統一性を確保しながら、特別区の自主性、自立性を強化したという意味で一つの到達点ではありますが、まだまだ財源問題を初め、都区の役割分担など不十分な面があると考えております。  区民に身近な自治体として、より責任ある行政運営をどのように実現していくかの観点から、制度改革後の都区制度のあり方について、区長会などで論議を深めていく必要があると考えております。 ◆高橋忍 委員 今、力強いお話があったと申し上げたいわけでございますが、ただ、私は、やはり普通地方公共団体へ持っていくというふうなご答弁というんでしょうか、かつて政令都市を目指すと、そういうような非常に気概が感じられるような発言等をあの当時はやられていたわけですが、ちょっとその辺のところが、都区制度のあり方についてという形の中に、普通地方公共団体のことも含めて今後論議もするよという意味なのかどうか、ちょっとわかりませんけれども、ちょっと物足りなさを感じました。  だけれども、やはり私どもの思いとすれば、本来的には憲法上の地方公共団体だというところに思いを持っているわけでございますので、いろいろ難しさのあることも承知しておりますが、ぜひ努力していただきたいということを申し上げておきます。  次に、昭和六十一年の都区合意では、地方交付税については、新しい基礎的自治体に対して地方交付税を一括適用するという話でありました。しかし、自治省の財政課の方では、交付税の傘下に入るということは各区が交付税制度の適用を受けることになり、二十三区一括適用は認められないという見解であったようであります。二十三区個別でやると各区の差が大きくなり、交付税で換算すると、下手をすると一千億円くらい落ちてしまうので、区長会では、それはできないということであきらめたという話を聞いております。  今回の議会でも地方交付税が論議されていましたが、普通地方公共団体を目指すとなると、二十三区の中では地方交付税の問題が大きな問題として浮上してきます。世田谷区としてはこの地方交付税の問題をどうクリアしていくのか、お考えをお伺いいたします。 ◎八頭司 助役 先ほど区長がお答えしましたように、とりあえず地方自治体の方から運動を起こして国に制度を改正させた、今まで全国で例のない自治法改正の経過でございました。これをとらえて、区長は先ほど申し上げたわけでございまして、基本的に都区合意のとおり普通地方公共団体を目指すべきであるということは、区長もいささかも変わっていないと存じます。  ただ、今お尋ねの交付税でございますが、これは何回か特特委員会等の席でもお話しした記憶がございますが、地方交付税法は今も都区合算規定という特例が残っておりますし、ちょうどご紹介になりましたように、そもそもが二十三区一括で適用してもらって、それを二十三区の調整財源にしようという当初の案については、国が絶対に首を縦に振らなかった、こういういきさつがございました。  この辺から、地方交付税法のハードルの高さといいますか、地方財政計画の中で地方交付税が全体を占めている位置づけに、二十三区という強力な分捕り相手が出てくるということで、これは国としても地方財政計画の根幹を揺るがすようなことになります。  先ほど一千億円というお話をなさいましたけれども、富裕区については、全く何倍もあっても取られることはない。交付税を物すごくもらわなきゃいけない区は、今の財調に比べて、かえって少なくなってしまうおそれがある。世田谷区のようなケースですと、交付税適用も、財調適用もさほど差はないというのが、昔、私どもも試算をしたことがございます。  現実には、交付税のクリアの場合には、まずは交付税法を改正させなければいけない。それにはどうしても、まず自治省の方では相変わらず、今回の自治法の中でも、特別地方公共団体であるという規定をもう一段外させないと動かないということでございまして、二十三区間の財源の構成が非常にアンバランスでございます。あるいは自治体の規模がさまざまに違っており、大小さまざまでございます。この辺を相当何点かクリアしないと、今の最終的な議論には結びつかないのではないか。まだまだ現状ではハードルが高い、そういう認識でございます。 ◆高橋忍 委員 地方交付税の都区合算規定の廃止とか、そういうことなんかも、やっぱり当面の課題としてあるんじゃないかと思いますけれども、普通地方公共団体に一足飛びにはいかないことは承知しておりますけれども、くどいような言い方でございますが、やっぱりそれを目指して頑張っていくということは大切だろうと思っておりますので、ひとつ努力していただきたいと思っております。  それから、首都移転問題も特別区制度と絡まってまいります。かつて自治省は、都制というのは首都だけに当てはめられる制度であり、都区制度は東京だけの首都制度である。だから、特別地方公共団体だと言っておりました。ところが、首都移転ということになりますと、首都制度の下にのみ存在する制度であると言っている特別区をどう考えるのかという、非常に基本的な問題が起こってくることから、今、自治省は首都制度ではなく大都市制度ということを言っています。そして、大都市の一体性の確保から、なおかつ特別地方公共団体であるとしております。  昨年の十二月には首都移転に断固反対する国民大集会などを開催していますが、実際に首都が移転されると特別区はどうなるのか。特別区が首都制度の下にのみあるならば、特別区制度をどう考えるかは、また大きな問題だろうと思います。首都という特殊な大都市の中に置かれた特別区制度から普通地方公共団体を目指すには、特別区をどう考えていったらいいのかという観点も必要だろうと思います。首都としての特殊性の中で、特別区の目指す方向についてお伺いをいたします。 ◎八頭司 助役 お話にありましたように、昨年十二月に首都移転に断固反対する国民大集会、東京都が主に声をかけまして、我々も参加いたしました。東京都だけではなく、参加した二十三区挙げて反対の立場でございます。  この首都移転につきましては、実は、平成四年に国会等の移転に関する法律が施行された後、区長会としても何らかの対応策をあらかじめ立てなければいけないという判断から、平成八年でございましたけれども、特別区政懇談会の中に小委員会を設けまして検討してきたことがございます。八年の十月に報告が出ておりますが、その時点ではまだまだ未確定な事項が多くございまして、特別区への影響として想定が可能な事項を取り上げて、問題点を区の立場から明らかにだけはしておこう。区としては国に説明を求めるというスタンスで取りまとめたことがございました。  その中には幾つか話がございますし、お話になったようなこともございます。首都制度イコール大都市制度なのかどうかということも問題でありますし、今回の自治法の改正では、首都と大都市制度はイコールではないというようなスタンスで、東京にだけ適用されている特殊な大都市の制度である。ところが、もしかしたら、これは同じような状況が、例えば関西でも、大阪近辺でも同じような大都市制度というのが、場合によっては適用になるかもしれないというような法理論になっているようでございます。  そうはいいましても、現実に都と区の事務分担からしますと、都区の制度というのは、やはり首都制度としての性格も持っておりますので、首都機能の移転によってどのような影響があるのか。国会の議論も大事ですし、首都であるために、例えば警察の費用でありますとか、消防の費用でありますとか、外交関係の費用でありますとか、さまざまなものが都の分の大都市分としてカウントされたり、逆に都が不交付団体であるためにカウントされなかったり、さまざまな利害がございます。この辺は、基礎的自治体を目指すというか、法律上基礎的自治体になっている私どもの立場からすれば明らかにして、これに関しては、都と区は利害は一致しているわけでございますから、詳しく研究をしていきたいと考えております。 ◆高橋忍 委員 ぜひ研究を続けていっていただきたいと思っております。  今回の制度改革実現後の方向として、今後、二十三区が一人立ちするには財政力の強化が不可欠であるわけでございますが、そういうことから、二十三区を五つか六つに再編、合併する動きが出てくるのではないかということが言われております。  さきの自治法の改正を審議した衆議院の地方行政委員会において、当時の自治大臣も、特別区の再編整備という問題は、当然のこととしてこの道筋の行く将来のところにはあり得るのではないか、こういうことも考えておるところでございますと発言をしております。都庁内にも、二十三区は財政的にバランスのとれた組み合わせで合併するなら、税源と一緒に大都市事務を移譲すべきではないかという考え方もあるように聞いております。  また、昨年、東京中心部における都市構造研究委員会という民間の研究機関でも六特別市構想などを提言しております。この構想の中では、世田谷区は渋谷区、目黒区と一緒になり、仮称ですが、渋谷市ということが提起をされております。こういうのに森記念財団の方で何か後援をやっているようですけれども、こういうのが載っております。  石原知事も廃置分合に積極的とも聞いておりますが、この特別区の再編・合併論議は、意外に早く現実のものとして出てくる可能性もあるわけでございます。将来における二十三区の再編、合併についてどう考えるか、お伺いをいたします。 ◎大場 区長 都区制度のあり方については、地方自治法改正の国会審議の中で附帯決議として、第二十二次地方制度調査会の答申の趣旨を踏まえ、引き続き検討すること。また、大都市制度については、指定都市制度を含め、その適切なあり方を検討するとされております。また、審議の過程でも政府委員から、大都市の特殊性から、一般の市町村以上に相互の統一性が求められていることや、税源の地域的偏り、人口減少の著しい都心地域の特別区の再編、周辺地域ともあわせた特別区の区域の見直しなどの必要性などが指摘されておりまして、都区制度の枠内にとどまらず、大都市制度あるいは首都圏制度のあり方を含めまして、今後十分な論議が必要であるとの意見もございました。  改革実現後の都区制度のあり方については、地方公共団体の論議に加え、大都市地域における行政制度という観点からの議論も必要であります。まず特別区側から、東京の中の身近な自治のあり方としてどのような制度が望ましいのか論議を深めていく必要がある、このように考えております。 ◆高橋忍 委員 私たちは基礎的自治体を手にしたわけでございますが、今、区長からのお話もございましたけれども、今後、これらの動向に注目しながら、所期の目的に向かった運動をしていかなければならないんじゃないかというふうに私自身も決意を固めているところでございます。ぜひ今後とも区長を先頭にして頑張っていただきたいなということを申し上げておきます。  次に、特別区の将来の話から戻しまして、地方分権時代における特別区のありようについて二点ほどお伺いしておきます。  まず、特別区と都の関係についてであります。今回の五兆円以上の銀行に対する外形標準課税、いわゆる石原新税の導入の見返りでしょうか、都は景気対策として、二十三区内の新築住宅に対する固定資産税と都市計画税の三カ年の減免を打ち出しております。都下の市町村では、この税は市町村の税のため、区に準じた減免措置をとった場合、都による保証を求めているという報道も出ておりました。  固定資産税と都市計画税は、本来、二十三区の税であります。都は固有の税のようにどのようにでもなると考えているのではないかと感じております。地方分権で、都道府県と市町村は協力、対等の関係になるとは言いながら、都のやり方は、従前のような上下、従属すればよいというような関係であります。二十三区が基礎的な自治体となったと言いながら、これでは全く都の内部団体と変わりはありません。この税の減免について、二十三区側に事前に話なり協議があったか、お伺いします。もしなかったとすれば、都に対し強く抗議するなり申し入れをすべきと考えますが、ご答弁をお願いいたします。 ◎八頭司 助役 お話のとおり、今回の法人事業税の外形標準課税導入、それと都市計画税あるいは固定資産税の減免というのはセットで発表されました。新聞報道のとおり、どうも秘密裏に少人数で行われましたので、当然のことながら、区側には何の事前協議もございませんでした。  都側の今回の議会等の説明を聞いておりますと、減免の影響は平成十三年度以降にあらわれるわけでございます。ご指摘のとおり、固定資産税は本来的に二十三区の税でございます。都市計画税はそれとリンクして取る目的税でございますから、区側といたしましては、こうした都の政治判断で実施された減税でございますから、財調フレームに影響を与えることは絶対あってはならないと考えております。  もし財源に影響が出るのであれば、あくまでも都の責任で区側にしっかりと埋め戻す。それから、こうしたかなり荒っぽいやり方、これを繰り返さないようにする。これはあらゆる機会を通じて東京都に厳しく申し入れをしていきたいと思っております。 ◆高橋忍 委員 外形標準課税なんかは、特に拍手喝采というのもありますけれども、人様の自治体、一人立ちしているところにまで手を出してやるというやり方は、僕は、これはけしからぬと申し上げておきたいんですよ。やっぱり自立したんだから、それはもう対等の関係で、相談ぐらいして、そしてやっていくということが大前提だろう。そのための私どもの運動であったわけですから、ひとつその辺のところは厳しく受けとめ、そして、またそういった形で申し入れ等もやっていただければと考えております。やっぱり最初が肝心ですから、今のうちにその辺のところをきちんとやっておかないとつけ上がられてしまいますので、ひとつぜひやってください。  それから、もう一つは、特別区同士の相互関係であります。二十三区一体ということで、今回の国民健康保険の保険料も区長会方式で、条例は各区でありますが、保険料は同一であります。同じようなことは保育料などについても言えることであります。この保育料の問題については後で若干聞いてみましたら、各区の色を出しているということでございますから、ちょっと的を射ていなかったのかもしれませんが、いずれにしても、そういうような傾向が全体的にまだあるということを申し上げます。  今回の制度改革の目的の一つは、自主性、自立性を強化し、各区ごとに特色のある行政を展開できるようにすることであります。二十三区一体という呪縛から開放されるのはいつになるのか、不安を感ずるものであります。地方分権がこの四月から始まりますが、二十三区の分権についてはまだまだのようであります。二十三区一体と区ごとの分権についてどう考えておられるのか、お伺いをいたします。 ◎八頭司 助役 二十三区の場合は、ご承知のとおり、戦前から歴史的な沿革もありまして、東京という大都市の中で一体的な発展をしてまいりました。各区民は区の区域を超えて、二十三区区民といいましょうか、利便性の高い都市生活を営んできたわけでございます。相互に区同士でも、現実に何となく役割分担ができているわけでございます。例えば世田谷区は居住都市として成立しておりますし、都心区の方は業務都市あるいは商業都市として役割分担をしている、こんなこともございます。  それから、一例を挙げますと、国保料などでは、特別区の区域では、同じ所得や世帯であれば同じ保険料であった従来の経緯を守らなきゃ、どうもうまくいかない。あるいは大都市としての行政水準の均衡、こんなことを考えて、法律上はあくまで別個でございますが、統一保険料方式ということを採用したということがございます。さらに、下水道なんかを考えましても、当区の場合は下水処理場という迷惑施設を持っておりませんが、主に世田谷の下水の処理水は大田区の森ケ崎で分担をしている、こういう都市としての役割分担もございます。  かといって、今回の法の趣旨は、二十三区はそれぞれ自主性、自立性を強化し発揮するということでございます。そうしますと、やはり二十三区の都市として発展してきた一体性と自主性、自立性をどうバランスさせていくのか。それから、財源の多い、少ないという、あるいは人口の多い、少ないということを勘案しながらどう連携していくのか。これが逆に、我々二十三区個々の区にとって問われていく大きな課題だろうと認識しております。  あくまでも住民に最も身近な政府として個々に責任はとりながら、やはり近隣区あるいは二十三区全体の役割分担を考えながら、二十三区がなるべく自立的に、自主的に調整をする、この能力を高めていくしか方法はないんだろうと思います。難しい二律背反のような場面があると思いますが、これをちゃんとやってみせないと、何のための法改正だったのかということで笑われることにもなりますので、とにかく頑張らなきゃいけないんだろう、そう思っております。
    ◆高橋忍 委員 全くそのとおりだと思います。  それで、私も分権化の大きな流れの中で、先ほどのお話もございましたけれども、自治体が二十三あるならば二十三通りの顔があるんだ、その個性でもって味つけのある運動をやるというのが分権じゃないかというときに、それがまだまだ、それがまた、一体性の首都東京における、そういう制約があるということにもなるんでしょうけれども、やっぱりこれを自分の味でという部分がなかなか出し切らない、そういう現実というのはあるなということを痛切に感ずるわけなんですよ。  だけれども、せっかく分権の流れが大きくなってきているわけですから、まして、その自治権拡充運動をやってきたものを、そのために自立した自治体をつくろうという発想であるわけですから、そういう意味では、おっしゃるように似たようなところがあったにしても、できるだけ自治の独自性を発揮する努力だけはしておいていただかなければならない。  だけれども、その先は、僕は本当の独立した自治体というんでしょうか、普通地方公共団体がそうだということになるのかどうかわかりませんが、やっぱりそういうところへ持っていかないと、これは、そういった問題というのは首都東京都では制約としてあるのかなと思いつつ、あえて質問をさせていただいております。頑張ってください。  それから、先ほど新しい税目の創設、新設のことについてもお話がございました。また、助役の方からも、今後の大きな課題として都区財調の率の問題とか地方交付税の問題、今も言った独自の税目の創設の問題ということは出されておりましたけれども、やはり今回の改正によって、法定外の普通税、目的税、こういうものが、都の同意が廃止されてできるようになってきているということでございます。  私は電々だからというわけじゃないけれども、電話線を下にした方がいいのかどうなのかという問題はいろいろあるかもしれませんけれども、いずれにしても、やっぱり何か知恵を絞ってみて、皆さん、それを議会に提起していただいて論議をするということは必要だろうと思っております。  別に僕は電々の出身だから、電々のことを擁護しようと思って申し上げたわけじゃございませんが、そういうところは大胆に、やはり出すところは出して、お互いが論議をしていくということは大切だろうと思うし、やっぱり知恵を持つというのは、皆さんの方がたくさん持っていらっしゃるわけですから、そういう意味で前向きに、積極的に、ひとつ取り組んでやっていただければということをお願い申し上げて、もう時間も少ないと思いますので、以上で終わります。ご苦労さまでした。 ○荒木義一 委員長 以上で民主党・無所属クラブの質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆笹尾淑 委員 最初に、先ほど来、介護保険制度の問題が出ておりますので、ここから入らせていただきたいと思っております。  実は、先ほど区長からもご答弁があり、利用料の減免制度についてでありますけれども、ずっと私ども取り上げてまいりました。そして、今回も代表質問、それから委員会で、介護保険条例に対する修正案という形で出させていただきました。きょうの論議でも、これは検討するというふうに出てまいりましたので、これについてもう少し伺っておきたいと思っております。  実は、私どもも具体的にある方の例を挙げて、実際に払えない、こういうことが目に見えているんだけれどもということで質問しましたよね。そうしましたら、区の方も、そういうことは出てくるであろうと想定はされるということでお答えになっているわけですから、今回、それがいよいよあと一週間後に始まるというわけであります。このサービスを受ければ、これは一カ月まとめかどうかわかりませんが、早速払うわけですよね。そういう事態が出てくるわけですが、先ほどのご答弁と関連して、一体、検討していつから始めるかということについてのお考えはいかがでしょうか。  それからもう一つ、生活保護世帯との均衡ですね。生活保護世帯の場合であれば、利用料は自分の負担はないわけでありますから、ここのところの均衡という問題についてどんなふうにお考えか、伺いたいと思います。 ◎八頭司 助役 先ほど区長が至急検討させると申し上げたばかりですので、実は、その詳細を詰めたわけではございません。方向を若干お話ししたわけでございます。ただ、いつからということについてお答えせざるを得ないのは、四月一日から利用料は現実に取られる方がいらっしゃいます。それぞれのサービス事業者によっては、一カ月後にまとめて請求される方もおりましょうし、もしかしたら、その日から取る事業者もいらっしゃるかもしれません。それを考えますと、手続は後追いになりますが、もし何らかの手だてを講じるとすれば、やはり四月一日にさかのぼって実行せざるを得ないのではないかと思います。  それから、生活保護の受給者の方は云々ということがございましたけれども、これも、まさに検討する中身そのものでございまして、どこまで何ができるかということでございます。片や法律の指導、あるいは条例の審議の際にお答えしましたように、介護保険制度そのものの中ではできないという判断をしておりますので、一般会計で、別途、補助要綱でやらざるを得ない。その要綱の中身を、区長の指示がありましたので、これから大至急詰めるということでございますので、一般財源で、要するに区が自主財源をどのくらい投入できるのか、どんな手続が要るのか、どういう対象までせざるを得ないのかということを具体に、大至急詰めさせていただきます。  ただ、先ほど区長がお答えしましたのは例として、生保の基準に当てはまりそうなのに頑張っておられる層がいて、理念上不均衡が生じる、こういうケースはおかしいではないかというご質問をいただいて、区長は先ほどお答えしました。当然その辺は配慮せざるを得ないかなと。今現在、急な話でございますので、とりあえずお答えはその辺までしかできないと思います。 ◆笹尾淑 委員 いつ実施するかという、明確に今出てきたわけですが、私どももそう思うわけですよ。実際はもう始まってしまうわけだから、同じようにということになれば、あるいは準じたということにするならば、いつ決めるかはちょっと後になるかもしれないけれども、四月にさかのぼってやっていただくということだと思うんですね。  それで、問題はその後、もしお答えできれば、先ほどの論議でも、どんな内容のところをやるかということも一つ検討の素材になると思うんですけれども、この辺についてはいかがですか。 ◎八頭司 助役 先ほど公明党にお答えをしたお答えと同じレベルしか今はお答えできませんが、区は、サービス事業の種類と実態からして、ホームヘルプとデイサービス事業が恐らく八割ぐらいを占めるであろうと想定しております。この辺に重点を置かざるを得ないかなというふうに先ほどお答え申し上げました。 ◆笹尾淑 委員 そのことは早急に検討していただいて、区民の方が、私はどうなるんだろうと心配をされている方が随分たくさんいらっしゃるんじゃないかと思いますので、そういうものにこたえていくようにお願いしたいと思います。  なお引き続きまして伺うんですけれども、実は今、大きな問題になっているのが、申請した人の問題について全員認定が済んだのかということですね。それから、認定は受けたけれども、ケアプランが作成されていない人はどのぐらいいるのかというようなことについて、まず、ちょっと簡単にお答え願えませんか。 ◎櫻田 保健福祉部長 三月二十二日現在で、申請者数は約一万二千八百人、要介護または要支援と認定された方は九千七百人でございます。そのうち四千六百人ほどの方から、ケアマネジャーを選定してケアプランの作成を依頼した、そういう届け出がされておりますので、実は、先ほどの九千七百人のうちから施設に入っている方を除きますと七千五百人ほどでございますから、ケアプランの作成率は、三月二十二日現在で約六〇%済んでいるのではないか、最低の数値ではそういうことです。  また、まだ区の方へ報告のない方もいらっしゃいますので、実際は七割か八割ほどもう済んでいるのではないか。そういう意味で、かなり順調に推移している、そういうふうに理解をしております。 ◆笹尾淑 委員 問題は、このケアプランが立てられなかったりして、今まで受けていたサービスが四月一日からちょっとわからなくなる。混乱するとか、あるいは継続できないような事態が出ることも想定されるわけですが、その辺はどのようにお考えですか。 ◎櫻田 保健福祉部長 ケアプランの作成状況でございますが、新聞報道もされていますように、実際、資格を取ってもケアマネジャーの仕事をしないというような方とか、当初、ケアマネジャー一人当たり五十件を予定していたんですが、思ったより以上に一件当たりの時間がかかるというようなことで、区のみならず、全体的に厳しい状況になっております。  そこで、現在、万が一の場合は区の職員がケアプランの作成の支援をするというようなことで、まさにスタンバイしておりますので、区の職員が出動する事態ということになれば、今の能力からしますと千五百件から二千件ぐらいは対応が可能だというふうに踏んでおりますので、その辺は十分に連携をとりながら、遺漏のないようにしていきたいと考えております。 ◆笹尾淑 委員 だれもがそこのところを心配して、大丈夫かしらと、こんなふうに思うわけですけれども、いずれにしても、サービスが途切れては困る人、どうしても必要ということでサービスを受けていたわけですから、そこのところがやっぱり継続をされることはどうしても必要だと思うんですよね。  今伺いますと千五百から二千件、待機したりいろいろな形で対応する。その対応をご答弁いただいたわけですけれども、区は、私が十一月の代表質問のときにもこうした問題を取り上げて伺ったときに、すべての高齢者が安定した生活を続けられるようにするためには、介護保険サービスと保健福祉サービスが適切に組み合わせられ、提供されることが必要だと答弁をされてきたわけでありますから、漏れちゃう人だとか続かない人については、くれぐれも区が責任を持って何らかの手だてを講じる、こういうことが必要だと思いますので、そこのところはよろしいでしょうか。 ◎櫻田 保健福祉部長 泣いても笑っても一週間しかないわけでございまして、今、職員の皆さんと一緒に全力で取り組んでおります。まず、この介護保険がその趣旨に沿ったように、四月一日以降、十分に移行できるようにと。それから、既存のサービスを受けている方がそこで途切れることのないように、今、全力で保健福祉センターとも連携をとりながら対応しておりますので、若干のトラブルはあろうかと思いますが、全体的には何とかいけるのではないか、またいかなければいけない、そういう覚悟でやっております。 ◆笹尾淑 委員 次に移りたいと思います。  今回、都区財政調整問題の決着の仕方について、私どもはこの都区制度の改革と、それから地方分権の意味を考えましたときに、やっぱり都区財政調整というものは、末端の自治体である区が区民の暮らしや福祉をしっかり担うというためには、本当にここで都区財調の財源配分できちっとそれが保障されるべきであり、そういう立場に立って交渉願いたいということで、十一月の代表質問なども取り上げてまいりました。  その後、一月の十九日でしたかしら、区長会などでもこういう問題が具体化してきました折に、私どもは区長にも直接申し入れを行って、国民健康保険の財源問題とあわせてしっかりと確保していくという立場で申し入れをしてまいりました。  結局、結果としては、先ほども出されておりましたけれども、やっぱり東京都に押し切られたというか、そういう感じを私は持っているわけですし、それから、五二%の決着というのが、決着の仕方もそうだけれども、内容的に見ましても、今回の五二%の中身を見ましても、そのフレームにおいて、清掃事業関係の経費を千二百八十七億円引きますと約百億円のマイナスが出てくるという計算になるのでありますけれども、そうしますと、四四%のときよりも、実質的にはやっぱりここのところで下がってきているのではないかというふうに見るわけですね。  もう一つは、きのうの都議会の委員会でも、老人福祉手当の三年後の廃止ですか、そういうものも含めて、やっぱりこれが区民にかかってくる。こういう問題についても、そういうものを含めて区長会で認めてきたと。認めてきたというか、財政上ですよ。そういうふうに考えますと、この五二%というのは、これを決めたことによって、今後の都区財調のあり方といいますか、中期的、長期的にそれが一つのもとになっていくというふうに考えられますが、今回の決着について、区長はどのような思いを持っておられるか。それから、今後どういうふうにこれに向かっていくのか、都との交渉を展開していくのか、その辺についてお答え願いたいんです。 ◎八頭司 助役 今回の財調の協議の経過、スケジュール等は、もうご案内のとおりでございますが、私どもは大変不満でありますけれども、制約された日程の中で、特に清掃事業について決着をつけない限り仕事にならない、予算が組めないという状態でございましたので、特別な、一定期間の特例的な対応を行うということを前提に受け入れをしたものでございます。  前々から申し上げておりますように、区長会の理解は、五二%プラス都が別途措置した五%相当分五七%があくまでも出発点である、こういう理解は区長会全体、二十三区全体変わっておりません。  それから、その金額の上で、清掃部分を除くと減っているではないかというお話がございましたけれども、それはもう事実上、介護保険で財調措置した部分が財調から外れるだとか、区長委任条項で措置されているものが都の交付制度の別枠に変わりますので、その部分が外れるとか、そういう要素がございますから、単純な比較は余り適切ではないのではないかと考えております。  ただ、いずれにしましても、五二%あるいは五七%で私どもが納得したとか、満足したとか、そういうことは一切ございません。都区協議の最後の二月十日の段階でも、改めて十七年までの特例的な対応が、途中であっても大きな制度改正、あるいはどうしても対応できない事態、これは幅はいろいろと読めると思いますが、そういう事態が生じた場合には、配分割合の変更について都区協議するという都区間の約束をとりつけております。  さらに、今後、清掃あるいは介護保険、だんだん中身が詰まってきまして、実際にやってみるとどういうことになるのか。こういう今後の実施状況を踏まえまして、基準財政需要額にきちんと反映しているかどうかの検証を行わなきゃいけないと考えております。その上で、新たな都区の役割分担を対等の立場で二十三区が結束して、区長を先頭に、今後とも粘り強く都と当たる、こういうことを今の時点では申し上げる以外、手はないと思います。 ◆笹尾淑 委員 こうした経過を経て今回は決まったわけですけれども、その結果が区民生活にマイナスを及ぼすようなことがあってはならないと思いますので、私どもの方はその見解を述べておきたいと思っております。  続いて財源問題なんですね。先ほども他会派からも出ましたけれども、独自で財源を確保していくという問題について、もう少し深めていきたいと思っております。  今、石原都知事の方でお出しになった外形標準課税については、私どもの党は賛成をしているわけであります。都内でもこうした動きに倣って、ほかの十区市ですか、独自の課税対象を検討し始めたということでありますけれども、私も平成九年の予特でありましたかしら、電柱や電信柱の占用料の問題について取り上げて伺ったことがあります。これについては、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、調べてみますと、積算の基準、つまり、建設省の積算の方法から積算しましたものと、現在、世田谷区が取っております区道の道路占用料との間に随分開きがありますので、私はちょっと調べてきたわけです。  これはちょっと小さくて大変恐縮ですけれども、見えないかと思いますけれども、東京電力、NTT、東京ガス、東京通信ネットワーク、それに電柱などにかかっている広告料ですね、そういうものについての占用料についてであります。予算書の七七ページに占用料の総額が十二億三千万円載っておりますけれども、それはほかのものも入っているので、それと直接比較はできないんですけれども、例えばということで、こういうふうに計算をしてみました。  例えば、東京電力の電柱というのは、世田谷区内の区道で三万三千五百十八本あります。それからNTTの電柱は二万一千六百四十三本あります。これは二十三区でも一番数が多いものであります。この電柱だけ取り上げてみましても一本幾らという算出の仕方があるんですけれども、建設省の政令によって随分低められている経緯があります。  例えば、これは三年ごとの固定資産税の評価額が変わりますから、これと関連して積算の基礎が変わってくるわけですね。その算出によって、前回の一本の料金に対して一・五倍以上になった場合は、一・五倍を最高としてとどめておく、それ以下にするというようなことで、この政令によって二十三区で取り決めをしているとか、そういうことで制限を加えているわけですね。  ざっと計算をいたしますと、先ほどの、例えば電柱で申しますと、電柱と、それから電柱にかかっている電話線だとか、あれは全部太さによって何種類かに分かれているんですね。そういうものを含めて、東京電力関係で現在徴収しておりますのは四億二千百二十三万三千七百七十八円ということでありますが、本来的なおまけをしない積算でいたしますと九億三千百八十一万八千四百二十二円、そういうふうに出てまいりました。それで、差額が五億一千万円余であります。それからNTTについても、これで計算をいたしますと、四億二千二百六十五万円余、東京ガスは電柱ではありませんで、掘るわけですね。ですから、これでいたしますと、占用料をもちろん取っておりまして、その差額が三億四千八百八十九万円余、東京通信ネットワークが、これはちょっと少ないですが、五百九十六万八千八十四円ですか。  それから、広告が問題なんですよ。一本の電柱に巻き広告というのと、そで広告というのがありますよね、出っ張っているのね。あれが一本で二種類とか三種類ついているわけですよ。東電広告というところで手数料を取って取りつけをしているんだけれども、一枚七千円ですかね。それで、そのほかに占用料を徴収するわけです。それが区に納まっているわけだけれども、その差が二億九百四十何万円、こういうものを合わせますと、何と、現在、世田谷区が徴収している額、これは十年度の決算に基づくものでありますが、十一億二千二百十二万何がしです。それで、本来、おまけをしない額で徴収しますと二十六億一千九百万円余りです。この差額が十四億九千七百幾ら、約十五億円であります。こういうことで取れるわけですね、徴収できるわけです。  さっきお答えの中で八頭司助役は、消費者にはね返ってくるとおっしゃったかしら、何かそんなご答弁がありましたけれども、これは本来的に取れるわけで、新たに徴収するわけじゃないわけですよね。おまけにNTT株などは今、随分上がっているようですけれども、大分利益は上がっているんじゃないかと思います。だから、決して利益を上げているところに負担を、それは具体的には負担でいくわけだけれども、決してそういう消費者にかぶせていくという性格のものではないわけですね。  問題は、やっぱり企業の努力であり、本来的なおまけでまけてやっている料金をちゃんと求めるということでありますが、私、これは所管はどなたになるんですか、部長さんの方へ、これで間違いありませんかということを伺って、もう一つは財政当局の方に、こういうことで取ることについての見解を求めたいんです。どうでしょうか。 ◎岡沢 建設・住宅部長 ただいま笹尾委員の方からるるご説明がありましたように、基準式というのがあって、その枠までは可能であるということはあります。ただし、委員の方から、やっぱり同じようにご説明がありましたように、建設省の通達ですとか、今までの判例ですかね、東京都との横並びといいますか、東京都の指導ですか、そういうものによりまして緩和措置がとられてきて、二十三区が横並びで、これは世田谷区だけではなくて二十三区全体の問題として、こういうことでやっていこうよというふうに決めてきた、そういう事実は確かにございます。  これも三年ごとの固定資産税の改定のときに見直すということがありまして、これは建設省、国などは一・一倍ぐらいで抑えているところを、我々二十三区は一・五倍まで上げてきているという、そういう努力もしているということは事実でございます。  その中で、消費者へのはね返りみたいなものは、やっぱりある程度考慮しなければいけない部分もあるだろうというふうに言われていた部分もありまして、これは世田谷区に限らず二十三区が、東京都の土木行政と一体として動いていたという時代の産物であると思っております。  その辺の事実はあるんですけれども、今後、土木としては、管理をみずからの問題として考えるというスタンスに立たなければいけないと思っていますので、ご意見としては他会派からも出ておりますので、土木行政の方としては、自分の問題としてこれを土木部長会等に入れて、それで議論をしていきたいというふうには思っております。 ◎八頭司 助役 財政当局というほど、はっきりした明確なお答えがあるわけではないんですが、先ほどお答えしましたのは、何も電力事業者の側に立って、値上げはけしからぬと言っているわけでも何でもございません。明らかに道路を占用させて事業をやっているわけでございますし、その電柱がないほど、景観、安全、さまざまな面で効果があるものですから、電線類の地中化等を進めておりますが、非常に経費がかかりますので、経費と見合いで、料金の新たな財源の対象にすることがあり得るというご答弁を申し上げたつもりでございました。  ただ、十年の四月に上げたものでございますから、やっぱり適切な値上げの間隔がありましょうし、これが引き金となって、ほかの公共料金とどうだということも配慮せざるを得ないかなと思います。急激な値上げにならないような、あるいはそれが費用構成からして区民の不利益になることが発生しないのかどうか、その辺は確認した上で、それぞれで議論をしていけばよろしいかと思っております。 ◆笹尾淑 委員 前の平成九年のときのお答えから見ますと、随分違ってきたなというふうに率直には思いますよ。やっぱり本来的に取るべきものが、政令などが出されてまけてやっている。まけてやっているとなると、何でそんなことが起きるのかしらと、私なんかは率直に思うわけですが、いずれにしても、大きな企業に対して随分手厚いなということを感じるものですから、ひとつきちんと積算もしていただいて、さっき担当部局の部長の方からございましたので、これはぜひ検討していただいて、次の予算にでも生かすと。あるいは評価額を変えたときじゃなきゃできませんから、そういうときにきちんと計算をして計上していただけることを期待します。  次に、私は出張所のあり方について伺って、申し上げたいと思っております。  さきに出張所機能検討委員会の報告が出まして、私も担当委員会、区民生活委員会でちょっと意見は言ったんですけれども、私ども日本共産党として、こういうところではまだ申し上げておりませんので、ちょっと論議をしたいと思っております。  この報告書によりますと、出張所の機能を窓口サービスとまちづくりに分けるということが一つ。それから、現行出張所の事務はもうちょっと拡充する。少し夜の部分も時間を延ばすとかということもあるけれども、区内で七カ所から八カ所程度にするかというような三つの案が出ておりますよね。拠点出張所というふうに言っていて、これはサービスセンターですか、そういう名称で出ております。  これを仮にサービスセンター、サービスコーナーということで、まちづくり出張所は出張所を置きながら、そこにこのサービスセンターを置くということで事務を行うそうですけれども、これがそのままいきますと、拠点出張所以外のところでの出張所は、つまり、まちづくり出張所は今までどおりの仕事はできないということになるわけですね。私も資料などを読ませていただきまして、これは随分変わってしまうというか、後退をしてしまうわけですよ。  具体的に伺うんですけれども、まちづくり出張所というのは、地区計画を初めとして、防災だとか、そういうまちづくりに関することをいろいろやっていくんだそうですが、そこに置かれるサービスコーナーについて伺うんですけれども、今まで出張所でやってきておりますものの中で、こういうものはどういうふうになるんでしょうかということをお聞きします。  例えば、国民健康保険に関すること、国民年金に関すること、それからもっと根本的なことを言うと、証明は発行するんだけれども、届け出は全部だめですよね。だから、住民基本台帳に関しての届け出は全部受理もできない、異動の届けも受理しないということであります。それから、印鑑証明は出すんだけれども、印鑑登録はできない、こういうことになるわけで、これは全部一覧表にその仮のものは載っているわけですね。  それから、私、これは不思議なんだけれども、特別区税に関することは全部サービスコーナーでやるんですよ。だから、税金だけはちゃんと取るんだなと思うんですね。もっとありますね。就学事務に関すること、これも拠点の出張所、現行の出張所ではやっているけれども、サービスコーナーではやりません、こういうふうになっております。  今、出張所というのは二十七ありますけれども、一番区民が頼りにして、げた履きで行ける範囲にあって、気軽に相談にも行けるというところになっているんじゃないでしょうか。今申し上げた事務などは、実際そこでやれないのでしょう。そこのところをきちっとお答えいただきたいと思います。 ◎小畑 世田谷総合支所長 出張所では、今お話がございましたように、住民記録、印鑑登録、そのほか区民税の収納、住居表示等、幅広く区民生活に密着した事務を行っております。このような窓口事務を抱えながら、全体で八十数項目にわたりますまちづくり関連の事務を行っている現状がございます。  今回の報告書の提案は、そういった状況の中で、まちづくりへの人材をどのように確保していくか、そういう点に加えまして、窓口業務の諸課題を解決していきたい。それで、あわせて行政改革を推進する、そういう視点から窓口を分けていくという考え方で取りまとめたものでございます。  今お話がございましたような事務につきましては、住民の異動の届け出に付随する事務につきましてはセンターに集約させていただく。ただ、この事務につきましては、一生のうちそう何回もないものだろうと思っております。逆に、日常に必要な機能は、従来どおり身近なところに置いておき、なおかつ、休日、夜間の窓口開設など、利便性も向上させていきたい、そういった観点からの報告となっているものでございます。 ◆笹尾淑 委員 今、出張所の受付状況を聞いてみますと、例えばお年寄りが国民健康保険証をなくしちゃったんだけれどもとか、今、離職がかなり多いようですね。リストラなどの影響もあるんでしょうかね。そして年金の変更ですね。年金を厚生年金から変えるとか、そういうものもやっているようであります。  だから、一生に何回も行かないというふうにおっしゃいますけれども、これは数字を見ますと、やっぱりかなり多いですよね。異動だとか国保、年金、その他の受け付けが非常に多いんですよね。ですから、そういう出張所が縮小していくということは、これは住民生活にかかわってきて、大変に困る人がたくさん出るんじゃないかと思うんですね。  もう一つは、今、まちづくり出張所とサービスコーナー、これは一緒のところに置くわけでしょう。結局、今の出張所でやっていることをそこで分化するということだけにとどまるんじゃないかと思うんですけれども、これは違うんですか。 ◎小畑 世田谷総合支所長 現在、各出張所では、出張所機能検討委員会が行った調査によりますと、町会、自治会との連絡調整、またはイベントへの支援、参加、また、そういったことを含めまして、およそ八十項目程度の業務がリストアップされております。具体的には、身近なまちづくり推進協議会や青少年地区委員会、また、地区の民生委員協議会等の事務局、また、地区懇談会の企画、運営、さらに防災訓練や健康づくり活動、そういったコーディネーターとしての機能を中心にやっております。  このたびの見直しの検討の中では、これらの活動に加えまして、従来のミニコミ誌の発行にとどまらない広報広聴機能の拡充、それから、防災や地区まちづくりについての計画機能、または保健福祉への的確な取り次ぎを含んだ相談機能、そういった強化も考えております。さらに、今後は各出張所地区ごとに設置を予定しております地区ぐるみのリサイクル活動組織の事務局、また、地区からの発想によります地域計画づくり、こういった役割も想定してございます。  今回の検討委員会の報告は、これらの業務を出張所のメーンの業務に位置づけて体制を強化しようというものでございまして、それとあわせて、拠点のところでは夜間または休日等のサービスの向上もやっていきたい、そんな考え方でまとめられたものでございます。  ただ、今回の議会の中で、出張所の窓口のあり方につきましては、各会派からいろいろなご議論をいただいております。とりわけこのサービスセンターとサービスコーナーのありよう、また、それぞれの取扱事務につきましてご意見をいただいておりますので、先ほど助役もご答弁を申し上げましたように、これまで寄せられておりますさまざまな意見を踏まえまして、さらに検討を重ねて、六月を目途に改革案をまとめていきたい、そういうふうに考えております。 ◆笹尾淑 委員 ましてや、これから介護保険の問題だとか清掃事業の移管で、出張所などにどうなんでしょうとか、いろいろ相談が来るのではないかと想定されます。やっぱり身近なところにあるということが非常に役に立つというふうに思いますし、それをあえて分けるというのは、これはどなたかもおっしゃったけれども、やっぱり役所の都合なんじゃないでしょうかね。  住民の目線から見たら、それは長い歴史がありますよ。長い歴史があって、あるときは一つの出張所を廃止して、幾つかを一つにしたりとかありましたけれども、今二十七の出張所があるわけですね。それで、平成三年でしたか、総合支所ができたときに、烏山の地域なんかも二つの出張所をふやしたわけですね。それから桜丘の窓口コーナーをふやしたり、やっぱり便利なようにということで気を配ってやってきた、そこを私は非常に大事にしていくべきだと思うんですね。  夜間だとかなんかは、また、お勤めの方とか若い方とか、そういう人に役立つわけですから、それは大いにサービスは拡充していただくとして、やっぱり昼間を見ますと、子どもさんを連れた主婦だとか高齢者の方が、さっき言ったようにいろんな相談にも行くわけだから、そこのところを本当に、区民の利便、区がずうっと言ってきたわけですよ、便利なように総合支所をつくってきたんだということをおっしゃっているわけだから、そこのところを縮小する形で、区の方の考えでやるということは、やっぱり私は、これは考え直していただかなければならないんじゃないかなと思っているんです。  今、いらっしゃいませって何か標語を掲げるそうですけれども、私はこういうものと整合しないんじゃないかなんて疑問を持ちながら今いるわけですよね。もう一つお答えがあったらどうぞ。 ◎水間 助役 長い間検討はしてきたわけですが、ただ、要は一つ、今までの出張所のあり方が、何となくといいましょうか、要するに窓口業務をやりながらまちづくりもやる。まちづくりの中に窓口業務をやりながらやっているという、なかなかそこのところがはっきりしないで、まちづくりの観点で、区民の皆様方とともに前に一歩出ていくことができなかった。したがいまして、そういった意味では、まちづくり出張所がいいかどうかは別としまして、できるだけ窓口業務とまちづくり機能を分けてあえて充実していこうと。  そういった中で、いろんな転入届でございますとか、そういったものの統計をとってみますと、かなりいろんな意味での差もあるというようなことで、今回のような、そういう検討の結果が出たわけでございますけれども、これは何回も申し上げておりますように、庁内の検討委員会でございますから、もちろん今度たくさんのご議論をいただきました。そういった意味では、私どもも真摯に受けとめますと同時に、また、区民の皆様方の視点でのご意見もございます。制度改革に伴います業務もふえてまいります。したがいまして、私どもはそこら辺のところを十分に検討しながら、先ほども申し上げましたように、六月までにはできるだけご意見等を参考にしながら、十分検討して結論を出してまいりたい、このように思っておりますので、ご理解を願いたい、このように思います。 ◆笹尾淑 委員 今のお答えでいいと思うんだけれども、やっぱり区民の皆さんに本当に聞いてみてくださいよ、広報にでも載せて、どうでしょうと。ぜひ聞いてもらいたと思いますね。  次の質問に移りたいと思います。  実は老人福祉手当の件でございます。昨日の都議会の厚生委員会ですか、そこで結局、三年後の廃止ということが決まったわけだけれども、これはやっぱり、今受けております区民にも変わるなんていうことは見えませんし、それから、専決処分で決めていこうということで、もう何か進んでおりますよね。私は、これは二十三区の中でも、切らないどころか継続するというようなことも都政新報などで伝えられておりますけれども、練馬区ですか、どこでしたっけ、独自に特別な手当をつくろうなんていうところもあるわけですよね。  どうでしょうね。これは一つは、もう本当に区民レベルで言えば突然のことで、縮小していくわけだし、議会の私どもからしますと、議会も開かないで決めるのかというふうに私は思いますよ、専決処分という。譲って決めていくということであれば、せめて臨時区議会を開いてもらいたいと思いますが、招集権者である区長さん、いかがですか。 ◎安田 在宅サービス部長 この老人福祉手当の条例改正手続としましては、これまで総括質疑におきましても助役がお答えいたしましたとおり、本手当に対する基本的な考え方を述べさせていただいたわけですけれども、私ども世田谷区といたしましては、これは東京都の審議の状況がはっきりしないという状況の中で、当区としては東京都の議決を待って、この老人福祉手当については条例改正に臨みたいということで、従来来ていたわけでございます。  東京都は、昨日、厚生委員会で採決されましたけれども、三月三十日が議決という、まだ最終手続が残っておりますので、それを待って、当区としては確定した時点で条例改正に臨みたい。そういたしますと、条例改正の手続は実際上は間に合わないということがございまして、専決手続でやらせていただきたいということで、そういう方針で常任委員会についてもご説明申し上げ、また、ご指摘のように、非常に重要な事項でございますので、三月二十八日に常任委員会を開かせていただいて、その間の経過、内容等をしっかりと説明させていただいて、最終的に専決処分でやらせていただきたい。 ◆笹尾淑 委員 専決処分でやったということになりますと、本当に区民にも見えないですよね。私たちはちょっと譲っても臨時議会だというところを申し上げておきたいと思います。  区長さんがいらっしゃるので、学校給食の民間委託化について、時間も短いですが、伺いたいと思うんです。  民間委託をしないで、自校調理で拡充をしてほしいという請願が去年六月に出ましたけれども、ずうっと区民の間に署名も広がりまして、今ついに、おととい現在でその署名が九万人に達しました。考えてみますと、区長さん、ちょうど昨年四月、区長さんの選挙でしたよね。私ちょっと見ていましたら、区長さんのお取りになった得票が九万四百幾つですかね、ほぼそれに匹敵するんですよね。  本会議場で、今回、私どもの代表質問に答えて区長は、重く受けとめておりますと、こういうふうにおっしゃっているんですよ。だけれども、安全に注意して進めますとかおっしゃっているんだけれども、どうですか、この感想。区長さん、あなたの得票と同じなんですよね。どうですか、ここでひとつ重くという中身を言ってくださいよ。 ◎大場 区長 九万票を超える署名が集まったと、私といたしましても、先般もお話し申し上げましたように重く受けとめております。署名をされた方の中には、中学校の自校調理方式への転換を望んでいる方や、学校給食全体を委託すると思われる方もいらっしゃるようであります。区民の方々にはいろいろなお考えをお持ちだと思いますが、目指す思いは、子どもたちに喜ばれる安全で豊かな給食の実施であろうと思いますので、私としても、そのような方向で努力してまいりたい、このように思っております。 ◆笹尾淑 委員 考えを見直すように申し上げて、終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後五時十六分休憩    ──────────────────
        午後五時三十分開議 ○荒木義一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆森川礼子 委員 まず、消費者行政についてお伺いをいたします。  四月からの組織改正で、消費生活課が産業振興部から生活文化部に移管をされます。とかく対立する関係と思われがちな消費者と事業者でございますが、これまでの産業振興部の中では、日常的に連携したり影響し合うことを私は大変期待をして、地域ごとに消費生活懇談会を開くなど、一定の成果は上げてきたと思っております。  生活文化部への移行は、消費者イコール区民というくくりでは理解はできますけれども、改めて何が変わるのか、何が期待できるのかをお伺いいたします。 ◎平谷 産業振興部長 昭和四十五年四月に係として発足したわけでありますが、消費者センターの開設などを経まして、昭和五十四年に消費生活課として体制の強化を図らせていただいてまいりました。そういう意味では、この間、産業振興の分野の中で取り組みを進めてまいったわけでありますが、お話にもありましたように、消費者の意向の事業活動への反映などの面では大きな効果があったと思いますが、反面、課題もあったかもしれません。  今回の組織改正によりまして、消費者活動以外の多くの活動団体とのつながりを通じまして、消費者被害の未然防止など、私どもとしては教育・啓発面でより幅広い効果を期待し、改正をしたということでございます。 ◆森川礼子 委員 今後とも、産業振興部の方ではなくなったといたしましても、残る産業振興部の方で消費者の動向をしっかりと意識していただいて、十分な連携をとって進めていっていただきたいと思います。  消費者を取り巻く環境につきましては、規制緩和の進展、少子・高齢化、環境問題の深刻化など、複雑化ということが進んでおります。遺伝子組みかえ食品、環境ホルモン、インターネット取引など、新たな消費者被害の予防策としては、あらかじめ起き得る被害を予測し、先取りした取り組みが必要ではないかと思います。  問題が複雑多様化し、グローバル化していく状況では、一つの自治体だけですべて解決するのも難しいかと思いますが、各地の消費者センターが縮小の傾向にあるという点も大変気がかりなところでございます。今後、都や国民生活センターなどと広域的レベルで調査研究を行うなどして、消費者の意思を反映させていく施策が必要ではないかと感じております。ぜひとも地方自治体から、この世田谷から都や国に迅速、的確な情報提供を求め、連携した対応ができるよう、積極的に声を上げていっていただきたいと思います。  そして、消費者保護の拡大をねらって消費者契約法が閣議決定をされました。これは欠陥商品による被害を救済する製造物責任法、通称PL法ですけれども、この制定に次いで、商品やサービスを買うときに、中身についての情報量、交渉力ともに劣っている消費者がだまされたりトラブルに巻き込まれないようにするために制定されるもので、来年四月以降に結んだ契約から適用される予定になっております。違反に対する罰則規定がないなど十分ではございませんけれども、少なくとも行政にとっては施策を進めやすくなり、消費者保護に役立つのではないかと期待をしております。  これからは介護も保育も契約ということになってまいります。今、介護保険ではケアマネジャーが契約書づくりに追われておりますけれども、区民の認識は、もう一つ契約の概念というものが育っていないというのが現状でございます。あらゆるものが契約となり、自己責任が求められていることの意識啓発が必要ではないかと思います。  そこで、消費者契約法でどのような解決が可能なのか、また、契約や被害の未然防止のためにどのような啓発をしていくのか、お伺いいたします。 ◎平谷 産業振興部長 お話にもありましたように、法案そのものが三月七日の閣議決定ということで、これらが国会で可決成立いたしますと、ご指摘のように、PL法とあわせた二つの法体系が整ってくる、こういうことだろうと思います。  具体的に若干補足をいたしますと、契約を結ぶ際の判断に影響を及ぼすような重要事項、これに関しまして事業者がうその説明をしたり、あるいは消費者の不利益となるような事実を故意に告げない場合などは、契約を取り消せるというのはご案内のことかと思います。  さらには、事業者側に過失が仮にあった場合に、その責任を負わないといったふうなことで、消費者側に一方的に責任を負わせる不当な契約条項などが無効となる、こんなふうなことが盛り込まれております。そういう意味では、この法案の中身を消費者の方が、まずよく知っていただくということも大切なことかと思います。  お話にもありましたように、介護保険を初めといたしまして、今後ますます契約が重視される社会といいますか、そういったことに移行する中では、自己責任が求められてまいります。その点、区民の皆さん方では、そういった時代に合った形の、いわゆる学習といいますか、啓発といいますか、そういったものに向けまして、私どもといたしましては、消費者カレッジ、消費生活センターだより等、あるいは「くらしのかわらばん」等いろんなことで、若者ですとか高齢者等にわかりやすい形のPRに、より一層努力をしていきたいということで考えております。 ◆森川礼子 委員 法の施行は来年四月からということでありましても、契約ということ自体は、もう既にいつでも発生していることでございますので、ぜひ高齢者や若者など、この契約の概念を持ちにくい方々にPRをしていっていただきたいと思います。  次に、リサイクル関連についてお伺いいたします。  清掃事業の区移管で、千歳台一丁目の砧リサイクルセンターも区の施設ということになりました。粗大ごみの中からまだ使えるものを修理して展示し、欲しい人は申し込んで、多ければ抽せんで譲り受けるという施設でございます。私も何度か立ち寄ってみましたけれども、我が家の家具よりよっぽど立派なものが並んでおりまして、申し込もうかなと思いました。ところが、抽せんが一カ月先でございまして、残念ながらやめました。見に来ていた人に聞いてみても、そんなに先では待てないという声もありまして、運営のあり方を考える必要がありそうだと思いました。  区に移管されたリサイクルセンターの運営はどうなるのか、せめて抽せんは月二回以上にするとか、修理にはシルバー人材センターの人がかかわるとか、移管を契機に、区民に身近な運営に転換することを求めるものですが、お考えを伺います。 ◎池田 清掃事業移管準備室長 お話の砧リサイクルセンターについては、今回の移管に伴って区に無償譲渡される、それはお話のとおりであります。  それで、平成十年度の実際の利用のされ方についてですが、年間で約一万五千人ほど来場者があった、それから年間で三万件の申し込みがあったというようなことがあります。それで、最近の例ですと、いわゆる自転車ですね、粗大ごみとして出された自転車について、最高倍率三十七倍というような話も聞き及んでいるところであります。  お話にもありましたけれども、スペース的には三百平方メートルに満たない規模の施設であって、また、開館時間も、たしか午前九時半から午後三時ごろというふうになっておりますし、開館日数についても月二十五日、あとは整理期間だというような、東京都清掃局による運営ではそういう形になっております。  そうしたことについて見直しが必要だなという認識はしているんですが、移管時、具体的には四月一日ですけれども、これについては、とりあえず現行の運営方法を引き継ぐということで、そういうことにさせていただいて、移管後は、ご提案の月二回抽せんする方法を含めまして、今申し上げた課題等について速やかに解決をし、区民の方がより利用しやすく、また、希望者に希望の品が提供できる機会をふやせるよう検討を進めてまいります。 ◆森川礼子 委員 世田谷区は区独自のリサイクルセンターをなかなか持てないでおります。これが移管で来たということでは、ぜひこれが区民のニーズに合った運営になりますように、早急にやって進めていっていただきたいと思います。  もう一点、区民が参加をしている部分がございます三茶のリサイクルコーナー、ここも開設以来二年たって、リサイクルのPR、情報コーナーとして、ようやく定着をしてまいりました。経費削減で、今回、サービス公社に委託をしている受付の委託費は縮小されるようです。それでも区民のリサイクル団体や消費者団体が企画をしている講座等、ここには今は予算はついておりませんけれども、こうしたところに予算計上をするべきではないかと考えます。  リサイクルの意識啓発を区民の立場から行っている、このリサイクルコーナー運営への支援についてお伺いいたします。 ◎池田 清掃事業移管準備室長 お話の三軒茶屋リサイクル情報コーナーについてですが、ご案内のように、区のリサイクル事業の紹介、あるいは再生品の展示、さらには図書、ビデオテープの貸し出し等、情報提供の拠点としての機能のほかに、今お話しの約十二平米という広さではありますけれども、リサイクルに関連する団体、あるいは環境に関する団体が活動成果を発表するスペースを設け、その場を利用して、さまざまな団体の方が集まって交流事業、あるいは発表等を通じて学習活動等を行われているところであります。さらには、おもちゃの修理、あるいは古着の交換会等も行われているということも承知しているところであります。  今後なんですけれども、清掃・リサイクルの情報提供、あるいは情報発信の拠点として、これまで同様、区民の方の自主的な活動の拠点として充実できるよう、区としての情報提供、区民の方々への情報提供あるいはPRなど側面から支援をしてまいりたい、このように考えております。 ◆森川礼子 委員 とにかく今回は清掃事業のスムーズな移管というところが最大の主眼であったということは理解をいたしますけれども、これからのごみ減量、リサイクル推進については、啓発活動が最も重要だと思っています。ここに区民が参加をしなければ進まないものだと思います。  今回、区がとってきたやり方というのは、どちらかというと、行政が一たん全部受けて、行政がやって、その後、必要があれば区民の皆様にも、もう一度参加をしていただきましょうというような形になっているように私は思うんですけれども、ぜひ汗を流してみずから活動している人々の力を、区民向け啓発の担い手として生かしていっていただくよう要望しておきます。  次に、温水プールについてお伺いいたします。  区では、太子堂、玉川中学、総合運動場などの温水プールを整備してきて、今年度は千歳の温水プールもオープンしました。年じゅう使えるということは生涯スポーツの観点から大変重要なことですが、既存の温水プールの利用状況についてお伺いをいたします。 ◎武藤 教育次長 温水プールの利用状況ということでございますけれども、水泳に関して区民の意識の高さというのは非常に大きく、十年度の区民意識調査でも約三三%ぐらいの方々が今後やってみたいというようなことがございます。  現在、世田谷区では温水プールは四カ所、千歳温水プール、総合運動場、太子堂と玉川中にございまして、利用状況でございますけれども、四カ所で約六十一万人の方に利用をいただいております。これは平成十一年の四月からことしの二月までなんですけれども。  それで、各施設ごとにお話し申しますと、総合運動場が約三十二万人、千歳温水プールは六月オープンしたんですけれども、約二十一万人、太子堂と玉川中学を合わせて七万人というような形の利用状況でございます。 ◆森川礼子 委員 大変期待をされて健康づくりに役立っていると思います。以前、玉川中学の利用状況を調べてみて、その当時は、せっかくできたプールなのにちょっと使い方がというふうに思って残念だったんですけれども、今は平日の午前中も団体利用を可能にするなど、さまざまな工夫で利用がふえてきているようです。ぜひこういうところを使って、健康づくりに貢献をしていっていただきたいと思います。  このたび梅丘中学と烏山中学に温水プールを建設ということになりまして、いよいよ空白地域がなくなるという期待が大きくなりました。大きな施設でございますから、これからつくられる基本構想、基本計画には、私どもは大変関心を持っております。  特に環境配慮の面で、エネルギー源に何をお使いになるかということに関心があるんですけれども、私どもといたしましては、コージェネレーションシステムを取り入れることを求めておきたいと思っております。コージェネシステム、電熱併給システムと言いますけれども、これは石油やガスなどの一次エネルギー源から電気を起こすときに出る排熱を回収して、お湯にして有効利用するというシステムです。少なくとも排熱回収分はガスや石油を燃やす必要がなくなり、地球温暖化ガスのCO2排出量を減らすことができるわけです。  通産省では、エネルギー政策の見直しの一環として、家庭などの省エネ支援を検討しており、その中に、エネルギーの有効利用効率が高いコージェネレーションの導入に補助金と規制緩和もということが昨日の新聞報道に出てありました。区では総合運動場の温水プールと北沢特養で採用をしておりますけれども、梅丘、烏山両中学校のプールにもぜひ取り入れるべきと思いますが、見解をお伺いします。 ◎武藤 教育次長 エネルギーはコージェネシステムというような形で、温水プールにそのようなシステムをということでございますが、確かにエネルギー問題だとか環境問題は大変社会の関心の高いことというように受けとめておりますし、また、世田谷区でも環境問題については積極的に取り組んでいるということでございますので、温水プールの熱源システムについてどういうシステムにするかというのは大変重要だろうと考えております。  一般的に従来の発電方式では、電気エネルギーとして三五%ぐらいしかエネルギーが利用できないような状況の中で、コージェネシステムの場合は電気だけではなくて、活用されない排熱されるものを含めますと、有効活用ということで七〇から八〇%ぐらいのエネルギーが利用できる、非常に省エネになるというようなことが言われております。  現在、学校施設の現況の中で、玉川中学校の温水プールにおいては、都市ガスを利用しましたガスのコージェネシステムを利用いたしまして、都市ガスを利用して一部照明だとか、あるいはその際に発生する排熱を利用いたしましてプールの温水の加熱とか、あるいは会議室等の照明や何か、そのように使っているというような状況がございます。  それで、お話の烏山あるいは梅丘中学校の今後のいわゆる温水のシステムでございますけれども、これにつきましては、平成十二年度の基本設計の段階でこれから検討するわけでございますけれども、玉川中学校でも非常に効果を上げているというようなこともございますので、これから環境面等も十分念頭に入れていかなきゃいけないということもございますので、それらに合ったシステムを考えていきたいと考えております。 ◆森川礼子 委員 今申し上げました地球温暖化対策を初め、環境行政の重要性はだれもが認めているところでございます。次の質問では、そこのところをちょっとお聞きしたいと思います。  尼崎の公害訴訟判決が今議会でも話題になりましたけれども、区内の大気汚染状況も無視できないということは、子どものぜんそく増加など、保健所の公害調査の結果からも読み取れます。これに対し、大気汚染を緩和するのに緑が有効であるということは、私ども区民が参加して行ったNO2調査の中からも確認をいたしております。  昨年行いました松葉を採取してのダイオキシン調査でも、国分寺崖線沿いの調査地点ではほかに比べて低目の数値を示しました。環境部としては、このような環境の現状についてどう受けとめられていらっしゃいますでしょうか。 ◎伊藤 環境部長 今お話しのNO2調査、松葉の調査でそういう結果が出たということは、緑が非常に有効に働いている、大気汚染の防止等に、空気の浄化に役立つということで、緑の大切さを改めて再認識したようなところでございます。 ◆森川礼子 委員 そこで、国分寺崖線に沿って計画されている外環のことでございますが、先ほどは大深度地下の提案もございました。でも、世田谷の場合、東名との接続という難問を抱えており、当区は、それだけでは解決できない、最も深刻な環境影響を受けるものと考えていかなくてはなりません。  現在、外環連絡会が持たれておりますけれども、各区からのメンバーはすべて建設、都市整備のセクションの方々です。環境の立場からも、なるべく早期から参加できるようにしていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎伊藤 環境部長 今お話しのとおり、外環連絡会では建設系の方々で実務的な検討を始めたというふうに伺っております。東京都の方でも環境系の職員も参加すべきじゃないかという議論があるようでございます。そういうお話があれば、私たちは積極的に参加して、環境部の立場からお話をしていきたい、このように考えております。 ◆森川礼子 委員 私は、東京都で進めているディーゼル車の規制やロードプライシングなどで、まず現状の車公害をできるだけ速やかに減少させることが先決だと思います。区としても、ぜひその点での指導、PRに努めていただきたいと思います。  環境行政は計画、管理を本庁に残し、計画の進行については所管が責任を持って進めていくことになります。この部分について、本当に各所管が責任を持ってというところを、ぜひ自覚をもう一度していただきまして、環境行政が後退しないように努めていっていただきたいと思います。  次に、出張所の見直しについても触れておきたいと思います。  さまざまなご意見が出ておりますけれども、生活者ネットワークでは、以前から出張所の職員の方々には、座して待つのではなく、できるだけ町に出ていって区民の要望を聞き、一緒になってまちづくりを支援していくべきだと申し上げてまいりました。区民に一番身近な役所である出張所では、平成七年から地区カルテづくりに取り組み、区民みずからが点検したまちづくりの基礎データを整備しました。  先日お会いしたある地域の町会長さんは、苦労してこんなに分厚い地区カルテをつくったけれども、どう生かされているのかねとおっしゃっておりました。地区によって内容に濃淡はあると思いますが、私は、このたびの出張所の見直しに、区民みずからが作成した貴重なデータである地区カルテを活用してみてはどうかと思うのです。まずは適当な出張所を選び、区民とともにまちづくりを推進するモデルの出張所とし、その成果を他の出張所の見直しに生かしていってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎谷田部 砧総合支所長 今、町でいろいろな活動が行われておりますけれども、例えばリサイクル活動が盛んな地区、支え合い活動に積極的な地区、防災まちづくり計画を自分たちで考えた地区などなど、特色のある諸活動が、身近なところで本当に活発に展開されております。また、お話にありましたけれども、区民の皆さんが協力してといいますか、汗を流して自主的に作成されました地区カルテにつきましても、これからの地区単位の計画づくりに生かしていく上で不可欠の情報だというふうに考えております。  こうした活動ですとか情報源、こういったものを生かしながら地区のまちづくり機能を強化するためにも、先ほど申し上げましたような先進的な活動が行われている出張所をモデルとしまして、ほかへの先行事例としていきたいといったことは、本当に意味のあることだというふうに考えております。 ◆森川礼子 委員 これまではどちらかというと、地区カルテはハードの部分で積み重ねをしてきたと思いますけれども、その積み重ねを無にすることなく、さらにはソフトの部分、例えば子育てマップですとか、児童館の活動、支え合いの活動など、新たな視点での地区カルテの充実も図りながら、まちづくりに生かしていっていただきたいと思います。  また、これからの出張所では、定型的な窓口業務だけではなく、型にはまらない多様なまちづくり活動の支援を行わなくてはならないと思います。よくまちづくりは人づくりと言いますけれども、新たな出張所が成功するかどうかは、これまでとは異なった柔軟な発想を持った職員が確保できるかどうかということにかかってくると思います。限られた時間と資源の中でどのように人材を確保し、また育成していくのか、お考えをお聞かせください。 ◎谷田部 砧総合支所長 世田谷区は、昭和五十年代の初めからなんですけれども、全国に先駆けましていち早く、ハード、ソフトを問わず、区政のあらゆる面で区民の皆さんとの協働を基調にしたまちづくりを展開してまいりました。その中で、多くの職員が実際にまちづくりの現場を経験してまいりました。そういった意味で、ほかの自治体に比較しますと、はるかに豊富な人材がいるのではないかなというふうに考えております。  まちづくりは人なりというふうに言われておりますけれども、まちづくりを担う人間というのは、何よりもその現場で育成されるということが原点だと思います。したがいまして、定型業務からなるべく早い時期といいますか、なるべくたくさんの時期にまちづくり業務を経験してもらって、力をつけてもらいたいなというふうに考えております。  今後も現状に満足することなく、区民の皆さんと実際の活動の中で、ともに学んでともに育っていけるような環境というものを我々はつくっていかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。 ◆森川礼子 委員 職員の意識改革がなければ、どんなに組織をいじっても、結局、何も変わらないという結果になることは想像にかたくありません。ぜひ上に立つ皆さんが強力なリーダーシップを発揮していただいて、職員の意識を変え、すばらしい出張所を、まちづくりを支援できる出張所をつくり上げていっていただきたいとお願いいたします。  次に、多様な雇用形態に対応する行政運営ということでお聞きしたいと思います。  これまで我が国の雇用慣行は、官民を問わず、終身雇用、年功賃金制度で長いこと過ぎてまいりました。しかし、このところ、そうしたことにこだわらない働き方を選ぶ人がかなりふえてきているようです。若い人たちはなかなか定職につきたがらない。そして、大企業に入ってもあっさりと転職をしていく例が少なくないと言われております。転職することで自分の能力を高めることを望み、企業も必要なときに必要な能力を持つ人材を派遣会社から雇い入れるという形態がふえてきております。  自治体公務員は、これまで安定した職場であると、とりわけ不況時には人気が高いものですけれども、行政は最大のサービス産業ということを考えますと、世の中の動向に無縁であるわけではなく、企業を見習い、柔軟な雇用形態を採用する必要があります。  私は以前、短時間自治体公務員という考え方を提案いたしましたが、パートナーシップ、分権の二十一世紀の自治体公務員像を助役はどのように想定なさっていらっしゃいますでしょうか。前に川瀬さんとこの話をしたことがありますけれども、ぜひお聞かせください。 ◎八頭司 助役 やや総論になりますが、来るべき二十一世紀は、分権の時代をまさに迎えるわけでございます。区はこれまで以上に、地域の実情に即した、きめ細かな行政サービスを展開することが求められてくるだろうと考えます。  また、少子・高齢化を初めとする社会の大きな構造変化の中で、地域の抱える課題も、さらに複雑・高度化する。区民の皆様と力を合わせて、新たな発想で問題の解決に当たっていかなければならないだろうと思っております。  こうした時代の職員は、経営感覚とか生活者の視点を持って、区民とともに課題解決に積極的に挑戦する人材。大変難しいですけれども、言いかえれば、豊かな人間性とプロ意識を備えた人材とでも申しましょうか、こういう人材が必要なんじゃないかと考えております。  これからの公務員というのは、より一層複雑多様化する区民生活をみずからの生活実感として受けとめて、その中から、区民ニーズに即した政策の立案でありますとか、区民本位の窓口対応など、区民との新たなパートナーシップを築く率先的な役割を担っております。区長は常々、座っている役人から行動する職員になれと言っております。今後は、まさにそうした方向に職員も変わっていかなきゃいけないんじゃないか、このように考えております。 ◆森川礼子 委員 私は、それは決して常勤の区の職員だけに限らないことだと思うんですね。今、業務の見直しによる定数削減やサービス時間の延長化など、これまでのお役所感覚では対応し切れない状況が生まれておりまして、再雇用を含む非常勤、アルバイト、委託など、さまざまな雇用形態が混在する職場がふえることは避けられません。  地域の人材の活用、組織の活性化という点から、非常勤の採用を私どもは評価をいたしますけれども、新BOP、保育園、図書館、これから始まる給食の民間委託など多様な雇用形態が混在する職場では、意思の疎通、サービスの均質化など、解決すべき課題もふえてまいります。気持ちよく働き、区民には満足のいく高いサービスを提供するためには、上に立つ人のマネジメント能力が求められているのではないかと思います。  前回は非常勤の身分保障ということを要望いたしまして、ある程度この部分が入ってきておりますけれども、今必要なのは、単純補助的業務以外の非常勤にも研修とかミーティングへの参加を保障する仕組み、このことが必要ではないかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。 ◎宮崎 総務部長 お話がありましたように、今、非常勤の方々にも多くの職場で活躍をいただいておりまして、当然、そういう方々も常勤の職員と同じように自覚ですね。もちろん知識も必要ですし、働くにおいては、同じ公務員としての自覚を持っていただかなければならないと思っております。ですから、既に必要な窓口職場等においては、一般職員と同じような研修にも参加をさせておりますし、また、これからいろんなところで活躍していただくということからいけば、同じようなことをほかの職場にも拡大していくということが必要であろうと思いますので、その点については研究をしてまいりたいと思います。 ◆森川礼子 委員 非常勤とかパート、アルバイトというのは時間で幾らということになっておりますけれども、やはりサービスの均質化とか意思の疎通を図るという点では、ミーティングとか研修というものを常勤とともに行う、そして、それに対する取り扱いをマネジメントする立場の人たちがしっかりとわきまえてやっていかなければ、民間の力や、それから地域に埋もれている、そういう人材を活用していくことにはならないのではないかと思います。複雑多様化していく雇用形態を生かして、区の業務が大いに進んでいくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ○荒木義一 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして、社会民主党、どうぞ。 ◆羽田圭二 委員 いよいよ委員会最後の質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、大店立地法と区民生活の問題点を幾つかお尋ねしたいと思います。  大店立地法が六月から施行されますが、さまざまな質問も出ておりますが、出店調整の枠組み、これが地元商業団体から地域住民へと転換されるということが言われております。地域住民の生活環境保全に配慮した施設及び運営を求めている、こういう点では非常に評価をできると思います。しかし、これまでの大店法の規制では五百平米以上の店舗面積を対象としていましたが、新しい法律では千平米以上を対象にするというもので、多くの店舗が除外される危険があると思います。  これはきのうの新聞でも報道されておりましたが、千平米以下の店舗が大店立地法施行以降、深夜営業を再開する、そういう可能性があるということも言われておりました。多くの自治体で独自の規制を考えようということで、杉並区や渋谷区、この間、そうした例も報道されておりますが、通産省の方は、地域の独自の規制は認められないということをこの間言っております。  そこで、自治体にはさまざまな制限が加えられているわけですが、この大店立地法に対して区はどのように対応していくのか、この点を最初にお聞きいたします。 ◎平谷 産業振興部長 新法の特徴は、委員のおっしゃっておられるとおりでございます。  区といたしましては、大店立地法並びにこれに伴います指針のもとで、既に制定しております区独自の環境基本条例に基づきます環境配慮制度などを活用いたしまして、関係部門によります総合的な対応をしていきたい、こういうふうに考えております。  基本的な方向といたしましては、延べ床面積が五千平米以上となります大型店の場合は、大店立地法に基づきます都への届け出とあわせまして、環境配慮制度に基づく世田谷区への環境計画書の提出を要請し、これに基づく対応を図ってまいります。  その他の大型店に関しましては、環境審議会等の意見を踏まえまして、都に対して地元自治体としての意見等を積極的に提起していくことはもちろんでありますが、お話にありました千平米以下の小規模な小売店舗につきましても、周辺環境等に関する具体的な紛争等の状況に応じまして、東京都公害防止条例等を活用し、関係部門が連携して解決に努めていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 非常に心配な点が多くあると思います。新しい法律が環境に配慮した規制を加えていることから、今お話がありましたように、区の環境配慮制度、これが生きてくるという見方もあるわけですが、しかし、今も説明の中にありましたけれども、実際の環境配慮制度は延べ床面積五千平米以上ということが対象になるということや、それから、駐車場の台数が五十台以上ということで、そういう意味では、それ以下の建物の建設については非常に規制がしにくいということになってくると思います。  そこで、独自規制との関連なんですが、先ほど以来、法定外目的税の適用ということがさまざまな点で言われておりますが、この点が考えられないかということでお尋ねしていきたいと思います。  本委員会の総括質疑の際、我が党の桜井委員より、財政自主権の確立と区独自の財源確保の立場から、その一例として法定外普通税と法定外目的税、この点についての研究を開始するよう求めました。きょうは、私の方からは、大型店舗の進出に環境的視点から規制を加えるという意味で、具体的な話をさせていただきたいと思います。  新しい法律は、駐車場、駐輪場の収容台数確保や騒音の発生防止に厳しい対策を求めています。これは指針等でも既に明らかにされているわけですが、しかし、これまでも大型店が出店したがために、近隣の住宅街に違法駐車がふえたり、交通渋滞や深夜営業等による騒音に悩まされる、こういうケースが大変多くなってきたと思います。  そこで、大型店が出店したがために発生した交通量の増加、そして、環境破壊に対して課税することはできないか。例えば駐車場の収容台数に応じた税金を事業者から徴収するということができないか、この点についてお尋ねをいたします。 ◎相田 税務経理部長 法定外目的税でございますが、その税収の使い道も、条例で定める特定の費用に充てられるということでございます。この税を新設する場合につきましては、自治大臣の同意が必要になる。その同意が得られないような事例が三点ほどございまして、他の国税、地方税と課税標準が同じで、かつ住民負担が著しく重くなる。二点目が、地方公共団体間の物の流通に重大な障害を与えること、これは内国関税的な部分が出ちゃうからという、解説書にはそう書いてあります。あと、国の経済政策に照らしまして適当でない、この三点が挙げられております。
     大規模小売店舗について、売場面積に応じて課税するような形になりますと、特に法人とか事業所については既に課税されている部分がありますので、そこと二重課税になるおそれがあるんじゃないかなと。その辺につきましても今後検討していかなきゃいけないなと思います。  また、あと負担が公平かとか、税源として十分な財源として確保できるか、あと、事業所に十分な理解と納得が得られるか、税の原則に照らしまして適切な税かどうかを検討する必要があると思います。  この課題につきましては、今後、十分な調査検討をした上で、この税を活用できるかどうか見きわめる必要があろうかと思います。 ◆羽田圭二 委員 今説明もありましたけれども、基本的な考え方は、区民に過度な負担を避ける、さらに地域経済に悪影響を与えないということが原則なわけですから、区民にはね返る危険がある場合には慎重に取り扱う必要があるというふうに私自身も思います。  また、環境税的な性格であれば、区や区民に対する負荷が取り除かれた場合、この場合には課税対象から外すというような観点も必要だと思います。今、答弁もありましたけれども、今後、ぜひ研究していただくようお願いをしたいと思います。  この項の最後に、商店街の空き店舗の利用について、この点も数多く、具体例が今委員会でも出ておりますが、私の方からは、一時保育やミニデイ、こういうものに活用することはできないかということで、最初にお尋ねします。 ◎平谷 産業振興部長 空き店舗の仕組みに関しましては、今議会の区民生活の際に申し上げましたので、仕組み等は申し上げませんが、区としても空き店舗の情報システムというものを現在動かしております。  一時保育、ミニデイ等のご提案をいただいておりますが、先日も介護保険事業者への説明会、こういうところへ私どもで参りまして、区の空き店舗情報システム、現在、大家さんが貸す意思のある空き店舗の状況などご紹介を申し上げてきております。  また、今後引き続き他部門とも十分連絡をとりながら、この点に関しての解決に向けての努力を重ねていきたいと思っております。 ◆羽田圭二 委員 地域にとって商店街というのが、特にお年寄りの身近な買い物場所として大変必要になっているというのは、区民の皆さんからたびたびそういう意見を私自身も聞いております。そうした観点からの対策を、今後、ぜひ求めていきたいと思います。  次に、子育て・子育ち支援について質問させていただきます。  本委員会においても、児童虐待の増加、さらには育児相談のあり方、こういう点にさまざまな改善策が提案をされております。そこで、私の方からは、ひとり親家庭支援、この一点に絞って質問をさせていただきたいと思います。  東京都は昨年、ひとり親家庭支援事業という案をまとめて、これから世田谷区でもその具体化が求められているわけですが、区が現在行っているひとり親家庭支援事業の現状と今後について、この点について最初にお聞きしたいと思います。 ◎安田 在宅サービス部長 ひとり親家庭の皆さんは、さまざまな事情によってその状態となられ、精神的な痛手を受けながらも、経済的なことを初め、家事、育児の両立という現実に立ち向かわなきゃなりません。こういった多大な苦労をされているものと認識しております。  このような現実を踏まえまして、本区では家庭での悩みや困り事に即応できるような相談窓口といたしまして、保健福祉センターに母子相談員を配置するとともに、総合支所の相談コーナーにおいてさまざまな相談に応じてまいっております。  さらに、各所管におきましていろんな事業を行っているわけですけれども、例えば生活の安定を図るための各種資金貸付事業、これは生活資金の貸付であるとか、あるいは就学資金の貸付等、そういった制度がございます。  それから、幼少の子を家庭に残して仕事をされている方への家事援助者派遣事業、ヘルパー派遣の制度がございます。  また、日ごろの労苦をねぎらいまして、希薄になりがちな親子関係の交流の場を提供するために、休養ホーム事業と申しまして年二泊、これを無料で提供しているとか、あるいは住宅とともに子育てを支援する。これは時には駆け込み寺と申しますか、夫の暴力だとかそういった場合の駆け込み寺ともなるんですけれども、そういった母子生活支援施設の提供等を幅広く行っております。  近年、女性の社会進出に伴いまして、経済力を得てシングルマザーの道を選択する女性が多くなってきておりますけれども、あるいはまた、重要なポストを任されて長時間に及ぶ勤務を要求されている方も増加しております。こういった状況を踏まえまして、当区では、現在実施しております、先ほど申し上げましたひとり親家庭家事援助者派遣事業につきまして、来年度は予算額を増額いたしまして、これまで夜七時までとしておりました利用時間を夜十時まで延長するということで、サービスを拡充することにしております。  今後、ひとり親家庭の方々が抱える問題、そういったものを把握しながら適切に対応してまいりたい、そのように考えております。 ◆羽田圭二 委員 今お話もありましたけれども、現金給付による支援と、それから具体的なさまざまなサービスの充実、これが求められていると思うんですが特にひとり親家庭はさまざまなケースがあると思います。親一人子一人でお子さんを育てている家庭での苦労は、経済的問題に限らず、社会的な重圧にさらされている、こういう点についてもしっかり見ておく必要があると思います。  これまで区は気軽に相談できる場を設けてきましたが、きめ細かな対応ということを考えた場合に、例えば就学児童を例にとった場合に、子どもの悩みや変化というのは、意外と学校生活の中で気がつくことが多くあると思います。  そこで、特に就学児童生徒を持つ親と子のサポートシステム、こういうものを充実させるために小中学校との連携を強めるべきだ、そのように私自身は思うんですが、区としてのお考えをお聞きしたいと思います。 ◎櫻田 保健福祉部長 特にひとり親家庭支援ということになりますと、今お話にもございましたように、人に言えない、いわゆる私人間では言えないような問題とか、いろいろなご苦労を重ねられているのではないかというふうに推察をしております。  そこで、今一番必要なのは何かといいますと、いわゆる公の機関でそういった苦悩を聞いてあげながら、適切なサービスへ結びつけていくということが一番求められているのではないか。そういう背景で、この四月から保健福祉センターに子ども家庭総合相談窓口というのを設けまして、そこでいろいろな子育ての悩みから生活の悩み、あるいは友人関係の悩みなどを全面的に受け入れて適切に対応していく、その第一歩を踏み出すことにいたしました。  お話の学校現場との連携についても、まさに小学生等については、学校の先生等といろいろ相談する方がむしろいい面が出てくることも考えられますので、その辺、これから教育委員会等とも連携させて、またご協力をいただきながら、何とか取り組めるような、そういう体制に持っていきたい、そのように考えております。 ◆羽田圭二 委員 ここの委員会でも出されておりましたが、スクールカウンセラーの増員ということが言われていましたが、ぜひ学校との連携を強めるといった場合に、そうした点も踏まえて、今後、力を入れていただきたい、それを要望しておきたいと思います。  最後に、お年寄り支援についてです。  愛のペンダントということで、この点についてだけお尋ねをさせていただきますが、ひとり暮らしのお年寄りやお年寄りのみ世帯で非常に頼りになる、そういうふうに言われています愛のペンダント。ところが、現状のシステムでは、ひとり暮らしの場合、近所の人に協力員のお願いをしなければならない。今日のように共働き家庭が多く、そして高齢者世帯が増加してくる。そうなってきますと、協力員のなり手がなかなか見つからないという問題が実は出ているわけです。協力員の過度な負担を取り除くなど改善が求められていると思うわけですが、そこで二つほど質問をさせていただきます。  一つは、愛のペンダントの現状と今後の課題について。そしてもう一つは、この関連で民間システムの活用ということが多少言われているわけですが、その現状についてもあわせてお答えいただきたいと思います。 ◎安田 在宅サービス部長 愛のペンダント、これは緊急通報システムということで、区行政施策として行っておりますが、この現状ですけれども、高齢者が緊急時に、これは愛のペンダントという無線発報機を押すことによりまして、電話回線を通じて消防庁に緊急事態が通報されます。通報を受けた東京消防庁は、緊急通報協力員に出向を依頼し、協力員はかぎを持って高齢者宅に駆けつけ、状況に応じて救急車が出動する、そういうシステムでございますけれども、十一年度三月現在におきましてこの利用者は六百六十一名で、先ほどお話に出ました協力員、こちらの方が千百九十一名ということになっております。現実に通報によりまして救急車が出動した事例というのは三十五件という実績がございます。  このシステム自体は、ひとり暮らし高齢者にとっては安心して地域で生活が継続できるということで、お話のように効果があるわけでございますけれども、課題といたしまして、やはり協力員をどうやってやるかということが、一応これまでも課題になっていたわけでございます。  それで、協力員が見つからないという方につきましては、そういった方の相談を受けた場合には、民生委員さんにご相談をいたしたりしているわけですけれども、それでも、なおかつ協力員が確保できない、そういった場合には、区では民間システムに委託いたしまして、そういったシステムをご紹介するわけでございます。これはペンダントを押すことによりまして民間事業者、これはタクシー会社でございますけれども、それの基地局に信号が送られまして、その民間事業者が通報者へ確認の電話をして一一九番等につながる、そういうシステムでございます。  これは現在、三十二件程度登録されているわけですけれども、この緊急システムの対象外となる方につきましては、ご相談を受けた時点ではその他の民間のシステムをご紹介している、そういったのが現状でございます。  いずれにいたしましても、協力員ということは、区がこれから進めようとしております支え合い活動の問題等も含めまして、大事にしていきたいと考えております。 ◆羽田圭二 委員 今お話がありましたように、一たんこのサービスを受けようとしてもなかなか協力員が見つからないということで、それで断念する方というのが結構周りにもいらっしゃいまして、そういう意味で、この間、区が行ってきたせっかくいいサービスなので、ぜひ充実させていただきたいと思います。まだまだ幾つか改善しなければならない課題、そういうこともあろうと思いますけれども、ぜひきめ細かな対応を求めたいと思います。  この点は、特にこれから町会だとか自治会などの協力、そして日常的な地域の触れ合いということが非常に重要だというふうに思いますし、そういう意味では、住民同士が本当に連携し合って、このシステムをよりいいものにしていくということだと思います。  もちろんそれ以外にも、さまざまな触れ合いの場を各地域でつくろうという、そういう考えもあるわけですけれども、なかなかそれが、先ほども触れましたけれども、それぞれ忙しい、働いている、そういう中でなかなか実現できないという現状もあると思います。  しかし、一方で、元気なお年寄りが突然倒れてしまう、そういうケースも、私自身、目の当たりにしてきたわけですが、ぜひこの緊急通報システムの改善と、そして、これからも区民への周知をぜひお願いして、質問を終わらせていただきます。 ○荒木義一 委員長 以上で社会民主党の質疑は終わりました。  これで平成十二年度予算五件に係る質疑はすべて終了いたしました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続きまして議案第一号から議案第五号に至る五件に対する各会派の態度表明に入ります。  なお、態度表明は自席よりお願いいたします。  最初に、自由民主党、どうぞ。 ◆新田勝己 委員 自由民主党世田谷区議団は、平成十二年度一般会計外四会計の予算に関しまして賛成をいたします。  意見は本会議場で述べます。 ○荒木義一 委員長 次に、公明党、どうぞ。 ◆長谷川義樹 委員 公明党区議団は、平成十二年度世田谷区予算一般会計外四件に賛成いたします。  なお、意見は本会議場で述べさせていただきます。 ○荒木義一 委員長 次に、民主党・無所属クラブ、どうぞ。 ◆西村孝 委員 民主党・無所属クラブは、平成十二年度世田谷区予算一般会計外四件について賛成いたします。  なお、意見については本会議場で述べます。 ○荒木義一 委員長 次に、日本共産党、どうぞ。 ◆村田義則 委員 日本共産党世田谷区議団は、平成十二年度世田谷区一般会計、国民健康保険事業会計及び介護保険事業会計の各予算に反対いたします。また、老人保健医療会計、中学校給食費会計予算には賛成いたします。  意見、要望については本会議で申し述べます。 ○荒木義一 委員長 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆森川礼子 委員 生活者ネットワークは、平成十二年度一般会計予算外四件につきまして賛成をいたします。  意見につきましては本会議場で申し述べます。 ○荒木義一 委員長 次に、社会民主党、どうぞ。 ◆唐沢敏美 委員 社会民主党世田谷区議団は、平成十二年度一般会計予算外四件について賛成いたします。  なお、意見は本会議場で申し述べます。 ○荒木義一 委員長 次に、反政党・改革派、どうぞ。 ◆下条忠雄 委員 引き続き野党的立場を堅持して、すべてに反対をいたします。  意見は、皆さんと同じように本会議で申し上げます。  以上。 ○荒木義一 委員長 次に、世田谷行革一一〇番、どうぞ。 ◆大庭正明 委員 世田谷行革一一〇番は、平成十二年度世田谷区予算一般会計外四件、いずれも反対いたします。  意見は本会議場で述べさせていただきます。  以上です。 ○荒木義一 委員長 次に、無党派市民、どうぞ。 ◆木下泰之 委員 無党派市民は、平成十二年度世田谷区一般会計予算外すべてに反対をします。  なお、意見は本会議で述べさせていただきます。 ○荒木義一 委員長 次に、新風21、どうぞ。 ◆小泉たま子 委員 新風21は、平成十二年度世田谷区予算一般会計外四件につきまして賛成をいたします。  なお、意見につきましては本会議場で述べさせていただきます。 ○荒木義一 委員長 次に、自由党、どうぞ。 ◆上島よしもり 委員 世田谷区議会自由党は、平成十二年度世田谷区予算一般会計及び四特別会計、以上五会計予算すべてに賛成いたします。  意見につきましては本会議場で述べさせていただきます。 ○荒木義一 委員長 以上で各会派の態度表明は終わりました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 引き続き採決に入ります。採決は、二回に分けて、それぞれ起立によって行います。  まず、議案第一号「平成十二年度世田谷区一般会計予算」、議案第二号「平成十二年度世田谷区国民健康保険事業会計予算」及び議案第四号「平成十二年度世田谷区介護保険事業会計予算」の三件について一括してお諮りいたします。  本三件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○荒木義一 委員長 起立多数と認めます。よって議案第一号、第二号及び第四号の三件は原案どおり可決と決定いたしました。  次に、議案第三号「平成十二年度世田谷区老人保健医療会計予算」及び議案第五号「平成十二年度世田谷区中学校給食費会計予算」の二件について一括してお諮りいたします。  本二件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○荒木義一 委員長 起立多数と認めます。よって議案第三号及び第五号の二件は原案どおり可決と決定いたしました。  以上で当委員会に付託されました予算審査はすべて終了をいたしました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 この際、区長より発言の申し出があります。 ◎大場 区長 平成十二年度の予算案につきまして、連日にわたりご審議を賜りまして、大変ご苦労さまでございました。
     また、ただいまは原案どおりご決定を賜りまして、まことにありがとうございます。  本委員会のご審議の過程でいただいた、貴重なご意見、ご提案、ご要望などにつきましては、十分に尊重いたしまして、今後の区政運営に取り組んでまいりたい、このように思っております。  簡単ではございますが、予算特別委員会終了に当たってのごあいさつといたします。  ありがとうございました。    ────────────────── ○荒木義一 委員長 以上で区長のあいさつは終わりました。  ここで正副委員長を代表いたしまして、一言ごあいさつを申し上げます。  委員の皆様には、七日間にわたりまして熱心なご審議をいただき、充実した委員会となったことを心から感謝申し上げます。  また、副委員長を初め運営委員の皆様には、委員会の運営にご協力を賜りまして、まことにありがとうございました。  ただいま区長のあいさつにもありましたが、区長を初め理事者の皆様におかれましては、この委員会で出されました各委員からのご意見、ご提言等を十分にご理解いただき、今後の区政運営に反映させていただくとともに、世田谷区の一層の発展のためご尽力をお願いする次第であります。  最後に、改めまして運営委員を初め各委員の皆様並びに理事者の皆様のご協力に感謝申し上げ、正副委員長を代表してのあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手)    ────────────────── ○荒木義一 委員長 以上をもちまして予算特別委員会を散会いたします。     午後六時三十分散会...